みなさん、こんにちは!「エヴァンゲリオン」といえば、90年代に社会現象を巻き起こしたあの伝説的アニメですよね。でも、実はエヴァには「漫画版」が存在するって知っていましたか?しかも、ただのコミカライズじゃないんです。
アニメのキャラクターデザインを手がけた貞本義行さんが描いた、まさに「もう一つのエヴァンゲリオン」。今日は、その漫画版の世界を、アニメとの違いや独自の魅力にスポットを当てながら、徹底的に掘り下げていきます!
漫画版ってどんなもの?基礎知識をおさらい
まずは、漫画版の基本情報からおさえていきましょう。
この漫画版『新世紀エヴァンゲリオン』は、貞本義行さんによって作画されました。貞本さんといえば、アニメ版のキャラクターデザインを担当した人物ですから、まさにエヴァの生みの親の一人と言えますね。
連載は、アニメ放送に先立つ1994年12月からスタート。なんと2013年6月まで続いた、足かけ19年にわたる大長編でした。単行本は全14巻で、累計発行部数は2500万部を超える大人気作品です。
「漫画が原作で、アニメがそのアニメ化なの?」と誤解されることもありましたが、公式にはアニメが原作。貞本さん自身も「TVシリーズと旧劇場版をコミカライズしたもの」と語っています。
でも、実際に読んでみると……これはただのコミカライズじゃない!というのがわかります。アニメ制作の核心にいた者だからこそ描ける、独自の解釈と深みがそこにはあるんです。
ストーリーの骨格は同じ、でも細部がこんなに違う!
では、具体的にアニメ版とどう違うのか、見ていきましょう。
まず大前提として、物語の大きな流れはアニメ版と同じです。第二次インパクト後の世界、使徒との戦い、少年少女たちの心の葛藤、人類補完計画……その骨格はしっかり受け継がれています。
でも、細部をみると驚くほど違いがあるんです。
まず感じるのは、「わかりやすさ」。アニメ版が難解だと感じた人も多いと思いますが、漫画版は用語や設定が会話の中で丁寧に説明され、ストーリーも時系列に沿って整理されています。エヴァの世界観を理解する入門書として、実は最適なんですよ。
一方で、物語を凝縮するために省略された部分もあります。例えば、使徒の数がアニメ版より少ないんです。具体的には、「サンダルフォン」「マトリエル」「イロウル」「レリエル」の4体が登場しません。でも逆に、アニメでは描かれなかった「本来描きたかった展開」が盛り込まれているとも言われています。
キャラクターがこんなに生き生き!刷新された人物像
漫画版の最大の魅力は、キャラクターたちへの深い再解釈にあります。それぞれの人物が、アニメ版とは少し、時には大きく違った輝きを放っているんです。
碇シンジ:もっと感情豊かな少年に
アニメ版のシンジといえば、「うじうじしていて逃げてばかり」という印象が強いかもしれません。でも、漫画版のシンジはもっと感情表現が豊か。時に前向きな勇気を見せ、内に秘めた激情を直接的に表出することもあります。
例えば、最終盤で渚カヲルに対して「前歯全部折ってやる!」と怒りを爆発させるシーンは、アニメでは見られなかった激しさです。作者の貞本さんの性格が投影されているとも言われ、アニメ版(監督・庵野秀明さんの内面が反映)とはまた違う魅力が生まれています。
綾波レイ:心の動きが丁寧に描かれる
無機質で謎めいた存在だったレイが、シンジとの交流を通じて、少しずつ心を動かされていく過程が、漫画版ではより丁寧に描かれています。人間らしい感情が芽生え、成長していく様子が、読む者の胸を打ちます。
アスカ・ラングレー:少女らしさと脆さが際立つ
強烈な攻撃性がやや和らぎ、シンジやミサトとの共同生活の中での、少女らしい一面や内なる脆さが強調されています。それでも、彼女の高い自尊心と深い傷は変わらず、その葛藤には引き込まれてしまいます。
渚カヲル:大幅に変更された登場と関係性
これは大きな違いです!漫画版ではカヲルの登場時期やシンジとの関係性、性格までもがアニメ版と大きく異なっています。より早い段階から存在が仄めかされ、独特の交流が描かれます。神秘性は保ちつつも、物語に与える影響は独自のものになっています。
大人たちの背景も掘り下げられる
加持リョウジや碇ゲンドウといった、アニメでは謎多きままだった大人たちの背景や動機が、漫画版ではより詳細に描かれます。特にゲンドウには、アニメでは見られなかった父性すら感じられる瞬間もあり、キャラクターの層の厚さを実感できます。
