「なんだか最近、心がトゲトゲしているな」「仕事が終わって帰宅しても、頭が仕事モードから切り替わらない……」。そんな風に感じている方は多いのではないでしょうか。SNSを開けば刺激的なニュースや誰かのキラキラした日常が飛び込み、テレビをつければ騒がしい。私たちは、自分が思っている以上に「情報」という刺激にさらされ、脳が疲れ切っています。
そんな時、一番の特効薬になるのが「ゆるい漫画」です。
ドラマチックな大逆転も、手に汗握るバトルも、複雑な人間関係のしがらみもありません。ただただ穏やかな時間が流れ、読んだ後に「ふふっ」と小さく独り言が漏れてしまうような、そんな優しい世界。
今回は、忙しい毎日にそっと寄り添ってくれる、ゆるい漫画のおすすめ5選!ほっこり癒されたい時に読みたい作品を厳選してご紹介します。読み終わる頃には、ガチガチに固まった心の結び目が、少しだけ緩んでいるはずですよ。
脳を休める「余白」の力。なぜ今、ゆるい漫画が求められるのか
そもそも、なぜ私たちはこれほどまでに「ゆるさ」を求めているのでしょうか。それは、現代人の脳が常にフル回転しているからです。
多くの物語は「起承転結」がはっきりしており、大きな問題が発生し、それを乗り越えるというストレス(負荷)を読者に与えます。もちろんそれはエンターテインメントとして素晴らしいものですが、本当に疲れている時には、その「負荷」すら重荷に感じてしまうことがあります。
ゆるい漫画の最大の特徴は、圧倒的な「余白」にあります。
- 何でもない日常の肯定: 「ご飯が美味しかった」「よく眠れた」といった、当たり前の幸せを再発見させてくれる。
- 毒のなさ: 悪意のあるキャラクターが登場せず、安心して読み進められる。
- 視覚的な優しさ: 書き込みすぎないシンプルな線や、淡い色使いが目に優しい。
これから紹介する5つの作品は、そんな「余白」をたっぷり持った名作ばかりです。
1. シュールな笑いで凝り固まった頭をほぐす:『女の園の星』
まず最初にご紹介するのは、和山やま先生の女の園の星です。
舞台はある女子校。主人公の星先生は、いつも冷静沈着でどこかミステリアスな国語教師です。女子高生たちの予想もつかないシュールな行動や、同僚の小林先生との何気ないやり取りが描かれるのですが、これがとにかく面白い。
「癒やし」と聞くと、感動して泣ける話を想像するかもしれませんが、実は「クスッと笑うこと」こそが最大のデトックスになります。
この作品には、劇的な事件は一切起きません。学級日誌に変な絵が描いてあったり、ベランダで犬を飼おうとする生徒がいたり。そんな「どうでもいいけれど、なんだか可笑しい」日常の切り取り方が絶妙なんです。
仕事でミスをして落ち込んでいる夜、この漫画を開いてみてください。星先生の淡々としたツッコミを読んでいるうちに、「自分の悩みなんて、案外ちっぽけなものかもな」と思えてくるから不思議です。
2. 無条件の愛に包まれる安心感:『おじさまと猫』
「誰かに必要とされたい」「温もりを感じたい」。そんな気分の時に手に取ってほしいのが、桜井海先生のおじさまと猫です。
ペットショップで売れ残り、誰にも見向きもされなかった成猫の「ふくまる」。自分なんて一生誰にも愛されないと諦めていた彼の前に現れたのは、一人の紳士的なおじさまでした。
この物語は、孤独を抱えていた一人と一匹が、お互いを通して「愛される喜び」を取り戻していく過程を丁寧に描いています。ふくまるの愛くるしい仕草や、おじさまの深い愛情に満ちた言葉に、心がじんわりと温まります。
特に、ふくまるが「パパさん大好き!」と全身で感情を表現するシーンは、読んでいるこちらの自己肯定感まで高めてくれるようなパワーがあります。動物漫画ならではの「ゆるさ」と、心の奥深くに触れる「優しさ」が同居した、まさに癒やしの特等席のような作品です。
3. 「何もしない」という贅沢を知る:『ひらやすみ』
真造圭伍先生のひらやすみは、現代社会で頑張りすぎているすべての人に読んでほしい一冊です。
29歳のフリーター、生田ヒロトは、人柄の良さだけで近所のおばあちゃんから平屋の一軒家を譲り受けます。そこに地方から美大進学のために上京してきた従姉妹のなつみが転がり込み、二人の不思議な共同生活が始まります。
この漫画の素晴らしさは、空気感の描写にあります。縁側を吹き抜ける風の音、畳の匂い、夕暮れ時の静けさ。読んでいるだけで、自分もその平屋の縁側でスイカを食べているような気分になれるのです。
将来への不安やキャリアアップの焦り。そんなものから一旦距離を置いて、「今日は天気がいいから散歩しよう」「美味しいお茶を飲もう」といった、今この瞬間の心地よさを大切にしたくなる。
