ドラゴンボールという壮大な物語の中で、主役の悟空やベジータ以上に、一部のファンから熱狂的な支持を受けている男がいます。その名は「パラガス」。伝説の超サイヤ人・ブロリーの父親です。
一見すると、強大な力を持つ息子を操る悪役、あるいは復讐に燃える悲劇の父親という印象ですが、実は彼ほど「旧作」と「新作」でキャラクター造形がガラリと変わり、なおかつネット文化で愛され続けているキャラは他にいません。
今回は、パラガスの基本プロフィールから、旧作『ドラゴンボールZ』と新作『ドラゴンボール超』での決定的な違い、そしてなぜ彼がこれほどまでにネットでネタにされ、愛されているのか、その魅力を余すことなくお届けします。
そもそもパラガスとは何者なのか?サイヤ人としての出自
パラガスは、惑星ベジータに住んでいたエリート階級のサイヤ人戦士です。髪型は逆立った典型的なサイヤ人のスタイルですが、左目に大きな傷跡があるのが特徴ですね。
彼の人生が狂い始めたのは、息子であるブロリーが誕生した瞬間でした。赤ん坊でありながら戦闘力10,000を超えるという異常な素質を持っていたブロリーを、当時のベジータ王が「王家を脅かす存在」として危惧したのです。
結果、パラガスは王に反論したものの聞き入れられず、親子もろとも抹殺されそうになります。しかし、惑星ベジータがフリーザによって破壊される直前、ブロリーの潜在能力が覚醒。親子は九死に一生を得て、宇宙の彼方へと逃げ延びました。
ここまでの設定は新旧共通していますが、その後の「父親としての生き様」が、作品によって180度異なるのがパラガスの面白いところです。
旧作Z版パラガスの衝撃!復讐に狂った「伝説の親父」
1993年公開の映画『ドラゴンボールZ 燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦』に登場したパラガスは、まさに「復讐の鬼」でした。
彼は自分たちを裏切ったベジータ王への恨みを、その息子であるベジータに向けることで晴らそうと画策します。「新惑星ベジータ」という偽の帝国を作り上げ、ベジータを王として迎え入れるフリをして、実は彗星グォォが衝突して消滅する予定の星に閉じ込めるという、非常に手の込んだ、執念深い計画を立てていました。
この時のパラガスは、息子であるブロリーを「復讐のための道具」としか見ていません。暴走するブロリーのパワーを制御するためにコントロール装置を装着させ、自分の意のままに操る。その冷酷なマキャベリストっぷりは、まさに悪のカリスマの片鱗を見せていました。
しかし、その最期はあまりにも有名です。制御が効かなくなったブロリーを見捨て、自分だけ「一人用のポッド」で逃げようとした際、ブロリーによってポッドごと握りつぶされ、彗星に向かって投げ飛ばされるという、皮肉すぎる結末を迎えました。
新作「超」版パラガスの悲哀!息子を想う不器用な父親
一方、2018年公開の『ドラゴンボール超 ブロリー』でのパラガスは、より人間味(サイヤ人味?)のある、悲劇的なキャラクターとして描かれています。
ベジータ王に追放された息子を追いかけ、過酷な環境の惑星バンパに降り立った彼は、そこで41年もの歳月を生き抜きます。食料も乏しく、巨大なダニのような生物を食べて食いつなぐ過酷な日々。彼の目的は「宇宙支配」ではなく、あくまで「ベジータ王への復讐」と「ブロリーの生存」でした。
新作のパラガスは、ブロリーに対して厳格すぎる訓練を課し、首輪による電撃で制御するという非道な面もありますが、それは暴走すれば殺されてしまう息子を守るための、彼なりの歪んだ教育でもありました。
フリーザ軍に救出された際、あまりにボロボロになったパラガスの姿を見て、同情したファンも多かったはずです。最期も、自業自得だった旧作とは違い、フリーザの計略によって殺されるという、ブロリーを覚醒させるための「生贄」のような扱いでした。この「報われなさ」が、新作パラガスの深みを生んでいます。
なぜパラガスはネットでこれほど人気なのか?「パラガスト」の生態
