「漫画を描いてみたいけれど、原稿用紙のサイズがいろいろあってどれを買えばいいかわからない」「大好きな作品の単行本を揃えたいのに、棚に入らないサイズがあって困っている」といった悩み、ありますよね。
漫画の世界には、描く時の「原稿サイズ」と、私たちが手に取る「単行本サイズ(判型)」の2つのルールが存在します。このルールを知らないと、せっかく描いた原稿が印刷で切れてしまったり、本棚がデコボコになってしまったりすることも。
この記事では、漫画のサイズの種類から、初心者でも迷わない選び方、そして用途に応じた使い分けまでを徹底的に解説します。これを読めば、漫画のサイズに関する悩みはすべて解決しますよ。
漫画のサイズはなぜこんなに多いのか?
書店に行くと、手のひらサイズの文庫本から、ずっしりと重い豪華版まで、さまざまな大きさの漫画が並んでいます。なぜこれほどまでに種類があるのでしょうか。
その理由は、読者の「読むシーン」と「作品のターゲット」に合わせて最適化されているからです。
例えば、通学や通勤中に片手で手軽に読みたい少年漫画は、持ちやすさを重視したコンパクトなサイズで作られます。一方で、細部まで描き込まれた芸術性の高い作品や、往年の名作をじっくり読み返したいファン向けには、絵の迫力が伝わる大きなサイズが選ばれます。
また、描く側の視点で見ると、印刷時に絵を綺麗に見せるための「縮小マジック」が関係しています。大きな紙に描いて、それをギュッと小さく印刷することで、線のブレや粗さが目立たなくなり、プロのような仕上がりになるのです。
サイズの違いには、すべて「より快適に、より美しく漫画を楽しむため」の理由が込められています。
読み手として知っておきたい単行本の主要サイズ一覧
まずは、私たちが普段読んでいる単行本のサイズから整理していきましょう。代表的なものは以下の通りです。
少年・少女漫画の定番「新書判」
一般的に「ジャンプコミックス」や「マガジンコミックス」などがこのサイズです。大きさは約112mm×174mm。
最も流通しているサイズで、軽くて片手でも持ちやすく、カバンに入れても邪魔になりません。コレクションする際も、同じ出版社で揃えれば背表紙が綺麗に並びます。
青年・女性漫画に多い「B6判」
新書判より一回り大きく、128mm×182mmのサイズです。
「モーニング」や「アフタヌーン」などの青年誌、あるいは少し大人向けの女性漫画によく使われます。新書判よりも紙面が広いため、背景の描き込みや表情の機微がより伝わりやすくなっています。
最近のトレンド「四六判」
128mm×188mmと、B6判よりも少し背が高いサイズです。
近年、Web発の漫画が単行本化される際や、少しオシャレな装丁の作品に採用されることが増えています。本棚に並べた時に他のコミックスより少し飛び出すのが特徴です。
迫力満点の「A5判(ワイド判)」
148mm×210mmという、いわゆる「完全版」や「愛蔵版」に使われる大きなサイズです。
カラーページがそのまま再現されていたり、紙質が良かったりするのが特徴。お気に入りの一冊を最高の状態で保管したいなら、このサイズが一番です。ただし、本棚の高さ調整が必要になることもあるので注意しましょう。
持ち運び特化の「文庫判」
105×148mmのハガキに近いサイズです。
過去の人気作品が全巻セットで再販される際によく使われます。非常にコンパクトで、旅行先などでまとめて読みたい時に重宝します。
描き手必見!原稿用紙のサイズはどう選ぶべき?
