国民的アニメ『ドラゴンボール』シリーズにおいて、三つ目の武道家として圧倒的な存在感を放つ天津飯。かつては悟空の宿敵として、そして現在は地球を守る頼れるZ戦士の一人として活躍し続けていますよね。
そんな天津飯の魅力を支えているのが、魂の籠もった「声」の演技です。しかし、物語が長い歴史を持つだけに「昔と声が変わった?」「今の声優さんは誰?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ドラゴンボールの天津飯を演じた歴代声優さんの詳細から、交代に至った切ない背景、そして新旧ファンを熱狂させた名シーンまでを徹底的に深掘りしていきます。これを読めば、天津飯というキャラクターがより一層愛おしくなるはずです。
初代声優・鈴置洋孝さんが作り上げた「孤高の武道家」
初代・天津飯の声を担当したのは、名優・鈴置洋孝(すずおき ひろたか)さんです。
鈴置さんといえば、『機動戦士ガンダム』のブライト・ノア役や『聖闘士星矢』のドラゴン紫龍役でも知られる、アニメ界のレジェンド。彼の演じる天津飯は、とにかく「凛としていて、ストイック」なのが特徴でした。
初登場時の天津飯は、鶴仙流の刺客として冷徹な一面を持っていました。鈴置さんの低く落ち着いたトーンは、そのミステリアスな強さを完璧に表現していましたよね。一方で、武道家としての誇りに目覚め、亀仙流の教えに触れて改心してからの演技には、仲間を想う熱い血が通うようになりました。
特に「気功砲!」という叫び。命を削って放つ技だからこその、魂を振り絞るような発声は、鈴置さんにしか出せない独特の響きがありました。ドラゴンボール単行本を読み返しながら当時の声を脳内再生するファンが絶えないのも納得の、唯一無二の存在感でした。
なぜ交代したの?二代目へと受け継がれた背景
多くの方がご存知かもしれませんが、天津飯の声優が交代した最大の理由は、鈴置洋孝さんの早すぎる逝去にあります。
2006年8月、鈴置さんは肺がんのため56歳という若さでこの世を去りました。この訃報はアニメ界のみならず、世界中のファンに大きな衝撃を与えました。当時、アニメ本編の放送は終了していましたが、ドラゴンボールはゲーム作品などが絶えずリリースされていたため、「天津飯の声をどうするか」という大きな課題が制作陣に突きつけられたのです。
鈴置さんの没後、短期間ではありますがゲーム『ドラゴンボールZ バーストリミット』などで代役を務めたのが、真殿光昭さんでした。真殿さんは鈴置さんの声質を非常に大切にされており、違和感のない演技で当時のファンを支えてくれました。
しかし、シリーズの本格的な再始動となる『ドラゴンボール改』の制作にあたり、正式な後継者として白羽の矢が立ったのが、現在の担当である緑川光さんだったのです。
三代目・緑川光さんが吹き込んだ「新たな生命」
2009年の『ドラゴンボール改』から現在に至るまで、天津飯の声を担当しているのが緑川光(みどりかわ ひかる)さんです。
緑川さんといえば、『新機動戦記ガンダムW』のヒイロ・ユイや『SLAM DUNK』の流川楓など、クールな二枚目キャラを演じさせたら右に出る者はいない実力派。そんな彼が天津飯を引き継ぐと決まった時、当初は驚きの声もありました。
しかし、いざ放送が始まると、緑川さんは鈴置さんの作り上げた天津飯像に深い敬意を払いつつ、自身の持ち味である「知性」と「芯の強さ」を融合させた見事な演技を披露しました。
緑川さんはインタビューなどでも、偉大な先輩である鈴置さんの後を継ぐプレッシャーについて語っています。だからこそ、叫び声のトーンや言葉の重みを徹底的に研究されたのでしょう。近年の劇場版や『ドラゴンボール超』での天津飯は、より落ち着きのある、成熟した武道家としての深みが増しており、今では「緑川天津飯」こそがスタンダードだと感じる世代も増えています。