さて、ここからは少し特殊な視点でお話しします。パラガスを語る上で欠かせないのが、インターネット上での爆発的なネタ人気です。ニコニコ動画などを中心に、パラガスを主役としたMAD動画が大量に作られ、彼を愛する人々は敬意を込めて「パラガスト」と呼ばれたりします。
なぜ、数あるドラゴンボールキャラの中で彼が選ばれたのでしょうか。
まず、独特なセリフ回しが挙げられます。「どこへ行くんだあ?」「明日までにお前の息子の血祭りにあげてやる」といった強烈なパンチライン。そして、窮地に陥った際に見せる「おぉ、ふぅ…」という情けない吐息や、伝説的な「デデーン」という効果音と共に現れる登場シーン。
これらの一つ一つが、素材として非常に優秀だったのです。特に、息子に裏切られて「一人用のポッド」で退場するシーンは、もはや様式美として定着しています。シリアスな悪役でありながら、どこか抜けていて、小物感が漂う。そのギャップが、ネットユーザーの創作意欲を刺激して止まないのでしょう。
劇中で使用されたアイテムとパラガスの戦闘力
パラガス自身の戦闘力は、サイヤ人の中では決して低くはありません。新作の設定では4200とされており、これは当時のナッパ(戦闘力4000)を凌ぐ数値です。一般兵としてはエリート中のエリートと言えるでしょう。
しかし、物語の舞台がインフレしすぎたため、彼が直接戦うシーンはほとんどありません。彼は常に「頭脳」と「道具」で戦うタイプです。
彼が愛用(?)していたコントロール装置やリモコンは、ある意味でドラゴンボール史上最も「ブロリーを抑え込んだ兵器」と言えるかもしれません。もしあなたがパラガスの執念深さをデスクに飾りたいなら、フィギュアなどの関連グッズをチェックしてみるのも面白いでしょう。
たとえば、ドラゴンボール関連のホビーを探すならドラゴンボール フィギュアで検索すると、たまにマニアックなラインナップにパラガスが混ざっていることがあります。
また、彼の活躍(?)を映像で確認したい方は、旧作DVD ドラゴンボールZ 燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦 や、新作 ドラゴンボール超 ブロリー を見返してみることを強くおすすめします。新旧を見比べることで、パラガスという男の多面性がより鮮明に見えてくるはずです。
パラガスの生き様から学べる(?)こと
パラガスの人生を一言で表すなら「執念」です。40年以上の月日を復讐のためだけに費やし、過酷な惑星で生き延びた精神力は、ある意味で尊敬に値します。
しかし、彼は常に「過去」に縛られていました。ベジータ王への恨み、過去の栄光。それらに固執するあまり、目の前にいる息子ブロリーの「心」を見落としてしまった。それが、新旧どちらの作品でも彼が悲劇的な末路をたどる原因となっています。
もし、パラガスが復讐を捨てて、ブロリーと静かに暮らす道を選んでいたら?そんな「もしも」を想像させる余白があるからこそ、彼は単なる脇役以上の存在感を放っているのです。
まとめ:ドラゴンボールのパラガスを徹底解説!
ここまで、パラガスの新旧設定の違い、キャラクター性、そしてネットでの異常な人気について解説してきました。
旧作では「自業自得な野心家」、新作では「復讐に囚われた悲運の父」。どちらのパラガスも、サイヤ人という戦闘種族の業を背負った非常に魅力的なキャラクターです。
ドラゴンボールの物語は、悟空やベジータといった「光」の当たる戦士たちの物語ですが、パラガスのような「影」で蠢く者たちのドラマを知ることで、作品の世界観はより一層深く、面白いものになります。
次に映画やアニメを観る時は、ぜひパラガスの左目の傷や、彼が握りしめるリモコンに注目してみてください。そこには、一人の男が歩んできた、あまりにも泥臭く、執念深い人生が詰まっています。
ドラゴンボールのパラガスを徹底解説してきましたが、彼の魅力を再確認したところで、もう一度あの名シーンを見返してみてはいかがでしょうか。「どこへ行くんだあ?」という彼の声が、あなたの脳内で再生されること間違いなしです!

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