「ジョジョの奇妙な冒険」のファン、通称ジョジョラーにとって、宮城県仙台市は単なる地方都市ではありません。そこはエキサイティングなスタンドバトルが繰り広げられる「S市杜王町」のモデル。荒木飛呂彦先生の故郷であり、作品の息吹が街のいたる所に潜んでいる聖地中の聖地です。
かつて、この仙台の路上に突如として現れたのが、キャラクターをあしらった「ジョジョのマンホール」でした。あまりのクオリティの高さに、全国からファンが押し寄せ、足元の芸術を写真に収める姿が日常の風景となった時期があります。
しかし、現在ネットで検索してみると「見つからない」「撤去された?」という不安な声も耳にします。これから聖地巡礼を計画している方のために、最新の設置状況や過去の設置場所、そして今の仙台を120%楽しむための歩き方を詳しく解説します。
ジョジョのマンホールは今でも見ることができるのか?
まず、一番大切な結論からお伝えしなければなりません。2017年に「荒木飛呂彦原画展 ジョジョ展 in S市杜王町 2017」の開催を記念して設置された全9種類のカラーマンホールは、残念ながら現在はすべて撤去されています。
これらは当初から期間限定の特別企画として設置されたものでした。2017年8月4日から9月10日までの約1ヶ月間、杜王町の世界観を現実の街に溶け込ませるための粋な演出だったのです。
「せっかく仙台に行くのに、もう見られないの?」と肩を落とすのはまだ早いです。実物は路上から姿を消しましたが、その「場所」には今もキャラクターたちの面影が残っています。また、仙台市は下水道事業への関心が高く、期間限定で展示室などに保管されていたマンホールが公開されるイベントが行われることもあります。
何より、マンホールが置かれていた場所そのものが、作品に深く関連した「聖地」ばかり。跡地を巡るだけでも、物語の追体験ができるよう工夫されているのが仙台のすごいところなんです。
過去に設置されていたキャラクターと場所の全記録
期間限定で設置されていた9枚のマンホールは、どこに、誰が配置されていたのでしょうか。当時の熱狂を振り返りながら、そのロケーションを整理してみましょう。
東方仗助(西公園C60広場内)
第4部の主人公、東方仗助は「杜の都れんが下水洞窟」の入り口付近に設置されていました。ここは仙台市最古の煉瓦下水道が見学できるスポット。下水道の歴史とジョジョが融合した、まさにプロジェクトの象徴的な場所でした。
岸辺露伴(せんだいメディアテーク前)
「だが断る」の名言でおなじみ、漫画家の岸辺露伴。彼にふさわしく、仙台の文化芸術の拠点である「せんだいメディアテーク」の目の前に鎮座していました。定禅寺通のケヤキ並木を背景に、スタイリッシュな露伴先生の姿は最高に映えていました。
空条承太郎(広瀬通・東二番丁通交差点)
第3部の主人公であり、4部でも重要な役割を果たす承太郎。地下鉄広瀬通駅の出口付近に設置され、多くの通勤・通学客を見守っていました。
広瀬康一(広瀬通・東二番丁通交差点)
承太郎の向かい側には、成長著しい広瀬康一くんが配置。まさに師弟のような距離感での設置に、ファンの胸が熱くなったスポットです。
花京院典明(花京院郵便局周辺)
3部の人気キャラ、花京院典明。彼の名字の由来となった「花京院」地区に設置されました。郵便局のすぐそばという日常風景の中に、ハイエロファントグリーンが鮮やかに描かれていたのは感動的でした。
杉本鈴美(ローソン柳町通店前)
「振り向いてはいけない小道」を彷彿とさせる、少し落ち着いたエリアに設置。彼女の切ない物語を知っているファンにとっては、外せない巡礼地となっていました。
吉良吉影(「むかでや」周辺)
静かに暮らしたい殺人鬼、吉良吉影。彼がボタンを直した靴屋のモデルとされる老舗「むかでや」の近くにありました。商店街のど真ん中にキラークイーンがいるという緊張感がたまりませんでした。
鋼田一豊大(八木山動物公園 東門付近)
鉄塔に住む男。近くに巨大なテレビ塔が見えるこの場所は、まさに彼にぴったりのロケーション。八木山の高台から街を見下ろすような配置がニクい演出でした。
音石明(地下鉄東西線 荒井駅)
レッド・ホット・チリ・ペッパーを操るギタリスト。新しく開発されたエリアである荒井駅に設置され、広い空の下で彼らしい存在感を放っていました。
