「ドラゴンボールは好きだけど、GTの曲ってなんであんなに心に刺さるんだろう……」
そんなふうに感じたことはありませんか?1996年から放送されたアニメ『ドラゴンボールGT』。鳥山明先生の原作にはないオリジナルストーリーとして始まった本作ですが、放映から30年近く経とうとしている今でも、その主題歌たちは「神曲」として語り継がれています。
FIELD OF VIEW、DEEN、ZARD、WANDS……。当時の音楽シーンを席巻した「ビーイング系」アーティストたちが集結した奇跡のようなラインナップ。なぜ、GTの楽曲はこれほどまでに私たちの記憶に深く刻まれているのか。
今回は、オープニングテーマ『DAN DAN 心魅かれてく』から、物語の節目を彩った歴代エンディングテーマの順番、そして歌手や制作秘話まで、その魅力を徹底的に深掘りしていきます。
唯一無二のオープニング:DAN DAN 心魅かれてく
『ドラゴンボールGT』全64話を通して、一度も変わることなく流れ続けたオープニングテーマ。それがFIELD OF VIEWの『DAN DAN 心魅かれてく』です。この曲を聴くだけで、悟空たちが宇宙へ飛び出していくワクワク感や、最終回の切なさが蘇るという方も多いはず。
黄金コンビが手掛けた「アニソンの枠を超えた名曲」
この曲の凄さは、制作陣の豪華さにあります。作詞はZARDの坂井泉水さん、作曲は織田哲郎さん。当時のJ-POP界でヒットを連発していた黄金コンビです。
実は歌詞の中に「ドラゴンボール」や「かめはめ波」といった作品特有のワードは一つも出てきません。それなのに、不思議とGTの世界観に完璧にマッチしているんですよね。「光と影の 終りなき暗黒(ディストピア)」といったフレーズは、物語後半の重厚な展開を予感させます。
歌い手・浅岡雄也さんの透明感ある歌声
FIELD OF VIEWのボーカル、浅岡雄也さんの真っすぐで透明感のある歌声が、悟空の純粋さと重なります。激しいバトルアニメでありながら、どこかノスタルジックで爽やかな風を感じさせるのは、彼の歌声があってこそでしょう。
最近でも音楽番組の「アニソンランキング」で必ずと言っていいほど上位に食い込むのは、世代を超えて愛されるメロディの力と言えます。もし今、高音質でじっくり聴き直したいなら FIELD OF VIEW ベスト などをチェックしてみるのもおすすめです。
歴代エンディングテーマの順番と魅力を徹底解剖
GTのエンディングテーマは、物語の進行に合わせて4曲が採用されました。どれも名曲揃いですが、それぞれの楽曲が持つ役割や背景を見ていきましょう。
第1期:ひとりじゃない(DEEN)
物語の始まり、第1話から第26話までを飾ったのがDEENの『ひとりじゃない』です。
- 担当: DEEN
- 特徴: 悟空、パン、トランクスの3人が宇宙を旅する初期のロードムービー的な雰囲気にぴったりの、明るく前向きなアップテンポナンバーです。
「ひとりじゃない」というメッセージは、頼りになる仲間との絆を象徴しています。DEENの池森秀一さんの爽やかなボーカルが、未知の惑星を冒険するワクワク感を加速させてくれました。
第2期:Don’t you see!(ZARD)
第27話から第41話、ベビー編の激闘が繰り広げられた時期に流れたのが、ZARDの『Don’t you see!』です。
- 担当: ZARD
- 特徴: 切なさと力強さが共存するバラード寄りの楽曲。
この曲を「GT最高のED」に推すファンは非常に多いです。坂井泉水さんの歌声が、強敵ベビーとの戦いで窮地に立たされる悟空たちの孤独や、それでも諦めない意思を感じさせます。アニメ映像ではキャラクターたちの日常的なスナップショットが流れ、そのコントラストが胸を打ちました。
第3期:君がいない(工藤亜紀)
第42話から第50話、超17号編から邪悪龍編の序盤にかけて使用されたのが、工藤亜紀さんの『君がいない』です。
- 担当: 工藤亜紀
- 特徴: どこかミステリアスで、切なさが際立つ楽曲。
これまでの有名バンド勢とは少し趣が変わり、女性ソロ歌手によるしっとりとした雰囲気が特徴です。物語が「負のエネルギー」というシリアスなテーマに踏み込んでいく時期に、この少し影のある楽曲が絶妙なアクセントを加えていました。
第4期:錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう(WANDS)
第51話から最終回まで、最後の戦いを彩ったのが第3期WANDSによる『錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう』です。
- 担当: WANDS
- 特徴: 作詞・作曲を小松未歩さんが手掛けた、ハードで疾走感のあるロックナンバー。
「世界が終わるまでは……」のような重厚感とはまた違う、都会的でソリッドなカッコよさがあります。崩壊していく世界の中で、運命に抗う悟空の背中が目に浮かぶような一曲です。最終回、この曲が流れた後の演出は、多くの視聴者の心に一生モノの記憶を刻みました。
なぜGTの音楽はこれほどまでに「エモい」のか?
