『ジョジョの奇妙な冒険 第6部 ストーンオーシャン』を読んだあとに、誰もが一度は空を見上げて「あそこにも飛んでいるのかも……」と想像してしまう存在、それが「スカイフィッシュ」ですよね。
物語の終盤、プッチ神父によって導かれたDIOの息子の一人、リキエル。彼が操るこの奇妙な生物は、単なる空想の産物ではなく、かつて現実世界を騒がせた未確認生物(UMA)がモデルになっています。
今回は、ジョジョにおけるスカイフィッシュの恐るべき正体から、スタンド「スカイ・ハイ」の能力、そして現実世界での衝撃の結末まで、ジョジョファンなら知っておきたい知識を深掘りして解説していきます。
1. ジョジョ第6部に登場する「スカイフィッシュ」とは何者か
第6部「ストーンオーシャン」において、主人公の空条徐倫たちを窮地に追い込んだ刺客、リキエル。彼が使役するのが「スカイフィッシュ(別名:ロッズ)」です。
作中の設定では、スカイフィッシュは「実在するが、あまりに高速すぎて肉眼では捉えられない生物」として定義されています。一般的なスタンド能力が精神エネルギーの具現化であるのに対し、リキエルの能力は「野生の生物をコントロールする」という、ジョジョシリーズの中でも非常に珍しいタイプでした。
スカイフィッシュの驚異的な生態
作中で語られる彼らの生態は、生物学的なリアリティとホラー要素が絶妙に混ざり合っています。
- 飛行速度: 時速200kmから300kmという猛スピードで空を駆け抜けます。
- 外見: 棒状の体に、波打つような複数のヒレ(翼)を持っています。
- エネルギー源: 最大の特徴は、他の生物から「熱(体温)」を奪って自らの糧にすることです。
- 死後の姿: 命が尽きるとすぐに液体状に溶けてしまうため、死骸が残らず、科学的な証明が困難であるとされています。
この「熱を奪う」という性質が、リキエルの精密な攻撃の核となっていました。
2. リキエルのスタンド「スカイ・ハイ」の特殊な能力
リキエルの腕に装着された小型のスタンドジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン フィギュア、それが「スカイ・ハイ」です。
このスタンド自体には、強力なパンチ力や破壊光線があるわけではありません。その真の力は、周囲に生息する野生のスカイフィッシュを、リキエルの意志のままに誘導・操作することにあります。
医学的知識を悪用した「病気」の攻撃
リキエルの攻撃が恐ろしいのは、スカイフィッシュに「標的の体の、非常にピンポイントな場所から熱を奪わせる」点にあります。これによって、物理的な傷を負わせるのではなく、人体に機能不全――つまり「病気」を引き起こすのです。
例えば、以下のような攻撃を仕掛けてきました。
- まぶたの熱を奪う: 筋肉を麻痺させ、目が開かなくなる。
- 指先や腕の熱を奪う: 神経の伝達を阻害し、感覚を失わせる。
- 延髄(脳の一部)の熱を奪う: 呼吸を司る中枢を停止させ、窒息させる。
徐倫たちは、どこから飛んでくるかわからない、目に見えない敵に翻弄されることになります。リキエル自身、最初は自分に自信のない青年でしたが、この能力を自覚し「自分が世界の王者の家系(DIOの息子)である」という自負を持ったことで、その攻撃はさらに正確さを増していきました。
3. 元ネタとなったUMA「ロッズ(スカイフィッシュ)」の正体
さて、ここからは現実世界のお話です。荒木飛呂彦先生がこのネタをどこから持ってきたのか、気になる方も多いでしょう。
1990年代から2000年代初頭にかけて、オカルト番組や雑誌を賑わせていた「ロッズ(Flying Rods)」というUMAがいました。当時のテレビでは「ビデオカメラにしか映らない超高速生物がいる!」と大真面目に特集が組まれていたのです。
なぜ「スカイフィッシュ」と呼ばれたのか
もともとはアメリカのビデオ編集者、ホセ・エスカミーラという人物が、洞窟などで撮影した映像をスロー再生した際に発見したのがきっかけでした。細長い棒のようなものが、側面のヒレを波打たせて飛んでいるように見えたことから「空飛ぶ魚(スカイフィッシュ)」や「棒(ロッズ)」と呼ばれるようになったのです。