決定的な違いはここ!漫画版独自の結末
さて、漫画版とアニメ(旧劇場版)の最も大きな違い、それはなんといっても「結末」です。
旧劇場版『Air/まごころを、君に』は、補完計画を拒否したシンジとアスカのみが残るLCLの海で、「気持ち悪い」の一言で幕を閉じました。あの複雑で衝撃的なエンディングは、今でも議論の的になりますよね。
漫画版の結末は、これとは全く異なるベクトルを向いています。
人類補完計画が止まった後、世界は何事もなかったかのように再構築されます。シンジは普通の中学生として日常を送り、上京する電車の中でアスカと出会うのですが……二人は互いを覚えていません。初対面のようなやりとりを交わすのです。
そして最後にシンジは、葛城ミサトが愛用していた十字架のペンダントを握りしめます。「明日」へ向かう希望を内に秘めて、物語は終わります。
旧劇場版が「他者との関係性の絶望的な困難さ」を提示したのに対し、漫画版は「喪失を乗り越え、新たな日常と未来への一歩を踏み出す」という、より希望に満ちたメッセージを感じさせます。貞本義行さんによる独自の解釈が色濃く反映された、まさに「第3のエンディング」と言えるでしょう。
新劇場版への架け橋!「夏色のエデン」の秘密
漫画版単行本の最終第14巻には、本編とは別の描き下ろし短編「EXTRA STAGE 夏色のエデン」が収録されています。これがまた、エヴァファンには見逃せない内容なんです!
このエピソードは、碇ユイと六分儀ゲンドウの学生時代の出会いを描く一方で、驚くべきキャラクターを登場させます。それが、新劇場版で初登場した真希波・マリ・イラストリアスです。
マリが旧世紀の時間軸である漫画版の世界に登場することは、大きな驚きでした。これにより、マリの持つ数々の謎――なぜゲンドウを「君」付けで呼ぶのか、なぜユイを知っているような言動をするのか――が、旧世紀の設定の中に新たな伏線として織り込まれることになります。
「夏色のエデン」は、貞本エヴァの世界観を完結させると同時に、旧世紀(TVシリーズ・漫画版)と新世紀(新劇場版)という二つのエヴァの世界を結ぶ、貴重な「架け橋」の役割を果たしているんです。
なぜ今、漫画版を読むべきなのか?その価値と魅力
ここまで読んで、漫画版に興味が湧いてきたんじゃないでしょうか?最後に、漫画版の価値と魅力をまとめてお伝えします。
エヴァ入門者にとっての最良のガイド
難解と言われるエヴァの基本設定とストーリーの骨子を、時系列順に整理し、比較的明快に理解できる形で提供してくれます。
アニメファンにとっての新たな発見の宝庫
細やかな設定の違い、キャラクターの新たな側面、描かれなかった展開……知っているからこそ楽しめる要素が満載です。
貞本義行による「公式解釈」としての価値
原作者・庵野秀明さんの最も近くで作品を作り上げた人物による、深い洞察に基づく再構成は、エヴァという作品の本質に迫るもう一つの重要な視点です。
独立した高品質の漫画作品としての完成度
貞本さんの洗練された画力、コマ割り、演出は、単なる派生作品ではなく、ひとつの傑作漫画として高いクオリティを誇ります。
多層化するエヴァの宇宙の中で
エヴァンゲリオンは、一つの「正解」を容易には示さない作品です。テレビシリーズ、旧劇場版、新劇場版、そして漫画版――それぞれが同じ根源から派生しながらも、異なる表現と解釈によって独自の輝きを放つ、パラレルな世界のような関係にあります。
暗く深淵なアニメ版の結末に複雑な思いを抱いた方も、難しすぎて挫折した方も、あるいは全てのエヴァを味わい尽くしたいという方も、この「もう一つのエヴァ」に触れることで、作品の持つ無限の広がりと、人間の心の可能性について、新たな発見と感動を得られるはずです。
全14巻という手頃なボリュームで完結している今こそ、貞本義行さんが18年半の時をかけて紡いだ、この濃密で希望に満ちた物語の世界に足を踏み入れてみませんか?
漫画版を読むことで、あなたのエヴァンゲリオン体験は、きっとより豊かで多層的なものになるでしょう。まだ読んだことのない方は、ぜひこの機会に。そして読み終わったあなたは、もう一度アニメを見返してみると、また違った発見があるかもしれませんよ。

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