これから漫画を描こうとしている人にとって、一番の悩みは「どの大きさの原稿用紙を買えばいいのか」ということではないでしょうか。
アナログ派なら文房具店で選ぶ際に、デジタル派ならペイントソフトのキャンバス設定をする際に、必ずぶつかる壁です。用途に合わせた選び方を整理しました。
プロ志望なら迷わず「B4サイズ」
少年誌や青年誌の商業誌に投稿したい、あるいは出版社に持ち込みたいという方は、必ずB4サイズの原稿用紙を選びましょう。
これは商業誌の標準規格です。実際に雑誌に載るサイズ(新書判やB6判)よりもかなり大きく作られていますが、前述した通り「縮小して綺麗に見せる」ためにこのサイズが使われます。
初心者がいきなりB4に描くと、白場を埋めるのが大変に感じるかもしれませんが、プロと同じ土俵で戦うならこのサイズに慣れておく必要があります。
同人誌や趣味なら「A4サイズ」
「自分で同人誌を作ってみたい」「SNSにアップしたい」という方には、A4サイズがおすすめです。
A4サイズで描いた原稿は、B5サイズやA5サイズの同人誌として印刷するのに最適です。また、家庭用のスキャナーの多くがA4サイズまでしか対応していないため、アナログ原稿をデジタル化する際の手間も省けます。
デジタル作画での設定のコツ
ipadや液晶タブレットを使って描く場合、サイズ設定と合わせて「解像度」が重要になります。
モノクロ漫画の場合は600dpi以上、カラーの場合は350dpiが基本です。サイズを正しく設定していても、この解像度が低いと、印刷した時に線がギザギザになってしまいます。
また、CLIP STUDIO PAINTなどのソフトを使う際は、最初から「仕上がりサイズ」を意識したプリセットを選びましょう。後から無理やり引き伸ばすと、画質が劣化してしまいます。
用途別!失敗しないサイズの使い分け術
サイズの違いを理解したところで、次は具体的なシーン別の使い分けについて考えてみましょう。
同人誌制作:B5かA5か
イベントで同人誌を出す際、最も悩むのが「B5」にするか「A5」にするかです。
- B5(ノートと同じサイズ):迫力重視アクションシーンが多い、または緻密な背景を描き込んでいる場合は、B5がおすすめです。手に取った時の「しっかりとした本感」があり、見栄えがします。
- A5(少し小さめ):読みやすさとコスト重視ページ数が多い作品や、日常系、恋愛系の漫画に向いています。印刷代もB5より安く抑えられることが多く、読者もカバンに入れやすいため、手に取ってもらえる確率が上がることがあります。
SNS・WEB投稿:スマホ画面を意識
最近では紙のサイズを意識せず、スマホでスクロールして読む「縦スクロール漫画」も増えています。
しかし、将来的に「本」にすることを1ミリでも考えているなら、最初からA5やB5の比率で描いておくべきです。スマホ向けに描きすぎてしまうと、いざ印刷しようとした時にコマの配置をすべてやり直すという地獄のような作業が待っています。
おすすめは、印刷サイズで描きつつ、セリフの文字を少し大きめに配置すること。これならスマホでも読みやすく、印刷しても違和感がありません。
漫画を綺麗に保管するためのサイズ別収納テクニック
漫画が増えてくると避けて通れないのが収納の問題です。サイズがバラバラだと、効率よく棚に収まりませんよね。
ブックカバーは「出版社名」で選ぶ
大切な本を傷めないためにブックカバーを付ける人も多いでしょう。
しかし、同じ「新書判」でも出版社によって微妙に高さが異なります。購入する際は、パッケージに記載されている「ジャンプコミックス対応」や「マガジン対応」といった表記を必ず確認してください。汎用的なサイズを買ってしまうと、上が余ったり、逆にきつくて本が反ってしまったりすることがあります。
本棚の奥行きを有効活用する
B6判やA5判の漫画は奥行きがあるため、一般的な薄型の本棚だと少しはみ出してしまうことがあります。
逆に、奥行きがある本棚に新書判を並べると、奥にデッドスペースが生まれます。そんな時は、奥に一段高い台を置いて「前後2列」で収納するのがコツです。後ろの背表紙も見えるようになり、どこに何があるか一目でわかります。
漫画のサイズは何種類ある?選び方から使い分けまで完全ガイド:まとめ
ここまで、漫画のサイズにまつわるさまざまな知識をお届けしてきました。
漫画のサイズは、単なる紙の大きさではなく、描き手のこだわりと読み手への配慮が詰まった「規格」です。
- 読む側としては、作品の雰囲気に合ったサイズ(判型)を楽しむ。
- 描く側としては、完成形(商業誌か同人誌か)を見据えて、適切な原稿サイズを選ぶ。
- 保管する側としては、サイズごとの違いを理解して、最適なケアをする。
この基本を押さえておくだけで、あなたの漫画ライフはもっと快適でクリエイティブなものになるはずです。
もし、これから初めての漫画制作に挑戦しようとしているのなら、まずは自分が一番好きな単行本のサイズを測ってみることから始めてみてください。それが、あなたにとっての「理想の漫画」への第一歩になりますよ。
「漫画のサイズは何種類ある?選び方から使い分けまで完全ガイド」を最後までお読みいただきありがとうございました。あなたの作品作りやコレクションが、素敵なものになることを応援しています!

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