当時のオカルト界隈では、以下のような説が飛び交っていました。
- カンブリア紀の生物「アノマロカリス」の生き残りではないか。
- 未知の知的生命体、あるいは宇宙生物ではないか。
- 重力を制御して飛んでいるのではないか。
ジョジョ第6部が連載されていたのは2000年から2003年。まさに「スカイフィッシュが実在するかもしれない」というワクワクと恐怖が、世界中でピークに達していた時期でした。荒木先生はこの最新のトレンドを取り入れ、独自の解釈を加えることで、魅力的な敵キャラクターを作り上げたのです。
4. 科学が解き明かしたスカイフィッシュの真実
夢を壊すような話かもしれませんが、現在ではスカイフィッシュの正体は科学的に解明されています。
結論から言うと、その正体は**「カメラの前を横切った普通の昆虫」**です。
モーションブラーという現象
なぜ、ただのハエや蛾が、あのような奇妙な形に見えてしまったのでしょうか。その原因は「モーションブラー(被写体ぶれ)」という現象にあります。
- 残像効果: ビデオカメラのシャッタースピードが、高速で動く昆虫のスピードに追いつかないとき、その軌跡が一本の線のように伸びて写ります。
- ヒレの正体: 昆虫が羽ばたいている瞬間が、コマ送りの映像の中で重なり合うことで、まるで棒の横に複数のヒレがついているように見えたのです。
実際、高感度でシャッタースピードの速い最新のカメラで同じ場所を撮影すると、そこにはただの蛾やハエしか写っていなかった……という検証結果が数多く報告されています。
今では「20世紀末最大のオカルトの勘違い」として語られることが多いスカイフィッシュですが、ジョジョの世界では「実際に存在する生物」として、あの圧倒的な緊張感を生み出しているのが面白いところですよね。
5. ジョジョ流の攻略法!徐倫はどうやって勝ったのか?
リキエルとスカイフィッシュの連携に対し、徐倫が取った解決策は、まさにジョジョらしい「覚悟」と「知略」に満ちたものでした。
相手は「熱」を奪うことで攻撃してきます。それに対し、徐倫は自身のスタンド超像可動 ストーンオーシャン 空条徐倫の糸を体に巻き付け、そこにガソリンを撒いて火を放ちました。
「自分の体を燃やす」という、常人では考えられない捨て身の作戦です。これによって周囲の温度を極端に上げ、スカイフィッシュが正確に体温を奪えない状況を作り出しました。
さらに、リキエルの隠れた位置を特定し、ゼロ距離での連打(オラオラ)を叩き込む。この戦いは、単なる能力のぶつかり合いではなく、どちらが「運命を受け入れる覚悟」を持っているかの勝負でした。
リキエルは敗北しましたが、彼は最後に「プッチ神父が目指す天国」への重要なヒントを口にし、物語はさらに加速していくことになります。
6. まとめ:ジョジョのスカイフィッシュが教えてくれるもの
ジョジョにおけるスカイフィッシュは、当時のUMAブームを背景に誕生した、荒木飛呂彦先生の知識と創造力の結晶です。
科学的に正体が暴かれた今でも、ストーンオーシャンを読み返すと、リキエルのあの狂気的なまでの集中力と、スカイフィッシュの不気味な攻撃には背筋が凍るような思いがします。
「世の中にはまだ、自分の知らない恐ろしいルールがあるかもしれない」
そんな未知への恐怖と好奇心を刺激してくれるのが、ジョジョという作品の大きな魅力ではないでしょうか。次に皆さんが夏の夜に虫の羽音を聞いたとき、それはただの虫ではなく、リキエルの操るスカイフィッシュの羽ばたきかもしれません。
ジョジョのスカイフィッシュを知ることで、作品の背景にあるオカルトや科学、そして何より「黄金の精神」と「漆黒の意志」のぶつかり合いを、より深く楽しんでいただければ幸いです。
もっと深くジョジョの世界に浸りたい方は、ぜひジョジョの奇妙な冒険 第6部 12巻を手に取って、リキエルとの死闘をその目で確かめてみてください。
「覚悟」とは……暗闇の荒野に、進むべき道を切り開くことだ!
ジョジョのスカイフィッシュについて詳しくなれたでしょうか?この記事があなたのジョジョライフをより豊かにするきっかけになれば嬉しいです!

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