「ジョジョの奇妙な冒険」というタイトルを聞いて、どんなイメージを思い浮かべますか?
「絵が独特すぎて近寄りがたい」「スタンドっていう能力で戦うんでしょ?」そんな声が聞こえてきそうです。特にシリーズの原点である第1部(ファントムブラッド)については、ネット上で「ジョジョ1部はつまらない」なんて極端な意見を目にすることもあるかもしれません。
でも、ちょっと待ってください。その先入観だけで食わず嫌いをしてしまうのは、人生の楽しみを一つ損していると言っても過言ではありません。なぜなら、1部こそが全ジョジョシリーズの血脈であり、最高に熱い「人間讃歌」の物語だからです。
今回は、ジョジョ1部がなぜこれほどまでに愛され、そしてなぜ一部で「つまらない」と言われてしまうのか、その魅力を徹底的に深掘りしていきます。
なぜ「ジョジョ1部はつまらない」という声があるのか?
まず、火のない所に煙は立たないと言います。なぜ初心者が1部で挫折しそうになるのか、その理由を正直に分析してみましょう。
絵柄のインパクトが強すぎる
ジョジョ1部が連載されていたのは1980年代後半です。当時の漫画界はいわゆる「劇画調」が全盛期。筋肉隆々のキャラクターが画面いっぱいに暴れ回るスタイルは、現代のスタイリッシュなアニメや漫画に慣れた目には、少し暑苦しく、古臭く感じられることがあります。
序盤が「泥沼のいじめ」から始まる
1部の導入は、主人公ジョナサン・ジョースターが、養子としてやってきたディオ・ブランドーに徹底的に追い詰められる展開です。愛犬をひどい目に合わされ、友達を奪われ、恋人との仲を裂かれる。このストレスフルな展開に「見ていて辛い」と感じてしまう読者が多いのも事実です。
「スタンド」が出てこない
ジョジョといえば「スタンド(守護霊のような超能力)」を連想する人が多いですが、1部の戦闘スタイルは「波紋(はもん)」という特殊な呼吸法を用いた肉弾戦です。3部以降の頭脳戦や特殊能力バトルを期待して見始めると、「意外と地味だな」と感じてしまう落とし穴があります。
しかし、これらの要素はすべて、後半の爆発的な面白さのための「溜め」でしかありません。
ジョジョ1部が誇る「伝説の始まり」としての魅力
1部を最後まで読み終えた(あるいは観終えた)とき、多くの人が「これを見なきゃジョジョは始まらない」と確信します。その理由は、以下の3点に集約されます。
宿命のライバル、ジョナサンとディオ
物語は、英国貴族の跡取り息子である「ジョナサン・ジョースター」と、スラム街出身で野心家の「ディオ・ブランドー」の出会いから始まります。
ジョナサンは、どこまでも真っ直ぐで不器用な「紳士」。対するディオは、他人を蹴落としてでも頂点に立つという「悪のカリスマ」。この光と影のような二人の関係性は、単なる敵味方を超えた「奇妙な友情」すら感じさせます。ディオが人間であることを捨て、吸血鬼となってジョナサンの前に立ちはだかる時、物語のボルテージは最高潮に達します。
「人間讃歌」というテーマの深さ
ジョジョ全編に通底するテーマは「人間讃歌」です。
吸血鬼という、不老不死で圧倒的な力を持つ「バケモノ」に対し、人間はあまりに弱く、命も短い。それでも、勇気を持って、知恵を絞って、愛する者のために運命に立ち向かう。その人間の精神的な気高さこそが美しいのだ、というメッセージが1部には凝縮されています。
伝説の名言とポージング
「おれは人間をやめるぞ!ジョジョーッ!!」
「さすがディオ!おれたちにできない事を平然とやってのけるッ!そこにシビれる!あこがれるゥ!」
これら、ネットで一度は見かけたことがあるであろう有名フレーズのオンパレードです。また、独特の立ち姿「ジョジョ立ち」の原型もここから始まっています。独特の言語感覚とビジュアルセンスは、一度ハマると中毒性が抜群です。
登場キャラクターたちが放つ「黄金の精神」
1部を彩るキャラクターたちは、誰一人として無駄がいません。彼らの生き様を知ることで、物語の解像度は一気に上がります。
ジョナサン・ジョースター
シリーズで唯一「純粋な善」を貫く主人公です。最初は泣き虫だった彼が、ディオという巨悪に立ち向かうために、過酷な修行を経て立派な紳士へと成長していく姿には胸を打たれます。彼の優しさは、最後の最後まで物語を支配します。
