アニメ化が発表された瞬間から、ファンの間で最も熱い視線が注がれていたのが「壬氏(じんし)の声は誰がやるのか?」という点でした。絶世の美女と見紛うほどの美貌を持ち、時に甘く、時に冷徹な顔を見せる謎多き宦官。その複雑なキャラクターに命を吹き込んだのは、今をときめく実力派声優、大塚剛央さんです。
今回は、アニメ『薬屋のひとりごと』で壬氏役を務める大塚剛央さんの魅力から、かつてドラマCDで同役を演じた櫻井孝宏さんとの違い、そしてファンが悶絶した名シーンの裏側まで、徹底的に深掘りしていきます。
壬氏役・大塚剛央さんのプロフィールと代表作
アニメ版『薬屋のひとりごと』で壬氏役を射止めたのは、アイムエンタープライズ所属の**大塚剛央(おおつか たけお)**さんです。1992年生まれの彼は、近年目覚ましい活躍を見せている若手実力派の一人。
大塚さんの名前を一躍全国区にしたのは、社会現象を巻き起こしたアニメ『【推しの子】』のアクア役でしょう。冷静沈着でどこか影のある復讐者を見事に演じきりました。他にも『機動戦士ガンダム 水星の魔女』のラウダ・ニール役や、『風が強く吹いている』の主人公・蔵原走役など、芯の通った透明感のある声が持ち味です。
2024年には第18回声優アワードで主演声優賞を受賞。まさに「今、最も旬な声優」が壬氏という大役を担っているのです。
なぜ大塚剛央の壬氏は「解釈一致」と言われるのか
壬氏というキャラクターは、演じる上で非常に難易度が高いと言われています。なぜなら、彼はいくつもの「顔」を使い分けているからです。
- 後宮を支配する管理職としての「完璧な美男子」
- 猫猫(マオマオ)にだけ見せる「子供っぽくいじけた顔」
- 時折のぞかせる、底知れない「冷徹な権力者」の片鱗
大塚さんの演技が「解釈一致(ファンのイメージ通り)」と絶賛される理由は、この多面性を「声のトーン」だけで完璧に表現している点にあります。
普段の壬氏は、花の香りが漂ってきそうなほど甘く、中性的な高いトーンで喋ります。しかし、猫猫に冷たくあしらわれてショックを受けたときは、少し声が上ずったり、逆に真剣な場面ではゾッとするほど低い「男の低音」を響かせたりします。このギャップに、多くの視聴者が心をつかまれました。
ドラマCD版の壬氏声優・櫻井孝宏さんとの違い
『薬屋のひとりごと』は原作小説が長く愛されている作品であり、アニメ化される数年前に発売されたドラマCDでは、**櫻井孝宏(さくらい たかひろ)**さんが壬氏を演じていました。
櫻井さんといえば、数々の美形キャラを演じてきたレジェンド。ドラマCD版の壬氏は、より「完成された大人の男」という印象が強く、ミステリアスな色気が強調されていました。
一方で、アニメ版の大塚剛央さんは、壬氏の「若さ」や「青臭さ」を大切に演じている印象を受けます。猫猫に恋心を抱き、どう接していいか分からずに空回る姿は、大塚さんの瑞々しい声によって「等身大の青年」としてのリアリティが増しています。
「櫻井版は完成された支配者」「大塚版は成長過程にある貴公女(貴公子)」といった使い分けが、ファンの間でも新しい発見として楽しまれています。
猫猫役・悠木碧さんとの絶妙なコンビネーション
壬氏を語る上で欠かせないのが、主人公・猫猫との掛け合いです。猫猫を演じる悠木碧さんは、媚びない、飾らない、そして薬草(毒)のことになると早口になる独特のテンポで猫猫を演じています。
この「塩対応な猫猫」に対し、大塚さん演じる壬氏が「もっと構ってほしい」とオーラを振りまく様子は、もはや様式美。猫猫が壬氏を「毛虫を見るような目」で見ているとき、壬氏の声が微妙に悦んでいる(?)ようなニュアンスが含まれているのも、大塚さんの細かい演技指導の賜物かもしれません。
二人の会話は、まるで質の高い漫才を見ているようなテンポの良さがあり、重厚なミステリーの合間に心地よい清涼剤となっています。
壬氏の「粘り気のある声」が生まれるまで
壬氏の声を表現する際、ファンからよく使われる言葉に「粘り気」があります。これは単に甘いだけでなく、相手の懐にスッと入り込むような、あるいは相手を絡め取るような独特の響きのことです。
アフレコ現場では、監督から「もっとキラキラを振りまいて」「もっとねっとりと」といったディレクションがあったそうです。大塚さんはそれに応えるべく、吐息の混ぜ方や言葉の語尾の伸ばし方に徹底的にこだわっています。
また、薬屋のひとりごと ブルーレイなどで改めて音声を聴き比べると、物語が進むにつれて壬氏の声が少しずつ「男らしく」変化していく過程も楽しめます。最初はただの美しい宦官だった彼が、自らの宿命に向き合い始める覚悟が、声の厚みとなって表れているのです。
アニメ2期で期待される壬氏の「真の姿」
アニメ1期でも断片的に描かれましたが、壬氏には「宦官」という肩書き以上の大きな秘密があります。物語が進むにつれ、彼は後宮の中だけでは収まりきらない、国家の根幹に関わる立場としての振る舞いを求められるようになります。
2期以降では、大塚剛央さんの真骨頂である「威圧感のある低音」を聞ける機会が増えるはずです。普段の「壬氏様」としてのキラキラした仮面を脱ぎ捨て、一人の男として、あるいは支配者として立ち上がる姿。その時、大塚さんがどんな声を出すのか、期待に胸が膨らみます。
また、原作ファンが待ち望んでいる「あのプロポーズ(?)」や「強引な迫り」のシーン。大塚さんの声で再生されたとき、果たして視聴者の心臓は保つのでしょうか。
壬氏の魅力をより深く知るためのアイテム
アニメを観て壬氏の声に惚れ込んだなら、ぜひ原作や関連グッズもチェックしてみてください。文字で読む壬氏の台詞も、一度大塚さんの声を聴いた後なら、脳内で完璧に再生されるはずです。
- 原作小説・コミカライズ: 薬屋のひとりごと 原作
- 公式ガイドブック: キャラクター設定や声優インタビューが掲載されることもあります。
- 劇伴音楽集: 壬氏のテーマ曲を聴きながら声を思い出すのも一興です。
薬屋のひとりごと壬氏の声優まとめ
アニメ『薬屋のひとりごと』の壬氏役、大塚剛央さんは、まさに令和のアニメ界を代表する名演を見せてくれました。ドラマCD版の櫻井孝宏さんという大きな存在がありながら、自分なりの「壬氏像」を確立し、多くの新規ファンと原作ファンの両方を納得させた功績は計り知れません。
美しさ、危うさ、可愛らしさ、そして力強さ。これほどまでに多様な属性を持つ壬氏を、大塚さんはその唯一無二の声で一つにまとめ上げました。
これからも猫猫との恋の行方(?)や、彼の正体にまつわるシリアスな展開から目が離せません。アニメを見返す際は、ぜひヘッドホンを用意して、大塚剛央さんの細かな吐息の一文字一文字まで堪能してみてください。
薬屋のひとりごと壬氏の声優として、大塚剛央さんがこれからどんな新しい表情を見せてくれるのか、私たちはこれからも全力で応援していきましょう!

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