「2.5メートルのリアルなロボットが、もし現代に現れたら?」そんな鳥肌が立つような設定で、世界中のSF・ミリタリーファンを熱狂させたアニメ『OBSOLETE(オブソリート)』。
虚淵玄(ニトロプラス)氏が原案・シリーズ構成を務め、圧倒的なリアリティで描かれたこの作品ですが、ネット上では「え、これって打ち切りなの?」「続きはどうなったの?」という声が後を絶ちません。
2021年以降、目立った新情報が出てこない現状を考えると、ファンが不安になるのも無理はありません。今回は、そんな『OBSOLETE』の現状から、なぜ更新が止まっているのかという裏事情、そして物語としての完結について、収集した情報を元に徹底的に深掘りしていきます。
『OBSOLETE』が打ち切りと言われる最大の理由
まず、多くの方が一番気になっている「打ち切り説」について切り込んでいきましょう。結論から言うと、公式に「打ち切り」という言葉が使われたことは一度もありません。しかし、実質的にはプロジェクトが止まっていると見なさざるを得ない状況がいくつか重なっています。
最も大きな要因は、第12話「エグゾ」の終わり方です。物語がいよいよ世界の核心、つまり異星人「ペドラー」の真の目的や、人類が直面する大きな転換点を迎えようとしたタイミングで配信がパタリと止まってしまいました。
通常、アニメの第1期が終了すれば「第2期制作決定!」や「プロジェクト継続中」といったアナウンスがあるものですが、本作に関しては沈黙が続いています。この「これから面白くなるところで終わった」感覚が、視聴者に打ち切り感を強く抱かせてしまったんですね。
また、配信プラットフォームであった「YouTube Originals」の事業方針の変更も無視できません。Googleがオリジナルコンテンツ制作から事実上撤退したことで、潤沢な予算を背景にした続編制作が難しくなったという大人の事情も見え隠れします。
異星人とペドラーの謎は残されたままなのか
本作の魅力は、宇宙人から1トンの石灰石と交換で与えられた意識制御型作業機械「エグゾフレーム」というガジェットにあります。
しかし、肝心の「なぜ異星人は石灰石を欲しがるのか?」「なぜわざわざ人類にオーパーツのような技術を配ったのか?」という最大の謎については、アニメ第12話まででは完全な解決を見ていません。
劇中では、エグゾフレームが普及したことで世界の軍事バランスが崩れ、既存の兵器が無価値化していく様がリアルに描かれました。しかし、それはあくまで「エグゾフレームがある世界」の現象を描いているに過ぎず、その背後にある大きな意図については、視聴者の想像に委ねられた形になっています。
もし、あなたがこの緻密な設定をさらに深く楽しみたいなら、立体物としての魅力を手に取ってみるのも一つの手です。MODEROID OBSOLETE エグゾフレームなどのプラモデルシリーズは、劇中の無骨なデザインを完璧に再現しており、映像では確認しきれなかった細部まで作り込みを堪能できます。
漫画版『OBSOLETE ハナブサレポート』に完結のヒントが?
アニメの続きが気になって夜も眠れないという方に、ぜひチェックしてほしいのがコミカライズ版です。
『OBSOLETE ハナブサレポート』というタイトルで展開された漫画版は、アニメを単にコミカライズしただけの内容ではありません。アニメでは描ききれなかった世界情勢の補完や、独自の視点でのエピソードが盛り込まれています。
特筆すべきは、単行本全2巻で物語としての「区切り」がしっかりつけられている点です。アニメが第12話で「俺たちの戦いはこれからだ!」という雰囲気で終わったのに対し、漫画版ではエピローグ的な描写も含まれており、ある種の完結を迎えています。
虚淵玄氏が描きたかった「エグゾフレームがもたらす文明の変容」というテーマは、この漫画版を読むことでより立体的に理解できるはずです。アニメ版の打ち切り感を払拭したいのであれば、必読の書と言えるでしょう。
虚淵玄氏の作風と「沈黙」の期間について
虚淵玄氏の作品を長く追っているファンならご存知かもしれませんが、氏が関わるプロジェクトはしばしば長い沈黙期間を置くことがあります。
例えば、他の代表作でも数年のブランクを経て新プロジェクトが始動したり、劇場版が発表されたりすることは珍しくありません。『OBSOLETE』もまた、あえて「すべてを語り尽くさない」ことで、視聴者の心にエグゾフレームという概念を植え付ける手法を取っている可能性も否定できません。
また、本作は「既存の巨大ロボットアニメに対するアンチテーゼ」として作られています。主人公が特別な機体に乗って悪を倒すのではなく、誰でも乗れる安価な機械が世界を混沌に陥れる。その過程を描くことが目的であれば、第12話までの内容は一つの「歴史の記録」として成立しているとも言えます。
もし、アニメの続編を待つ間に別の虚淵作品をチェックしたいなら、PSYCHO-PASSや魔法少女まどか☆マギカといった、社会のシステムや概念そのものを揺さぶる名作に触れてみるのも良いかもしれません。彼の描く「逃げ場のないリアリズム」は、どの作品でも共通して流れる芯の部分ですから。
リアルロボットSFとしての『OBSOLETE』の価値
たとえ新シリーズが作られないとしても、本作が遺した功績は極めて大きいです。
1話約12分という短尺ながら、アフリカの紛争地帯、アメリカの海兵隊、雪山の極地、そして宇宙まで、世界各地でエグゾフレームがどう使われているかをオムニバス形式で描いた構成は圧巻でした。
CG制作を担当した武右ェ門による映像美も素晴らしく、錆びついた鉄の質感や、砂埃が舞う戦場の空気感は、フルCGアニメの新しい地平を切り拓いたと言っても過言ではありません。
また、ミリタリー設定の監修も非常に緻密です。既存の戦車や戦闘機が、安価なエグゾフレームによって次々と撃破されていく描写には、一種の恐怖と興奮が同居していました。このリアリズムこそが、多くのファンを「打ち切り」という噂に敏感にさせてしまうほど、本作を愛着のあるものにしたのです。
OBSOLETE(オブソリート)は打ち切り?続編や完結の噂、最新情報まとめ
ここまで『OBSOLETE(オブソリート)』を巡る現状について整理してきました。
現時点で判明していることをまとめると、以下のようになります。
- 公式に打ち切りと発表された事実はない。
- ただし、YouTube Originalsの事業縮小により、アニメの続編制作は非常に困難な状況。
- 物語の補完はコミカライズ版(全2巻)でなされており、そちらで一区切りついている。
- プラモデルなどのホビー展開は続いており、作品の熱量は根強く残っている。
「続きが観られない」という事実は確かに寂しいものですが、本作が提示した「もし技術の均衡が崩れたら、世界はどう変わるのか?」という問いかけは、今なお色褪せていません。
もしあなたがまだアニメ版の第12話までしか観ていないのであれば、ぜひ漫画版を手に取ってみてください。そこには、アニメだけでは到達できなかった物語の「終着点」の一片が描かれています。
そして、いつの日かまた別の形で、あの無骨な2.5メートルの機械が私たちのスクリーンに戻ってくることを信じて待ちましょう。それまでは、MODEROIDを組み立てながら、自分だけのエグゾフレーム部隊を想像して楽しむのも、この作品らしい素敵な過ごし方かもしれません。

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