ディオ・ブランドー
漫画史に残る最高の悪役の一人です。彼の「悪」には迷いがありません。冷酷非道でありながら、どこか気品を感じさせるその姿は、後のシリーズでも多大な影響を与え続けます。もし彼がジョースター家に来なければ……と考えずにはいられない、悲しき背景も持ち合わせています。
ウィル・A・ツェペリ
ジョナサンに「波紋」を教える師匠です。お調子者のようでいて、自らの死の運命を受け入れている覚悟の人。彼がジョナサンに託した「勇気」のバトンは、ジョジョという物語のバトンそのものです。
ロバート・E・O・スピードワゴン
元は貧民街のチンピラでしたが、ジョナサンの高潔な精神に触れ、生涯の友となります。彼は戦う力こそ弱いものの、熱い実況(解説)と溢れる忠誠心で読者の心を掴みます。彼の名前を冠した「スピードワゴン財団」は、この後100年以上にわたってジョースター家を支え続けることになります。
初心者がジョジョ1部を最高に楽しむための3つのステップ
もしあなたがこれからジョジョの世界に足を踏み入れるなら、以下のステップをおすすめします。
ステップ1:アニメ版から入る
ジョジョの奇妙な冒険 第1部 ブルーレイ原作漫画も素晴らしいですが、初めての方には2012年に制作されたアニメ版が最適です。原作の濃密な雰囲気を壊さずに、現代的なテンポで再構成されています。何より、劇伴(BGM)や声優さんの熱演が、1部の「熱量」を何倍にも引き立ててくれます。
ステップ2:名言を「音」で楽しむ
ジョジョの台詞には独特のリズムがあります。「!」「ッ」の使い方が絶妙で、それを声に出して読みたくなるような魅力があります。アニメでその独特のイントネーションを確認しながら見ると、一気に世界観に引き込まれます。
ステップ3:3部までの「長いプロローグ」だと考える
1部は全9話(アニメ版)と非常にコンパクトです。もし途中で少し退屈だと感じても、「これは3部で復活する宿命の対決のための、壮大な前日譚なんだ」と思って見てください。1部を見ているのと見ていないのとでは、3部クライマックスの感動が100倍変わります。
物語を支えるガジェット:石仮面と波紋
1部の根幹を支える設定についても触れておきましょう。
- 石仮面: 人間の脳に針を突き立て、潜在能力を強制的に引き出すアステカ文明の遺物。これにより人間は吸血鬼となります。すべての悲劇の引き金です。
- 波紋疾走(オーバードライブ): 特殊な呼吸法で生み出したエネルギー。太陽光と同じ性質を持つため、吸血鬼を浄化することができます。
この「太陽 vs 夜の住人」という構図が、物語に古典的なホラー映画のような様式美を与えています。
まとめ:ジョジョ1部はつまらない?魅力とあらすじを徹底解説!初心者がハマる楽しみ方とは
ここまで読んでくださったあなたなら、もう「ジョジョ1部はつまらない」という言葉が単なる表面的な評価に過ぎないことに気づいているはずです。
1部は、最新のシリーズに比べれば確かにシンプルかもしれません。しかし、そこには作り手の情熱と、時代を超えて語り継がれるべき「勇気」の物語が詰まっています。ジョナサンとディオ、二人の青年の出会いから始まった数奇な運命は、100年の時を超えて受け継がれていくのです。
もしあなたが、何か熱いものに触れたい、挫けない勇気が欲しいと思っているなら、今すぐジョースター邸の門を叩いてみてください。
ジョジョの奇妙な冒険 第1部 コミック全巻セット1部を駆け抜けたとき、あなたの心にはきっと「黄金の精神」が芽生えているはずです。そしてその時、あなたは2部、3部と続くジョジョの広大な海へと、自ら飛び込まずにはいられなくなるでしょう。
さあ、奇妙な冒険の始まりです。あなたは、人間をやめますか? それとも、誇り高き紳士として運命に立ち向かいますか?
次の一歩として、まずはアニメの第1話をチェックしてみることから始めてみませんか? きっと、想像以上の衝撃があなたを待っていますよ。

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