「立派な人間にならなきゃ」という呪縛をそっと解いてくれるような、究極の脱力系日常漫画です。
4. 美味しいものと穏やかな愛:『焼いてるふたり』
心が荒んでいる時は、美味しいものを食べるのが一番。でも、自分で料理する元気すらない……。そんな時は、ハナツカシオリ先生の焼いてるふたりを読んで、「視覚」から栄養を補給しましょう。
交際0日で結婚した健太と千尋。東京と浜松の遠距離婚である二人の楽しみは、週末に集まって行うBBQ(庭キャンプ)です。
この漫画の魅力は、何と言っても「徹底した平和さ」にあります。二人はお互いを尊敬し合い、思いやり、ただただ一緒に美味しいものを食べて幸せそうに笑っています。対立もなければ、不穏な空気もありません。
じっくり焼かれたお肉や、季節の野菜、豪快なアウトドア料理の描写は、見ているだけでお腹が空いてきます。そして、それ以上に二人の初々しい関係性に「ごちそうさま!」と言いたくなるはず。
美味しい食事と、大切な人との穏やかな時間。人生において本当に必要なものはこれだけなんだと、改めて気づかせてくれる作品です。
5. 意識の低さに救われる夜:『あたしゃ川尻こだまだよ〜デンジャラスライフハッカーの記録〜』
最後にご紹介するのは、SNSから火がついた川尻こだま先生のあたしゃ川尻こだまだよです。
これまで紹介した作品が「綺麗な癒やし」だとしたら、こちらは「泥臭い癒やし」と言えるかもしれません。酒を愛し、油っこいものを愛し、いかに動かずに生活するかを追求する作者の自堕落な日常を描いたエッセイ漫画です。
「夜中にカップ麺を食べてしまった」「一日中パジャマで過ごしてしまった」。そんな、普通なら少し罪悪感を抱いてしまうような瞬間を、この漫画は全力で肯定してくれます。というか、肯定すらしていません。ただ、そこに「ある」だけです。
「丁寧な暮らし」なんてできなくても、私たちは生きていける。欲望に忠実に、自分を甘やかして何が悪い。そんな開き直りとも取れる潔いライフスタイルに、不思議と肩の力が抜けていきます。
寝る前にスマホでダラダラと読んで、「よし、明日も適当に頑張ろう(頑張らなくてもいいか)」と思える。この「適当さ」こそが、現代人に最も必要な癒やしなのかもしれません。
ゆるい漫画を最大限に楽しむための3つのポイント
せっかく素敵な作品を手に取っても、読み方を間違えると癒やし効果が半減してしまいます。ゆるい漫画をより深く楽しむためのコツをお伝えします。
- スマホの通知を切るせっかく作品の世界観に浸っていても、仕事のメールやSNSの通知が来ると一気に現実に引き戻されてしまいます。漫画を読む15分間だけでも、スマホを機内モードにするか、通知をオフにしてみてください。その小さな断絶が、深いリラックスを生みます。
- お気に入りの飲み物を用意する温かいハーブティーや、お気に入りのコーヒー、あるいはあたしゃ川尻こだまだよのようにキンキンに冷えたビールでも構いません。「今から自分を癒やす時間だ」という儀式を作ることで、脳がリラックスモードに切り替わりやすくなります。
- 「一気に読まない」贅沢を味わうゆるい漫画は、ストーリーの続きが気になって眠れなくなるような作品ではありません。だからこそ、1日1話だけ、寝る前の楽しみに取っておくといった読み方ができます。少しずつ、大切に。そんな読み方が、心の余裕を取り戻してくれます。
まとめ:ゆるい漫画のおすすめ5選!ほっこり癒されたい時に読みたい作品
いかがでしたでしょうか。
今回ご紹介した5つの作品は、それぞれアプローチは違えど、どれもあなたの心に「優しい風」を吹き込んでくれるものばかりです。
- 『女の園の星』:シュールな笑いで脳のコリを解きほぐす。
- 『おじさまと猫』:無条件の愛で孤独を包み込む。
- 『ひらやすみ』:何もしない日常の尊さを再発見する。
- 『焼いてるふたり』:美味しいものと穏やかな愛に満たされる。
- 『あたしゃ川尻こだまだよ』:自堕落な自分を笑って許せるようになる。
私たちは毎日、目に見えないプレッシャーの中で戦っています。だからこそ、意識的に「何もしない時間」や「ただ楽しいだけの時間」を作る必要があります。
漫画は、一番手軽にアクセスできる「別世界への扉」です。もし今日、あなたが少しだけ疲れているのなら、難しい本や刺激的な動画を閉じて、これらのゆるい漫画を開いてみてください。
ページをめくるたびに、心のトゲが少しずつ丸くなっていくのを感じられるはずです。
さて、今夜はどの作品と一緒に、穏やかな眠りにつきましょうか。あなたの毎日が、ゆるい漫画のような優しい時間で満たされることを願っています。
以上、ゆるい漫画のおすすめ5選!ほっこり癒されたい時に読みたい作品でした。

コメント