ジョジョ『無限の王』あらすじ・ネタバレ徹底解説!リサリサとスタンド起源の謎を追う

ジョジョ
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「波紋」から「スタンド」へ。ジョジョの歴史が切り替わる瞬間、そこには一体何があったのか。

荒木飛呂彦先生の描く『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズにおいて、第2部と第3部の間には約50年という長い空白期間が存在します。ニューヨークの若きジョセフが柱の男たちを倒したあの日から、承太郎がエジプトを目指すことになるまでの間、世界では何が起きていたのか。

そのミッシングリンクを、直木賞作家・真藤順丈氏が圧倒的な筆致で描き出したのが、小説ジョジョの奇妙な冒険 無限の王です。

今回は、本作のあらすじや結末、そしてファンが最も知りたかった「スタンドの起源」に迫るネタバレを徹底解説します。リサリサという孤高の戦士が、中南米の地で何を見たのか。その全貌を紐解いていきましょう。


1973年、中南米。リサリサが対峙した「見えない銃弾」の正体

物語の舞台は1973年。第2部の激闘から30年以上が経過した中南米のグアテマラです。

スピードワゴン財団(SPW財団)は、ある不気味な連続殺人事件を追っていました。犠牲者たちはみな、蜂の巣にされたような無数の弾痕を体に刻まれて死んでいるのですが、現場からは一発の銃弾も見つかりません。世間では「見えない銃弾」による犯行だと噂され、人々に恐怖を植え付けていました。

この超常的な事件の調査に乗り出したのが、SPW財団の顧問であり、かつてジョセフに波紋を教えた師、エリザベス・ジョースター。そう、我らがリサリサ先生です。

彼女はすでに70代を超えているはずですが、波紋の力によってその美貌と強靭な肉体は健在。マフラーを武器に変え、優雅かつ苛烈に敵をなぎ倒す姿は、まさに原作ファンが待ち望んだ「その後」の姿そのものでした。

リサリサは、財団職員のJ・D・エルナンデスと共に、中南米の熱気に包まれた迷宮へと足を踏み入れます。そこで彼女たちが目にしたのは、波紋とは根本的に異なる、しかしどこか根源が繋がっているような、不気味な「守護霊」のようなヴィジョンでした。


主要登場人物:リサリサと運命を共にする者たち

本作を彩るキャラクターたちは、みな「ジョジョ」らしい濃密な個性を放っています。

  • リサリサ(エリザベス・ジョースター)本作の主人公。老境にありながらも、そのカリスマ性と戦闘センスは衰え知らず。中南米の地で発生する異変が、かつて自分が関わった「石仮面」や「エイジャの赤石」に類する脅威ではないかと疑い、戦いに身を投じます。
  • J・D・エルナンデスSPW財団の職員。リサリサのサポート役を務めますが、彼女の圧倒的な存在感に翻弄されることもしばしば。読者にとっての等身大の視点を提供するキャラクターです。
  • オクタビオとホアキングアテマラの街で出会う二人の青年。物語の鍵を握る重要人物です。血気盛んなオクタビオと、冷静沈着なホアキン。この二人の関係性は、ジョジョシリーズが伝統的に描いてきた「友情」や「黄金の精神」を体現しており、物語の後半で明かされる彼らの真実には、涙を禁じ得ません。
  • 敵対者たち「無限の王」を信奉し、異能の力を振るう者たち。彼らの背後には、あの「矢」の影がちらつきます。

「矢」がもたらす異能。スタンド前夜の混沌としたバトル

ジョジョの奇妙な冒険 無限の王の見どころは、何と言っても「波紋 vs スタンド(的な力)」の描写にあります。

第3部以降、ジョジョの世界はスタンドバトルが主流となりますが、この1973年という時代設定では、まだ誰もその力を「スタンド」とは呼んでいません。リサリサは、敵が繰り出す目に見えない攻撃を、長年培った波紋の感覚と、持ち前の鋭い洞察力で切り抜けていきます。

例えば、無数の蠅を操り弾丸のように飛ばす能力者や、生命力を暴走させて肉体を異形に変える者。これらは明らかに第4部や第5部に出てくるスタンド使いのルーツを感じさせる能力です。

リサリサは、これまでの戦い(柱の男たちとの死闘)で得た経験をフル活用します。波紋を糸のように張り巡らせて敵の動きを察知し、クラッカー・ヴォレイならぬ波紋の応用技を叩き込む。真藤順丈氏によるバトル描写は非常に解像度が高く、文字だけで構成されているとは思えないほどの躍動感と「ジョジョ感」に満ち溢れています。


【ネタバレ注意】「無限の王」が示す衝撃の結末とタイトルの意味

物語のクライマックス、リサリサたちはペルー、そしてブラジルの奥地へと導かれます。そこで待っていたのは、自らを「無限の王」と称する存在と、運命に翻弄された少年たちの悲劇的な結末でした。

本作最大の衝撃は、オクタビオとホアキンの関係に隠されていました。

ずっと行動を共にしていた二人ですが、実はホアキンという少年は実在する人間ではなく、オクタビオが発現させた「スタンドヴィジョン」そのものだったのです。オクタビオ自身も無意識のうちに自分の理想や「こうありたい」という願いを具現化しており、それがホアキンという人格を持った姿で現れていました。

