「あのワクワクする世界観を自分の手で描いてみたい!」
世界中で愛され続ける『ドラゴンボール』。その最大の魅力は、なんといっても作者・鳥山明先生が生み出す唯一無二の「絵」にあります。パッと見ただけで「あ、ドラゴンボールだ!」とわかる圧倒的な個性と、洗練されたデザイン性。
自分でもあんな風にカッコいいキャラクターを描けたら最高ですよね。でも、いざペンを握ってみると「なんだか偽物っぽくなる」「バランスが取れない」と悩む方も多いのではないでしょうか。
実は、鳥山流の絵には、初心者でも意識するだけで劇的にクオリティが変わる「法則」が隠されています。今回は、ドラゴンボールの絵を描くためのコツと練習法を、パーツごとの特徴から時代背景まで深掘りして解説します。
なぜドラゴンボールの絵は古びないのか?圧倒的なデザインの正体
連載終了から長い年月が経っても、ドラゴンボールの絵が新しく感じられるのは、それが「漫画の絵」であると同時に「優れたプロダクトデザイン」だからです。
鳥山明先生は漫画家になる前、デザイナーとして働いていました。その経験が、キャラクターのシルエットやメカの構造に色濃く反映されています。
- 引き算の美学: 複雑な線を書き込むのではなく、最小限の線で最大限の立体感を表現する。
- シルエットの強さ: 影絵にしても誰だか分かるほど、髪型や服装に特徴がある。
- 機能美: 乗り物や建物のデザインが「実際に動きそう」なリアリティを持っている。
これらを理解することが、鳥山風の絵に近づく第一歩になります。
顔の描き方のコツ:パーツの配置で決まる「鳥山バランス」
ドラゴンボールのキャラクターを描く際、最も重要なのは「目と鼻の距離感」です。ここがズレると、途端に別人のようになってしまいます。
鋭い目つきと眉毛の法則
サイヤ人編以降のキャラクターに共通するのが、眉毛と目が非常に近いことです。
- 眉毛: 太く、角度をつけて内側に寄せる。怒っているような表情が基本です。
- 目: 下のラインを直線的に描きます。上まぶたは鋭い角度をつけ、黒目(瞳)は小さめに描くのがコツです。
鼻と口は「極限まで近づける」
初心者によくある失敗が、鼻と口を離しすぎてしまうこと。
- 鼻: 「く」の字に近いシャープな形で描きます。
- 口: 鼻のすぐ下に配置します。この距離が近いほど、顔が引き締まって精悍な印象になります。
耳の位置と形
鳥山流の耳は少し大きめで、横に張り出したような形をしています。耳の穴の描き方も独特の曲線(「C」の字を組み合わせたような形)があるので、模写する際は細部まで観察してみましょう。
髪の毛の立体感:束感を意識したボリューム作り
悟空やベジータの髪型は、単なるトゲトゲではありません。バナナのような「太い束」が集まって構成されていると考えると描きやすくなります。
- 生え際を意識する: おでこの「M字」ラインを起点に、髪がどの方向に流れているかを把握します。
- 毛束の根元を太く: 髪の束は、根元が太く、先に向かって鋭く尖らせます。
- 重なりを表現する: 前にある束と後ろにある束を描き分けることで、平面的な絵に奥行きが生まれます。
コピックチャオなどを使って影をつける際も、この毛束の単位で塗ると、一気にアニメーションのような立体感が出ます。
筋肉の描き方:解剖学を「記号化」した力強さ
ドラゴンボールといえば、パンパンに膨らんだ筋肉ですよね。しかし、ただボコボコ描けばいいわけではありません。
- 肩の筋肉(三角筋): 肩を丸く大きなメロンのように描くのが特徴です。
- 腕のライン: 直線と曲線を組み合わせます。特に力を入れたときの前腕の筋肉は、カクカクとした直線的なラインを使うと「硬さ」と「強さ」が表現できます。
- 首の太さ: 強さを表現したいときは、あえて首を太く描きます。顔の幅と同じくらいの太さにすることで、どっしりとした安定感が出ます。
時代別で変わる絵柄:どの時期を参考にすべき?
『ドラゴンボール』は、物語の進行とともに絵柄が劇的に進化しています。自分の好みがどの時期かを知ることで、目指すべきゴールが明確になります。
- 初期(少年編): 全体的に丸っこく、可愛らしいデザイン。背景も曲線が多く、ファンタジー色が強い。
- 中期(サイヤ人〜フリーザ編): 最もバランスが良いと言われる時期。線がシャープになり、適度な筋肉量とスタイリッシュさが共存しています。
- 後期(セル〜魔人ブウ編): 筋肉が非常に誇張され、顔立ちもより鋭角的になります。ペンのタッチが力強く、圧倒的な迫力があります。
練習する際は、ドラゴンボール 新装版 全42巻セットを手元に置いて、時期ごとの線の違いを比較してみるのがおすすめです。
初心者におすすめの練習ステップ
いきなり悟空の全身を描こうとすると挫折しがちです。以下のステップで試してみてください。
- 目だけの模写: まずは色々な表情の「目」だけを20個くらい描いてみます。
- 横顔のライン: 鳥山先生の描く横顔は鼻のラインが非常に美しいです。このシルエットを覚えます。
- アオリとフカンの構図: 上から見下ろしたり、下から見上げたりする構図に挑戦します。鳥山流の「パース感」を掴む練習になります。
デジタルで描くならiPad ProとApple Pencilの組み合わせが、アナログに近い感覚で細かい筆圧調整ができるので非常にスムーズです。
ドラゴンボールの絵を描くための画材選び
鳥山明先生は、アナログ時代は主にGペンやサインペン、そしてカラーインクを使用していました。
- ペン入れ: 均一な太さの線を描きたい場合は、ミリペンが使いやすいでしょう。
- カラー: 原画のような鮮やかな発色を目指すなら、ドクターマーチンのカラーインクが定番ですが、現在はデジタルで再現する人が増えています。
- 用紙: ペン先が引っかからない滑らかなケント紙が適しています。
アイシー 漫画原稿用紙などは、枠線も引きやすく練習に最適です。
まとめ:ドラゴンボールの絵の描き方コツ徹底解説!
ドラゴンボールの絵をマスターする道は、単なる模写を超えて「なぜこの線がここにあるのか」というデザインの意図を理解することにあります。
- 顔のパーツを密集させる
- 髪の毛を束で捉える
- 筋肉を直線的な記号として描く
これらのコツを意識するだけで、あなたの描く絵は驚くほど「本物」の空気を纏い始めるはずです。
絵の上達に近道はありませんが、楽しみながら描き続けることが一番の秘訣。さあ、あなたも白い紙を前に、自分だけのスーパーサイヤ人を呼び起こしてみませんか?
もっと具体的なポーズの取り方や、背景の描き込みについても知りたいですよね。これからもドラゴンボールの絵の描き方コツ徹底解説!として、より深いテクニックをお伝えしていきます。
さらに詳しく学びたい方へ
鳥山先生のカラー原稿をじっくり観察するなら、鳥山明画集 ドラゴンボール超画集は必携の一冊です。印刷の質が高く、筆致のひとつひとつまで確認できるため、最高の教科書になりますよ。

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