「あのドラマ、面白かったのになぜか短かったよね?」「もしかして打ち切りだったの?」
そんな疑問を持たれることが多い作品が、2011年に放送された宮藤官九郎さん脚本のドラマ『11人もいる!』です。大家族をテーマにしたコメディでありながら、どこか切なく、そして毒気もある。クドカンワールド全開のこの作品は、今振り返ると「奇跡」と言わざるを得ないメンバーが集結していました。
今回は、巷で囁かれる「11人もいる!の打ち切り理由」の真相に迫りつつ、今では絶対に不可能なほど豪華すぎるキャスト陣、そしてこの作品がなぜ今もなお語り継がれるのか、その魅力を徹底的に深掘りしていきます。
そもそも「11人もいる!」は本当に打ち切りだったのか?
まず、多くの人が気になっている「打ち切り説」の真相からお話ししましょう。
結論から言うと、このドラマは公式に打ち切りになったわけではありません。全9話という少し短めの構成が、一般的な「1クール10〜11話」というイメージと重なり、「人気がなくて短縮されたのでは?」という憶測を呼んだのが真相です。
本作が放送されたのは、テレビ朝日の「金曜ナイトドラマ」枠。この枠は23時台という深夜帯であり、もともと放送回数が柔軟に設定されることが多い枠なんです。過去の同枠作品を見ても、9話前後で完結するものは珍しくありません。
宮藤官九郎さんの脚本は、伏線回収の緻密さや物語の密度が非常に高く、最初から「この話数で物語を完結させる」という計算のもとに作られていた可能性が高いと言えます。視聴率についても、深夜帯としては健闘しており、決して大爆死と言われるような数字ではありませんでした。
打ち切りと勘違いされた「視聴率」と「時代背景」のワナ
では、なぜこれほどまでに「打ち切り」という言葉が付きまとったのでしょうか。それには当時のテレビ界の状況が大きく関係しています。
放送された2011年10月期、日本のテレビ界はあるひとつのドラマに席巻されていました。それが松嶋菜々子さん主演の『家政婦のミタ』です。視聴率40%を超えるという、現代では考えられない社会現象が起きていました。
その陰で、深夜帯にひっそりと(しかし熱狂的に)放送されていた『11人もいる!』は、どうしても世間的な数字のインパクトでは見劣りしてしまったのかもしれません。
また、本作の平均視聴率は約8.7%でした。これは現在の深夜ドラマからすれば「超高視聴率」と言える数字ですが、当時はまだテレビ全体の視聴率が高かった時代。「クドカン脚本」という大きな期待値に対して、数字が爆発しなかったことが「打ち切り」というネガティブな噂に変換されてしまった一因と考えられます。
今では100%不可能!震えるほど豪華なキャストの顔ぶれ
この記事を書くにあたって、改めて当時のキャスト表を見直したのですが、正直言って震えました。今、同じメンバーを揃えようとしたら、制作費がいくらあっても足りないでしょう。
主演の神木隆之介さんを筆頭に、今や日本のエンタメ界のトップを走る面々が、狭いアパートの1室にひしめき合っていたのです。
長男役:神木隆之介さんの圧倒的な安定感
大家族を支える苦労人の長男・一男を演じたのは、当時高校生だった神木隆之介さん。当時はまだ「天才子役が成長した姿」という印象が強かった時期ですが、本作での演技はすでに完成されていました。
貧乏を背負い、理不尽な父親に振り回されながらも家族を守る姿は、視聴者の心を強く掴みました。現在、国民的俳優として神木隆之介 写真集などの関連アイテムが飛ぶように売れる彼ですが、この頃からその片鱗は十二分に発揮されていました。
当時無名の新人だった有村架純さん
今ではテレビで見ない日はない有村架純さんですが、本作では二女・二子役として出演していました。当時はまだキャリアも浅く、多くの視聴者にとっては「可愛いけど、誰だろう?」という存在だったはずです。
どこか冷めた視線を持ちながらも、家族への愛を隠しきれない女子高生役を等身大で演じていました。このわずか数年後に朝ドラヒロインへと駆け上がっていく彼女の「原石時代」を拝めるのは、本作の大きな特権です。
音楽と俳優の二刀流、星野源さんの存在
真田家の叔父・ヒロユキを演じたのは星野源さん。当時は大人計画に所属する俳優として、また知る人ぞ知るミュージシャンとしての活動が中心でした。
劇中で歌われる挿入歌『家族なんです』などは、彼の才能が爆発しており、ファンにはたまらない演出でした。今や星野源 CDがチャートを賑わせ、俳優としても主演級が当たり前の彼が、少し情けない、でも愛らしい親戚のおじさんとして脇を固めていたのです。
宮藤官九郎が描いた「新しい家族のカタチ」
本作が打ち切り疑惑を跳ね返すほど愛されている理由は、その斬新な設定にあります。
「大家族・貧乏・コメディ」という、一見すると昭和のホームドラマのような設定ですが、そこに「幽霊」というスパイスを加えるのがクドカン流。広末涼子さん演じる先妻の幽霊・メグミが、後妻である恵(光浦靖子さん)にしか見えないという設定が、物語に深みを与えていました。
- 貧乏を悲劇ではなく、笑いとして描き切る明るさ
- 血の繋がりを超えた「11人」の結束
- 大人たちの身勝手さと、子供たちのたくましさ
これらの要素が複雑に絡み合い、単なるドタバタ劇ではない、人生の悲哀を感じさせる名作へと昇華されていたのです。
視聴者の声:なぜ今、再評価されているのか
SNSやドラマレビューサイトを見ると、放送から10年以上経った今でも熱いコメントが並んでいます。「当時は録画して何度も見た」「今見るとキャストが豪華すぎてパニックになる」といった声が目立ちます。
特に、光浦靖子さん演じる後妻・恵のキャラクターへの評価が非常に高いのが特徴です。大家族に飛び込み、幽霊の先妻にマウントを取られながらも、必死に母として振る舞う姿。その滑稽さと健気さは、大人になった今見返すと涙腺を刺激されます。
また、本作は「家族だから仲良くすべき」という綺麗事だけを押し付けません。バラバラな個性がぶつかり合い、文句を言い合いながらも、なんとなく食卓を囲む。その「適当な連帯感」が、現代を生きる私たちの心にフィットするのかもしれません。
結論:11人もいる!の打ち切り理由は視聴率?真相と今ではあり得ない豪華キャストを徹底解説
改めてまとめると、本作の「打ち切り説」は完全なデマであり、実際には深夜ドラマの枠組みの中で最大限の輝きを放った、クドカン渾身の意欲作だったと言えます。
全9話という短さは、むしろ「無駄な回が一切ない」という評価に繋がっています。視聴率という数字だけでは測れない熱量が、そこには確かに存在していました。
神木隆之介さん、有村架純さん、星野源さん、そして広末涼子さん。このレベルの俳優たちが、一つのちゃぶ台を囲んでカレーを食べる光景は、もう二度と見られないかもしれません。
もし、まだこの作品を未視聴の方がいたら、あるいは当時なんとなく見ていただけの方がいたら、ぜひ配信サービスなどで再訪してみてください。当時は気づかなかった、若きスターたちの煌めきと、宮藤官九郎さんが脚本に込めた「家族への愛ある毒」を再発見できるはずです。
「11人もいる!の打ち切り理由は視聴率」という噂を入り口にこの記事に辿り着いたあなた。その真相は、数字を超えたところにある「伝説の作品」への招待状だったのです。

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