Netflix『マルコ・ポーロ』打ち切りの真相は?シーズン3中止の理由と未完の魅力を解説

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Netflixが「世界一のドラマを作る」と意気込み、巨額の制作費を投じた歴史スペクタクル『マルコ・ポーロ』。圧倒的なスケールと、東洋と西洋が交錯する重厚な人間ドラマに魅了されたファンも多いはずです。

しかし、シーズン2の衝撃的なラストシーンから時が止まったまま、ファンが待ち望んでいた「シーズン3」が作られることはありませんでした。なぜ、これほどまでに豪華で、多くのファンに愛された作品が「打ち切り」という悲運を辿ることになったのか。

今回は、当時メディアを騒がせた巨額損失の裏側から、制作会社を巡るスキャンダル、そして今あえてこの未完の名作を視聴すべき理由まで、その真相を徹底的に深掘りしていきます。


13世紀のモンゴル帝国を描いた野心作の光と影

『マルコ・ポーロ』は、イタリアの商人マルコ・ポーロがモンゴル帝国の皇帝クビライ・ハーンの宮廷に仕え、陰謀と戦争の渦に巻き込まれていく姿を描いたドラマです。Netflixがグローバル市場を席巻するために、HBOの『ゲーム・オブ・スローンズ』に対抗する「キラーコンテンツ」として送り出しました。

撮影はマレーシア、イタリア、カザフスタン、スロバキアなど世界各国で行われ、衣装の一つひとつから広大なモンゴルの草原、絢爛豪華な宮殿まで、すべてが映画クオリティで再現されました。まさに、当時の動画配信サービスとしては考えられないほどの熱量が注ぎ込まれていたのです。

しかし、その輝かしいクオリティの裏側では、プロジェクトの存続を揺るがす巨大な「影」が忍び寄っていました。

打ち切りを決定づけた「2億ドル」という巨額の損失

最大の理由は、身も蓋もない言い方になりますが「お金」の問題です。

『マルコ・ポーロ』の制作費は、シーズン1だけで約9,000万ドル(当時のレートで約100億円以上)と言われています。さらにシーズン2を含めた2年間で、Netflixは約2億ドル(約230億円以上)もの損失を出したと報じられています。

Netflixのビジネスモデルは、制作費に見合うだけの「新規会員の獲得」や「会員の継続」が重要視されます。本作の場合、1話あたりの制作費が1,000万ドル(約11億円)近くにまで膨れ上がっていたのに対し、視聴者数の伸びがそのコストを正当化できるレベルに達しませんでした。

どんなに素晴らしい芸術作品であっても、ビジネスとして成立しなければ続編は作られない。非常にシビアなハリウッドの論理が、クビライ・ハーンの物語を止めてしまったのです。

批評家と視聴者の間にあった「評価の温度差」

この作品が打ち切られた背景には、もう一つ不思議な現象がありました。それが「プロの批評家」と「一般の視聴者」の間で起きた極端な評価の乖離です。

世界的な批評サイト「Rotten Tomatoes(ロッテン・トマト)」では、シーズン1公開当時の批評家スコアは20%台という驚くほどの低評価でした。批評家たちは「物語のテンポが遅い」「映像は綺麗だが中身が空虚だ」と厳しく指摘したのです。

ところが、実際に視聴したユーザーのスコアは90%を超えるという、真逆の結果が出ました。ファンは、クビライ・ハーンを演じたベネディクト・ウォンの圧倒的な存在感や、美しいカンフーアクション、そして東洋の歴史を真摯に描こうとする姿勢を高く評価したのです。

Netflixとしては、多額の予算をかける以上、賞レース(エミー賞など)での受賞によるブランド価値の向上も狙っていましたが、批評家の不評がその目論見を外してしまったことも、シーズン3制作へのブレーキとなりました。

制作会社ワインスタイン・カンパニーの崩壊という不運

作品そのものの評価以外にも、運命的な不運が重なりました。本作をNetflixと共同で制作していたのは、当時ハリウッドで絶大な権力を誇っていた「ワインスタイン・カンパニー(TWC)」です。

打ち切りが決定した時期と前後して、同社の創業者であるハーヴェイ・ワインスタインによる凄惨な性的暴行スキャンダルが表面化しました。これによりTWCは倒産へと向かい、Netflixは同社との関わりを断つために、提携していたプロジェクトを整理する必要に迫られました。

いわば、作品の外側で起きた業界の激震が、まだ続けられたはずの物語に引導を渡してしまったというわけです。

未完の物語:シーズン2の衝撃的なラストと残された謎

ファンが最も悔やんでいるのは、シーズン2の最終話が「あまりにも完璧な引き(クリフハンガー)」で終わってしまったことでしょう。

クビライ・ハーンの支配を脅かす新たな謎の敵「プレスター・ジョン(プレステ・ジョアン)」の存在が示唆され、まさにこれから物語が新章に突入するというワクワク感が最高潮に達した瞬間に、シリーズは幕を閉じてしまいました。

回収されるはずだった伏線、マルコと仲間たちのその後の運命、そしてさらなる壮大な合戦シーン……。それらはすべて、脚本の中に封じ込められたままになってしまったのです。

それでも今、『マルコ・ポーロ』を見るべき理由

「打ち切られたドラマなんて、見ても虚しいだけじゃないか?」

そう思う方もいるかもしれません。しかし、たとえ未完であっても、この作品には他のドラマでは決して味わえない魅力が詰まっています。

  • ベネディクト・ウォンの怪演: クビライ・ハーンを演じた彼の演技は、慈悲深さと冷酷さが同居する「真の支配者」そのものです。後にドクター・ストレンジなどの大作映画で活躍する彼の原点がここにあります。
  • 圧倒的なアクション: 盲目の武術師範「百の眼(ハンドレッド・アイズ)」による殺陣は、テレビドラマの枠を超えた芸術品です。
  • アジア系キャストの輝き: ミシェル・ヨーをはじめとする、現在ハリウッドの第一線で活躍するアジア系俳優たちが集結しており、今見ると非常に豪華な布陣です。

歴史ドラマやアクション映画が好きなら、この2シーズン分の映像体験だけでも、十分に元が取れるほどのリッチな時間を過ごせるはずです。

Netflix『マルコ・ポーロ』打ち切りの真相は?シーズン3中止の理由と未完の魅力を解説

まとめると、『マルコ・ポーロ』が打ち切りになったのは、記録的な制作費に対するリターンの少なさ、批評家からの冷遇、そして制作パートナーのスキャンダルという、抗いようのない複数の要因が重なった結果でした。

シーズン3で描かれるはずだった「プレスター・ジョン」との戦いや、クビライ・ハーンの帝国の行方を見ることができないのは、海外ドラマファンにとって大きな損失です。しかし、Netflixに残されたこの20話のエピソードとスピンオフの短編は、今なお色褪せない輝きを放っています。

配信サービスが成熟した今だからこそ、あえてこの「早すぎた超大作」をチェックしてみてはいかがでしょうか。完結しないもどかしさはありますが、それ以上に「ここまで凄い映像を作ろうとした人たちがいた」という熱量に圧倒されるはずです。

大画面のテレビと良いスピーカーを用意して、13世紀のモンゴル帝国へ旅に出る準備を始めましょう。

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