ドラゴンボールという壮大な物語の中で、主人公・孫悟空が「宇宙最強」への階段を駆け上がるきっかけとなった場所を覚えていますか?そう、あの世にある小さな星「界王星」です。
そこで悟空を迎え、最初の高い壁として立ちはだかったのが、愛らしくも驚異的なスピードを持つチンパンジーのバブルスくんです。
「ただのペットでしょ?」なんて侮ってはいけません。彼がいなければ、悟空はベジータに勝てなかったかもしれない……と言えるほど、物語において重要な役割を担っているのです。今回は、バブルスくんの正体から元ネタの意外な真実、そして彼が辿った数奇な運命までを、余すことなくお届けします。
10倍の重力をものともしない!バブルスくんの驚愕の正体
バブルスくんは、北の銀河を統括する「北の界王(界王様)」の忠実な付き人です。見た目は完全にチンパンジーそのものですが、その身体能力は地球の常識を遥かに超えています。
彼が暮らす界王星は、直径がわずか数百メートルほど。しかし、その小さな星には地球の10倍の重力がかかっています。想像してみてください。自分の体重が急に10倍になったら、立ち上がることすらままならないはずです。
そんな過酷な環境下で、バブルスくんは鼻歌まじりに(実際にはウホウホ言いながら)風のような速さで走り回ります。この「当たり前に10倍の重力に適応している」という事実こそが、彼がただの猿ではない証拠なのです。
悟空が「界王拳」を掴むための最初の試練
サイヤ人のラディッツとの戦いで命を落とした悟空は、さらなる強敵であるナッパとベジータの来襲に備え、界王様のもとで修行を開始します。そこで界王様が最初に出した課題が**「バブルスくんを捕まえること」**でした。
重力の壁を突破する「追いかけっこ」
当時の悟空は、10倍の重力に押しつぶされそうになりながら必死にバブルスくんを追いかけます。しかし、バブルスくんはひょいひょいと岩を飛び越え、悟空を完全に翻弄しました。
この修行には、単なるスピードアップ以上の意味がありました。
- 基礎体力の爆発的な向上: 10倍の負荷がかかった状態で全力疾走することで、全身の筋肉と心肺機能が極限まで鍛えられました。
- 気のコントロールの基礎: 無駄な動きを削ぎ落とし、重力に逆らわずに動くための感覚を養いました。
約40日間かけてようやくバブルスくんを捕まえたとき、悟空の体はもはや地球人(あるいは下級戦士)の域を完全に脱していました。この基礎があったからこそ、体に猛烈な負担がかかる界王拳や、全宇宙のエネルギーを集める元気玉といった高度な技を習得することができたのです。
名前とモデルの意外な由来!あの「キング・オブ・ポップ」との繋がり
バブルスくんという名前を聞いて、ある有名なエピソードを思い出す方も多いのではないでしょうか。実は、バブルスくんのモデルは、実在した超有名人のペットだと言われています。
その飼い主とは、伝説のアーティスト、マイケル・ジャクソンです。
リアル・バブルスくんのエピソード
1980年代、マイケル・ジャクソンは「バブルス」という名前のチンパンジーを非常に可愛がっており、どこへ行くにも連れて歩いていました。日本に来日した際も一緒に茶道を嗜む姿が報じられるなど、世界で最も有名なチンパンジーでした。
作者の鳥山明先生は、当時の流行や映画、有名人のエピソードを作品に取り入れるのが非常に上手な方でした。界王様のキャラクター造形にあたり、当時話題だった「有名人とその愛猿」という構図をオマージュしたと考えられています。
ちなみに、モデルとなった本物のバブルスは、現在もアメリカの動物保護施設で穏やかに暮らしています。アニメや漫画のキャラクターが、現実の世界のスターと繋がっていると思うと、なんだかワクワクしますよね。
セル編で訪れた悲劇……バブルスくんの衝撃的な最期