これこそが、自我が形となって現れる「スタンド」の最も純粋で、かつ切ない形でした。

そして、物語の終盤には、あの男が登場します。我らがジョセフ・ジョースターです。ニューヨークで不動産業を営み、少しずつ「老ジョセフ」の片鱗を見せ始めている彼が、母リサリサを助けるために中南米へと駆けつけます。

リサリサとジョセフ。二人の共闘の中で、この不思議な力について語り合うシーンがあります。そこでジョセフが、そのヴィジョンが「主人の側に立つ守護霊」のように見えることから、**「スタンド(側に立つもの)」**という言葉を口にします。

これが、第3部へと繋がる歴史的な瞬間です。リサリサが中南米で命を懸けて調査した「異能」の記録はSPW財団に蓄積され、のちに空条承太郎たちがエジプトへ向かう際の重要な知見となったことが示唆されます。


小説版ならではの深掘り。リサリサの孤独と誇り

ジョジョの奇妙な冒険 無限の王が傑作と言われる理由は、単なる裏設定の回収に留まらず、リサリサという一人の女性の精神性を深く掘り下げた点にあります。

原作第2部では、ストレイツォに育てられ、夫を殺され、息子ジョセフと離れて暮らさざるを得なかった彼女。その壮絶な過去を背負いながらも、彼女は決して弱音を吐きませんでした。

本作では、彼女が鏡を見て自分の若さを維持していることにふと虚しさを感じたり、亡き夫への思いを馳せたりする、人間味溢れる描写が随所にあります。

「波紋使いとして生きることは、常に何かを失い続けることである」

という過酷な運命を受け入れつつ、それでも未来のために戦う彼女の姿は、まさに「黄金の精神」そのものです。

また、中南米の熱気や、現地の宗教観、歴史的背景を絡めた真藤氏の文体は非常に重厚です。ジョジョの世界観が持つ「奇妙さ」と、南米の「魔術的リアリズム」が見事に融合しており、読者はまるで一編の壮大な映画を観ているような感覚に陥るでしょう。


競合作品や他メディアとの違い。なぜ今、リサリサなのか?

これまでのジョジョのスピンオフ作品といえば、第4部の露伴を主人公にしたものや、第5部のフーゴの後日談などが有名でした。しかし、あえて第2部と第3部の間、そしてリサリサを主人公に据えたのは、非常に鋭い選択と言えます。

なぜなら、この期間こそが、ジョジョという物語が「伝奇アクション」から「能力バトル」へと進化する、最もダイナミックな変革期だからです。

他の考察記事などでは「スタンドの起源は隕石に付着したウイルスである」という第5部の設定が重視されがちですが、本作はその「生物学的な起源」ではなく、「精神的な起源」、つまり人間がどうやってその力を認識し、名付け、受け入れていったのかというプロセスに焦点を当てています。

これが、多くのファンから「正史として読みたい」と絶賛される理由の一つです。リサリサという波紋の大家がいたからこそ、スタンドという新しい概念がスムーズにジョースター家に受け継がれたのだという説得力があります。


読後感:私たちは「無限の王」から何を受け取るのか

読み終えたとき、胸に残るのは爽快感だけではありません。運命の過酷さと、それに抗う人間の気高さが生む、熱い感動です。

オクタビオとホアキンの結末は決してハッピーエンドとは言えないかもしれません。しかし、彼らの想いはリサリサを通じて、そしてジョセフを通じて、巡り巡って日本の空条承太郎へと繋がっていく。

「無限の王」というタイトルには、力を追い求めた者の傲慢さと、それに対峙して無限の可能性を未来に繋いだ者たちの意志という、二重の意味が込められているように感じます。

もしあなたが、第2部のラストシーンでジョセフとリサリサが再会した後の物語をもっと知りたいと願っているなら。あるいは、第3部でジョセフがなぜあんなにスタンドについて詳しかったのか疑問に思っているなら。このジョジョの奇妙な冒険 無限の王は、そのすべての答えを提示してくれる一冊になるはずです。


ジョジョ『無限の王』あらすじ・ネタバレ徹底解説!リサリサとスタンド起源の謎を追う:まとめ

ここまで、真藤順丈氏によるノベライズジョジョの奇妙な冒険 無限の王の内容を深掘りしてきました。

本作は、単なるファンアイテムの枠を超えた、重厚な人間ドラマであり、壮大な歴史叙事詩です。

  • 1973年の中南米という、絶妙な時代設定。
  • リサリサという、強くて美しい主人公の再定義。
  • 「見えない銃弾」から始まる、スタンド概念の誕生秘話。
  • ジョセフ・ジョースターが「スタンド」と名付ける運命の瞬間。

これらすべての要素が、ジョジョの奇妙な物語をより強固なものにしています。波紋の呼吸を整え、精神のヴィジョンを研ぎ澄ませて、ぜひこの物語を体験してみてください。

リサリサが守り抜いた「未来」こそが、今の私たちが知るジョジョの世界そのものなのですから。

物語の細部や、さらに詳細なバトルの結末が気になる方は、ぜひその手でページをめくってみることを強くおすすめします。そこには、言葉では語り尽くせない「奇妙な」熱狂が待っています。

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