かつて木曜夜の顔としてお茶の間を沸かせた嵐の人気番組『VS嵐』。そのバトンを継ぐ形で華々しくスタートしたのが、相葉雅紀さん率いる『VS魂』でした。しかし、多くのファンに惜しまれつつも、番組は幕を閉じることとなりました。
「あんなに豪華なメンバーだったのに、どうして?」
「最後の方は内容が全然違っていた気がする……」
そんな疑問を抱いている方も多いはずです。今回は、VS魂が打ち切りになった理由を、視聴率の推移や度重なるリニューアルの背景から、当時の空気感を含めて徹底的に深掘りしていきます。
期待が大きすぎた?「VS嵐」という巨大な壁
まず避けて通れないのが、前身番組である『VS嵐』の存在です。嵐という国民的グループが12年以上にわたって築き上げた「木曜19時」の枠は、単なるバラエティ枠を超えて、ファンにとっては「聖域」に近い場所でした。
『VS魂』は、その熱量をそのまま引き継ぐことを期待されてスタートしました。キャプテンの相葉雅紀さんを中心に、風間俊介さん、佐藤勝利さん、藤井流星さん、岸優太さん、浮所飛貴さんという、グループの垣根を越えた豪華な「魂メンバー」が集結。当初はファンからも「新しい時代の幕開け」として温かく迎え入れられていたんです。
しかし、偉大な前身番組と比較される運命からは逃れられませんでした。「嵐5人が揃っていた時の空気感」と「手探りで関係性を築く新チーム」の差に、視聴者が違和感を覚えてしまったのは否定できません。
視聴率低迷の裏側にあった「コア層」の離脱
テレビ業界において、番組継続の生命線となるのはやはり数字です。残念ながら『VS魂』の視聴率は、中盤から末期にかけて厳しい状況が続きました。
特に重視されるのが、13歳から49歳までの「コア視聴率」です。スポンサーが最も注目するこの層の数字が、1%台から2%台前半にまで落ち込んでしまったことが、打ち切りの決定的な要因の一つと言われています。
世帯視聴率でも、かつては2桁が当たり前だった枠が、3%〜4%台を推移するようになりました。どれだけ豪華なゲストを呼んでも数字が上向かない時期が続き、テレビ局側としても「これ以上の継続はコストに見合わない」というシビアな判断を迫られたのが実情でしょう。
番組リニューアルの失敗とコンセプトの迷走
視聴者が最も戸惑いを感じたのは、番組内容の激しい変化ではないでしょうか。
初期の『VS魂』は、『VS嵐』のDNAを継承したスタジオでの大型ゲーム対決がメインでした。しかし、コロナ禍という特殊な状況下で、大人数が集まるスタジオ収録に制限がかかったことが不運の始まりでした。
- 屋外ロケ中心への移行: メンバーが各地を回るロケ番組のような形に。
- 「魂Q」などのクイズ企画: VTRを見てクイズに答える形式が増加。
- 「グラデーション」への刷新: 物事の順番を並び替える推理ゲームがメインに。
番組タイトルが『VS魂 グラデーション』に変わる頃には、かつての「体を動かして競い合う熱い対決」という要素はほとんど消えてしまいました。視聴者からは「これなら他の番組でもいいのでは?」「相葉くんの運動神経が活かされていない」といった厳しい声が上がるようになったのです。
この「番組アイデンティティの喪失」こそが、ファンを離れさせてしまった大きな要因と言えるでしょう。
魂メンバーの多忙とチームワーク構築の難しさ
番組を支える「魂メンバー」たちは、それぞれがグループの中心メンバーや人気タレントです。そのため、全員のスケジュールを合わせることが非常に困難でした。
特に、主演ドラマや舞台、他番組の収録が重なると、メンバーが欠席して代役が立つことも珍しくありませんでした。バラエティ番組において「このメンバーだからこその掛け合い」は最大の武器ですが、その基盤が固まりきる前に内容が変わり続け、メンバーの結束力が画面越しに伝わりづらくなってしまったのはもったいない点でした。
また、番組の中核を担っていた岸優太さんのグループ脱退・事務所退所というニュースも、番組の継続性に大きな影を落としました。主要メンバーの去就が決まったことで、番組としても区切りをつけざるを得ない状況になったのです。
制作費とコストパフォーマンスの問題
大型バラエティ番組には、膨大な制作費がかかります。特に『VS嵐』から続く豪華なセットや、旬の俳優・アーティストを招くキャスティング費用は馬鹿になりません。
視聴率が安定していれば問題ありませんが、低迷期に入ると「これだけの予算をかけて、この数字では……」という議論が社内で巻き起こります。フジテレビ全体でも番組制作費の見直しが進む中で、高コスト・低リターンの状態に陥ってしまった『VS魂』は、真っ先に改編の対象となってしまったと考えられます。
ジャニーズ事務所(当時)を取り巻く環境の変化
2023年は、旧ジャニーズ事務所にとって歴史的な転換点となった年でした。性加害問題が大きく取り沙汰され、スポンサー企業各社が所属タレントの起用に対して慎重な姿勢を見せ始めました。
『VS魂』は多くの所属タレントが出演する「冠番組」に近い性質を持っていたため、広告主との関係性において逆風が吹いたことは想像に難くありません。番組自体のパワーが落ちているタイミングで、外的な要因が重なったことが、結果的に「2023年9月終了」という決断を早めた可能性は高いでしょう。
相葉雅紀というリーダーの奮闘と「木7◎×部」への道
番組が終わる一方で、座長である相葉雅紀さんの評価が下がったわけではありません。むしろ、逆風の中で若手をまとめ上げ、番組を最後まで明るく盛り上げようとした彼の姿勢には、多くのスタッフや共演者が信頼を寄せていました。
その証拠に、番組終了後も相葉さんの冠番組である『木7◎×部(もくしちまるばつぶ)』へと枠が引き継がれました。形を変えてでも相葉さんの番組を続けたいという局側の意向は、彼自身のタレントパワーが今なお健在であることを示しています。
もし、今すぐ相葉さんのような明るい笑顔を自宅で楽しみたいなら、高画質なモニターで過去の活躍を振り返るのもいいですね。例えばFire TV Stickを使って、配信プラットフォームで彼の出演作をチェックするのもおすすめです。
まとめ:VS魂が打ち切りになった理由は?
改めて整理すると、VS魂が打ち切りになった理由は、単一の不祥事などではなく、複数の要因が絡み合った結果と言えます。
- 視聴率の低迷: 特にコア層の支持を得られなかったこと。
- コンセプトの迷走: リニューアルを繰り返す中で番組独自の強みが失われたこと。
- 物理的な限界: メンバーの多忙や脱退により、安定した収録が難しくなったこと。
- 制作費の圧迫: 低視聴率に対してコストがかかりすぎ、経営判断が下されたこと。
- 事務所問題: 業界全体を揺るがす騒動が、スポンサーの判断に影響したこと。
『VS魂』は、嵐の休止という大きな穴を埋めようと必死に走り抜けた番組でした。結果として打ち切りという形にはなりましたが、岸優太さんの新たな魅力が発見されたり、グループの枠を超えた絆が生まれたりと、確かな「魂」の足跡は残したはずです。
現在は新しい番組へとバトンが渡されていますが、あの時メンバーが必死にゲームに挑んでいた姿は、ファンの心の中にずっと残り続けることでしょう。またいつか、あの熱い対決が見られる日が来ることを願わずにはいられません。

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