物語が中盤に差し掛かり、人造人間・セル編でバブルスくんは最大の悲劇に見舞われます。それは、地球を救うための「自己犠牲」の巻き添えでした。
界王星の消滅と死
完全体となったセルは、追い詰められた末に自爆を宣言します。地球が吹き飛ぶのを防ぐため、悟空は瞬間移動を使って、自爆寸前のセルを界王星へと運びました。
その結果、界王星は爆発に巻き込まれ、界王様、悟空、そしてそこにいたバブルスくんも命を落としてしまったのです。
死んでからも元気なバブルスくん
しかし、そこはドラゴンボールの世界。死んでも「頭に輪っか」がつく以外、バブルスくんの日常はあまり変わりませんでした。その後もあの世で界王様の世話を焼き、時には悟空の修行を眺めながら、変わらず元気に過ごしています。
界王様が「わしまで巻き添えにしおって!」と悟空に怒っている横で、ケロッとしているバブルスくんの姿に癒やされた読者も多いはずです。
アニメ版だけの相棒「グレゴリー」とのコンビネーション
原作漫画ではバブルスくん一匹だけですが、アニメ版の『ドラゴンボールZ』などでは、もう一人の仲間が登場します。それが、喋るバッタ(あるいは妖精のような姿)のグレゴリーです。
バブルスくんを捕まえた後の次なるステップとして、空を飛ぶグレゴリーを重いハンマーで叩くという修行が追加されました。バブルスくんが「地上のスピード」担当なら、グレゴリーは「三次元の反応速度」担当といったところでしょうか。
二匹が界王様と一緒に踊ったり、ダジャレにズッコケたりするシーンは、シリアスな戦いが続くドラゴンボールの中での貴重な清涼剤となっていました。
ドラゴンボール超(スーパー)でも健在!
近年のシリーズである『ドラゴンボール超』でも、バブルスくんはしっかり登場しています。界王星が元通り(といっても相変わらず小さいままですが)になってからも、界王様の良きパートナーとして活躍しています。
破壊神ビルスが界王星を訪れた際も、物怖じせずにバナナを食べていたり、界王様の車(クラシックカー風の愛車)の周りを走り回ったりと、そのマイペースぶりは健在です。
バブルスくんが教えてくれた「強さの秘訣」
バブルスくんの存在は、私たちに一つの大切なことを教えてくれます。それは、**「基礎の積み重ねこそが、最大の力になる」**ということです。
どんなに強力な必殺技も、それを支える強靭な体と、10倍の重力(逆境)に耐えうる精神がなければ使いこなせません。悟空が超サイヤ人へと覚醒し、宇宙の帝王フリーザを倒すことができたのも、元を辿れば界王星でバブルスくんを必死に追いかけた「あの日々」があったからなのです。
もし、あなたが今、何かの壁にぶつかっているなら、バブルスくんのような軽やかさを思い出してみてください。重圧を楽しみ、ひたすら基礎を繰り返すこと。それが、いつか自分でも信じられないような高みへ連れて行ってくれるかもしれません。
まとめ:バブルス くん ドラゴンボールの歴史に刻まれた偉大なる猿
いかがでしたでしょうか。
バブルス くん ドラゴンボールという作品において、彼は単なるマスコットの枠を超えた「恩人」とも呼べる存在です。
- 10倍の重力を克服する驚異の身体能力。
- マイケル・ジャクソンの愛猿という華やかなモデル。
- 悟空に界王拳習得の土台を作った功績。
- 爆発に巻き込まれても動じない(?)マイペースさ。
これらのエピソードを知ると、次に界王星のシーンを見たときに、バブルスくんの動き一つひとつがより愛おしく、そして頼もしく見えるはずです。
悟空の成長の裏には、いつも静かに(あるいは騒がしく)寄り添う小さな相棒がいたことを、ぜひ忘れないであげてくださいね。

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