マンホールがなくても楽しめる!仙台の聖地巡礼スポット
路上のマンホールは撤去されてしまいましたが、仙台には「ジョジョ」を感じられる場所が山ほどあります。むしろ、マンホール探しがなくなった分、じっくりと街の空気を味わえるかもしれません。
まず外せないのが、一番町商店街にある「むかでや」さんです。ここは作中で吉良吉影がサンジェルマンの袋を持って立ち寄った靴屋のモデル。お店の方は非常にファンに理解があり、お買い物をすると「吉良吉影」宛の領収証を書いてくれるという、ファン垂涎のサービスを続けてくださっています。
次に、地名の由来を巡る旅もおすすめです。
- 「花京院」の看板をバックに記念撮影。
- 「広瀬通」を歩きながら、康一くんの奮闘に思いを馳せる。
- 「定禅寺通」の美しい並木道を、岸辺露伴のように散策する。
これらはすべて、歩くだけで無料。仙台の街そのものが大きな美術館のように感じられるはずです。
もし、さらにディープに楽しみたいなら、公式ガイドブックである地球の歩き方 JOJOを片手に歩くのが最強のルートです。作者の荒木先生が通ったといわれる喫茶店や、インスピレーションを受けたであろうスポットが網羅されています。スマートフォンの地図アプリも便利ですが、紙のガイドをめくりながら歩く感覚は、冒険者そのものです。
撮影の際には、最新の機材があるとより思い出が鮮やかになります。iPhoneのポートレートモードを使えば、仙台の街角もまるで映画のワンシーンのように切り取ることができます。
聖地巡礼を成功させるための注意点とマナー
楽しい聖地巡礼ですが、いくつか守るべきルールがあります。これをおろそかにすると、将来的にコラボイベントができなくなる可能性もあるので、しっかり確認しておきましょう。
- 一般の方への配慮を忘れずに聖地の多くは、市民の生活圏やビジネス街にあります。大人数で道をふさいだり、大声で叫んだりするのは厳禁。特に「むかでや」さんのような営業中の店舗では、他のお客さんの邪魔にならないよう注意しましょう。
- 撮影の許可取り店舗の中や、個人宅のモデルと思われる建物を撮影する場合は、必ず許可を得るか、外観のみを遠くから撮る程度に留めましょう。
- 歩きやすい服装で仙台の聖地は意外と広範囲に点在しています。特に八木山方面などは坂道も多いため、歩き慣れた靴で行くことを強くおすすめします。
- 撤去情報を知っておく今回紹介したマンホールのように、ネットの情報は古い場合があります。「今もあるはず」と思い込まず、最新の公式サイトや市の広報を確認する習慣をつけましょう。
ジョジョの物語は「受け継がれる意志」がテーマの一つでもあります。ファン一人ひとりがマナーを守ることで、仙台という街とジョジョの良好な関係が続き、またいつか新しいマンホールが設置される日が来るかもしれません。
ジョジョのマンホールは今どこにある?仙台の設置場所一覧と聖地巡礼の注意点を解説
ここまで、仙台のジョジョマンホールの現状と、今の楽しみ方について詳しく見てきました。
残念ながら2017年の伝説的なマンホールたちは、現在は路上には設置されていません。しかし、その設置場所の選定には、作品への深い愛情とこだわりが詰まっていました。仗助、露伴、承太郎……彼らがかつてそこにいたという事実を感じながら、杜王町のモデルとなった仙台の街を歩くこと。それ自体が、今のファンに許された最高の贅沢です。
マンホールはなくても、仙台の牛タンは美味しく、定禅寺通の風は心地よく、そして「むかでや」の領収証は今も私たちの手元に届きます。作品の舞台となった場所を自分の足で歩き、街の空気を取り込むことで、漫画のページをめくる時の解像度は格段に上がります。
これから仙台へ向かう皆さんは、ぜひ地球の歩き方 JOJOをリュックに忍ばせ、黄金の精神を持って旅を楽しんできてください。マンホールの跡地を巡り終えた時、あなたの中の「杜王町」は、もっと鮮やかな色彩で描き直されているはずです。
ジョジョのマンホールは今どこにある?という疑問の答えは、物理的な場所からは消えていても、ファンの記憶と、仙台という街のホスピタリティの中にしっかりと息づいています。

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