天津飯の声が光る!ファンなら外せない名シーン3選
声優さんの熱演が光る、天津飯の伝説的なシーンを振り返ってみましょう。これらの場面は、声の演技があってこそ完成する名場面ばかりです。
- ナッパ戦での決死の最終気功砲サイヤ人編で、相棒である餃子を失い、自らも片腕を失った絶望的な状況。残された全エネルギーを込めて放った「気功砲」は、鈴置さんの悲痛な叫びと共に、視聴者の涙を誘いました。このシーンを観るたびに、天津飯の自己犠牲の精神に胸を打たれます。
- 第二形態セルを足止めする「新気功砲」圧倒的な実力差があるセルに対し、上空から何度も「新気功砲」を叩き込み、人造人間18号を逃がす時間を稼いだシーン。限界を超えて技を放ち続ける際の声の掠れ、気迫。これこそが、脇役ではない「戦士・天津飯」の真骨頂です。
- 宇宙サバイバル編でのベテランの意地『ドラゴンボール超』で見せた、力の大会での活躍。緑川さんの落ち着いた声で語られる戦略的な戦い方は、長く修行を続けてきた天津飯の積み重ねを感じさせました。若手キャラにはない「渋いかっこよさ」が爆発していましたね。
ドラゴンボール超 Blu-rayなどでこれらのシーンを比較してみると、声優さんがいかにキャラクターを大切に演じ分けているかがよく分かります。
相棒・餃子や恩師との絆を支える声の調和
天津飯を語る上で欠かせないのが、弟弟子の餃子(チャオズ)の存在です。
餃子の声は、放送開始から現在まで一貫して江森浩子さんが担当されています。一方で、天津飯の声が変わった際、江森さんは新しく担当になった緑川さんを温かく迎え入れたというエピソードもあります。
「天さん!」「チャオズ!」と呼び合う二人の関係性は、声優さんが変わっても揺らぐことはありませんでした。むしろ、緑川さんが入ったことで、兄貴分としての天津飯の包容力がより際立つようになった印象すらあります。
また、かつての師匠である鶴仙人(初代:永井一郎さん、二代目:岩崎ひろしさん)との決別など、複雑な師弟関係を演じ切る際の声のコントラストも見事です。天津飯の「声」の歴史は、そのまま周囲のキャラクターとの絆の歴史でもあるのです。
ドラゴンボール天津飯の声優は誰?まとめとこれからの期待
ここまで、ドラゴンボールの天津飯を彩ってきた声優たちの物語を紐解いてきました。
初代の鈴置洋孝さんが築き上げた「孤高と熱狂」のベース。そして、その意志を継ぎ、現代のファンに「進化し続ける武道家」を届けている緑川光さん。交代には悲しい別れがありましたが、そのバトンはしっかりと、そして力強く受け継がれています。
もし、久しぶりに天津飯の活躍が見たくなったなら、ドラゴンボールZ KAKAROTなどのゲーム作品をプレイしてみるのもおすすめです。最新の技術で描かれる天津飯と、緑川さんの熱い演技が融合し、まるでアニメを操作しているような没入感を味わえます。
「ドラゴンボール天津飯の声優は誰?」という疑問の答えは、一人の名前だけではありません。それは、作品を愛し、キャラクターを愛した声優たちの情熱の連鎖そのものなのです。これからも、三つ目の戦士が放つ「気功砲」の響きに、私たちは胸を熱くし続けることでしょう。
あなたは鈴置さんのクールな天津飯と、緑川さんの熱い天津飯、どちらが印象に残っていますか?ぜひ、過去の作品を見返して、その声の深みに浸ってみてくださいね。
次回の更新では、他のZ戦士たちの知られざる声優交代エピソードについても触れていきたいと思います。どうぞお楽しみに!

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