ジョジョ6部サンダー・マックイーンの能力と元ネタは?真の邪悪と言われる理由も解説

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『ジョジョの奇妙な冒険 第6部 ストーンオーシャン』。この物語には、DIOやプッチ神父といった圧倒的なカリスマ性を持つ悪役が登場しますが、それらとは全く異なるベクトルで読者にトラウマを植え付けたキャラクターがいます。

それが、サンダー・マックイーンです。

「自分が死ぬから、あんたも一緒に死んでくれ」という、あまりにも身勝手で後ろ向きな彼の行動原理。そして、エルメェス・コステロに「真の邪悪」とまで言わしめたその精神性は、連載から時間が経った今でもファンの間で語り草になっています。

今回は、そんなサンダー・マックイーンのスタンド能力「ハイウェイ・トゥ・ヘル」の詳細から、名前の由来となった意外な元ネタ、そしてなぜ彼がシリーズ屈指の「ドス黒い悪」なのかについて、徹底的に解説していきます。


サンダー・マックイーンという男の異常なプロフィール

サンダー・マックイーンは、グリーン・ドルフィン・ストリート刑務所に収容されている囚人の一人です。初登場時、彼は清掃員として働いていましたが、その風貌や言動からはおよそ「刺客」としての威圧感は微塵も感じられません。

むしろ、常にビクビクとしており、自分の不運を嘆き、隙あらば自殺を図ろうとする「究極のネガティブ男」です。彼が刑務所に入ることになった理由も、本人曰く「掃除中に散弾銃が暴発して、たまたま通行人に当たっただけ」という、信じがたいほどに理不尽で不運な事故(と本人は主張している)でした。

しかし、この「自分は不幸な被害者である」という思い込みこそが、彼を最強に厄介な敵へと変貌させる燃料となっています。


スタンド「ハイウェイ・トゥ・ヘル」の能力と絶望的な仕組み

マックイーンが持つスタンド、ジョジョの奇妙な冒険 第6部に登場する「ハイウェイ・トゥ・ヘル(地獄へのハイウェイ)」は、本体の性質をこれ以上ないほど反映した能力です。

このスタンドには、一般的なスタンドのような「パンチ力」や「スピード」といった物理的な破壊力はほとんどありません。その真髄は「ダメージの完全共有」にあります。

死への道連れに特化した能力

ハイウェイ・トゥ・ヘルが発動すると、マックイーンが選択したターゲットの身体に、マックイーンと同じスタンドが取り憑きます。そして、マックイーンが自分自身を傷つけると、全く同じ現象がターゲットの身にも起こります。

  • マックイーンが首を吊れば、ターゲットの首も目に見えない力で絞まる。
  • マックイーンが溺れようとすれば、ターゲットの肺にも水が溜まる。
  • マックイーンが感電すれば、ターゲットも同じ電圧で焼かれる。

恐ろしいのは、これが「攻撃」ではなく「道連れ」であるという点です。マックイーン自身には相手を殺そうという明確な殺意すら希薄で、ただ「死にたい、一人で死ぬのは怖いから一緒に来てほしい」という純粋な(そして歪んだ)願望だけで能力が成立してしまいます。

回避不能の理不尽さ

通常のスタンドバトルであれば、敵を叩けば解決します。しかし、ハイウェイ・トゥ・ヘル相手にマックイーンを攻撃することは、そのまま自分へのダメージを加速させることに直結します。

エルメェスはこの戦いで、マックイーンの自殺を「阻止し続けなければならない」という、ジョジョ史上でも稀に見る奇妙でストレスフルな戦いを強いられることになりました。


なぜ「真の邪悪」なのか?エルメェスが感じたドス黒い闇

ジョジョの世界には、世界征服を企む者や、平穏のために殺人を重ねる者など、多様な悪役が登場します。しかし、エルメェスはマックイーンに対し、それらとは一線を画す嫌悪感を抱きました。

「おまえは自分が『悪』だと気づいていない…もっともドス黒い『悪』だ」

この名言に集約されるマックイーンの邪悪さとは、一体何なのでしょうか。

自覚のない加害者

マックイーンの最大の特徴は、常に「自分は被害者だ」と信じ込んでいることです。自分が他人に迷惑をかけている、あるいは他人の命を奪おうとしているという自覚が決定的に欠如しています。