ドラゴンボールZまでの楽曲(影山ヒロノブさん等のパワフルな楽曲)とは一線を画し、なぜGTは「ビーイング系」で統一されたのでしょうか。そこには当時の時代背景と、作品の「終わり」を意識した演出の意図が見え隠れします。
90年代シティポップの空気感
GTが放送された90年代半ばは、いわゆる「J-POPの黄金時代」でした。アニメソングを「子供向け」として作るのではなく、チャートを賑わすヒット曲をそのまま主題歌に据える手法が確立された時期です。
結果として、今20代や30代がドライブ中に聴いても全く違和感のない、洗練された「大人のアニソン」が誕生しました。悟空が子供の姿に戻ってしまうという少し切ない設定も、これらの音楽の叙情性とマッチしていたのかもしれません。
最終回という最大の演出
GTを語る上で外せないのが、最終回のラストシーンです。全ての戦いを終えた悟空が神龍の背に乗って去っていく。その回想シーンで、初期のワクワク感に溢れた『DAN DAN 心魅かれてく』が再び流れる……。
この演出によって、視聴者の中で「GT=名曲の宝庫」という印象が決定的なものになりました。音楽が物語の一部となり、視聴者の感情を極限まで揺さぶった瞬間です。
もし、当時の感動をリビングで再現したいなら Fire TV Stick などを使って、改めて配信で全編見返してみるのも良いですね。大画面で聴く主題歌は、また格別の味わいがあります。
音楽から読み解くドラゴンボールGTのメッセージ
GTの主題歌たちに共通しているのは、「孤独」「旅立ち」「絆」といったテーマです。
- 『DAN DAN 心魅かれてく』: 誰かを想う純粋な気持ち
- 『ひとりじゃない』: 仲間がいることの心強さ
- 『Don’t you see!』: 見失いそうな大切なものへの問いかけ
これらは、かつて少年だった私たちが大人になり、社会という広い宇宙で戦う中で直面する感情そのものです。だからこそ、大人になってから聴き直すと、当時よりも歌詞の意味が深く突き刺さるのです。
ドラゴンボールという壮大なサーガ。その一つの「完結」を描こうとしたGTにとって、これらの楽曲は単なる飾りではなく、悟空という男が生きた証を称える賛歌だったのかもしれません。
ドラゴンボールGTの主題歌全曲解説!DAN DANほか歴代EDの順番や歌手、名曲の秘密も
ここまで『ドラゴンボールGT』を彩った名曲たちを振り返ってきましたが、いかがでしたでしょうか。
オープニングの『DAN DAN 心魅かれてく』から始まり、DEEN、ZARD、工藤亜紀、そしてWANDSへとバトンが渡されたエンディングテーマの数々。どの曲も単独でヒットするポテンシャルを持ちながら、作品の世界観を深める最高の演出装置として機能していました。
もし、あなたが今「最近の曲もいいけど、あの頃の熱い気持ちを思い出したい」と感じているなら、ぜひ一度これらの楽曲を順番に聴き返してみてください。きっと、テレビの前で悟空を応援していたあの頃の自分に、もう一度会えるはずです。
最後に、主題歌だけでなくBGMや挿入歌も含めてGTの世界に浸りたい方は ドラゴンボールGT サウンドトラック を手元に置いておくのも、ファンとしての嗜みかもしれません。
名曲は、時が経っても色褪せることはありません。むしろ、思い出というフィルターを通すことで、より輝きを増していくものです。あなたの心の中にある「ドラゴンボールGT」の一曲は、どの曲ですか?

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