「自分がこんなに苦しいのだから、他人が犠牲になるのは当然だ」という思考回路。これは、明確な悪意を持って行動する者よりも、対話や反省の余地がないという意味で救いようがありません。

善意すらも「死への招待状」に変える

エルメェスは最初、マックイーンを励まそうとしたり、自殺を止めようとしたりする「善意」を見せました。しかし、マックイーンはその善意さえも「この人は僕を理解してくれる、だから一緒に死んでくれるはずだ」と、自分勝手な理屈で死への道連れの理由に変換してしまいます。

相手の優しさを利用し、泥沼に引きずり込む。この精神的な気味悪さこそが、彼が「真の邪悪」と呼ばれる所以です。


サンダー・マックイーンの元ネタを徹底解剖

荒木飛呂彦先生の作品といえば、洋楽やファッションブランドからのネーミングが有名ですが、サンダー・マックイーンも例外ではありません。

名前は伝説のデザイナーから

キャラクター名の由来は、イギリスの伝説的なファッションデザイナー、アレキサンダー・マックイーンであると言われています。

非常に興味深く、また恐ろしい一致なのですが、アレキサンダー・マックイーン氏は2010年に自ら命を絶っています。ジョジョ第6部の連載は2000年から2003年ですので、連載当時は存命でした。キャラクターの「自殺志願者」という設定が、後に現実のデザイナーの最期と重なってしまったことは、ファンの間で戦慄を持って受け止められました。

スタンド名はAC/DCの名曲

スタンド名の「ハイウェイ・トゥ・ヘル」は、オーストラリアのロックバンド、AC/DCの代表曲およびアルバムタイトルが元ネタです。

直訳すれば「地獄への高速道路」。一度走り出したら止まらない、死へと向かう一本道を象徴するこのタイトルは、マックイーンの止まらないネガティブ思考と、ターゲットを強制的に死へ引き込む能力に完璧にマッチしています。


結末とその後の影響:マックイーンのその後は?

エルメェスとの死闘(?)の末、マックイーンはどうなったのでしょうか。

結論から言えば、彼はエルメェスのスタンド「キッス」のシールを使った頭脳プレーにより、プッチ神父から与えられた「記憶」と「能力」のディスクを抜き取られ、再起不能(リタイア)となりました。

しかし、彼は死んだわけではありません。スタンド能力と、それにまつわる邪悪な記憶を失い、単なる「空っぽの囚人」に戻ったのです。自分が何をしたのか、なぜそこにいるのかも曖昧なまま生き続けるという結末は、死を望んでいた彼にとって、ある意味で死よりも残酷な罰だったのかもしれません。

また、この戦いを通じてエルメェスは、刑務所内に潜む「理由のない悪」の恐ろしさを身をもって知ることになり、精神的に大きく成長するきっかけとなりました。


ジョジョ6部サンダー・マックイーンの能力と元ネタは?真の邪悪と言われる理由も解説まとめ

サンダー・マックイーンというキャラクターを振り返ると、彼がいかに特殊な敵であったかが分かります。

  • 能力: 自分のダメージを相手に強制共有する「ハイウェイ・トゥ・ヘル」。
  • 元ネタ: デザイナーのアレキサンダー・マックイーンと、AC/DCの楽曲。
  • 邪悪さ: 「自分は被害者」という思い込みから、無自覚に他人を破滅させる精神性。

彼は決して強大な力を持つボスではありません。しかし、私たちの日常のすぐ隣にも潜んでいそうな「話の通じないネガティブな悪」を体現しているからこそ、読む者にこれほどまでの恐怖を感じさせるのでしょう。

ストーンオーシャンを読み返す際は、ぜひこの「真の邪悪」が持つドス黒い闇に注目してみてください。きっと、初読時とは違った恐ろしさが見えてくるはずです。

サンダー・マックイーンの能力やその特異なキャラクター性について深く知ることで、ジョジョ第6部の物語が持つ「精神の救済と解放」というテーマが、より鮮明に浮かび上がってくることでしょう。

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