「あ、これってもしかして打ち切りなの……?」
お気に入りの漫画を読み進めていて、唐突な「ご愛読ありがとうございました」の文字に衝撃を受けた経験はありませんか?アニメ化もされて勢いに乗っていたはずの『夢見る男子は現実主義者』。その漫画版が全5巻という早さで完結を迎えたとき、多くのファンが「打ち切り」という言葉を頭に浮かべたはずです。
主人公・佐城渉の、あの絶妙にひねくれた(でも愛おしい)現実主義っぷりを、もっと漫画で追いかけたかったという方も多いでしょう。
今回は、漫画版『夢見る男子は現実主義者』がなぜ5巻で完結したのか、その真相や打ち切り説の背景、そして漫画の続きをどう楽しめばいいのかについて、どこよりも詳しく深掘りしていきます。
漫画版『夢見る男子は現実主義者』が完結!全5巻の内容を振り返る
まず事実関係を整理しましょう。吉北ぽぷり先生が作画を担当した漫画版『夢見る男子は現実主義者』は、2024年3月発売の第5巻をもって完結しました。
この物語の始まりは、誰もが「えっ?」と二度見するような展開でしたよね。高嶺の花である夏川愛華に猛アタックを繰り返していた佐城渉が、ある日突然「身の程」をわきまえ、急激に距離を置くようになる。あの温度差こそが本作の醍醐味です。
漫画版では、吉北先生の美麗なタッチによって、渉のどこか冷めた表情や、逆に距離を置かれて動揺を隠せない愛華の可愛らしさが、見事に表現されていました。
しかし、原作小説が現在も続いており、物語の核心である「二人の関係の着地点」に到達する前にコミカライズが終了してしまった。これが、読者の間に「打ち切りなんじゃないか?」という疑念を生む最大の原因となったのです。
なぜ「打ち切り」という噂が流れたのか?3つの大きな理由
ネットやSNSで検索すると、どうしても「打ち切り」という不穏なキーワードが目に付きます。なぜここまでその噂が広がってしまったのか、その背景には3つの理由が考えられます。
1. ストーリーの消化不良感
漫画版の最終5巻を読んだ方の多くが、「ここで終わり?」と感じたのではないでしょうか。文化祭編などの大きなイベントを経て、キャラクターたちの関係性がようやく変化し始めたタイミングでの完結でした。
原作ファンからすれば、「これからがもっと面白くなるのに!」という場面での終了です。この「物語の途中で幕を閉じた」という感覚が、読者に打ち切りという印象を強く植え付けました。
2. アニメ化とのタイミングのズレ
通常、メディアミックス作品はアニメ放送中や放送直後に大きく盛り上がります。本作もアニメ化されましたが、アニメが終わってからほどなくして漫画版の完結告知が出されました。
「アニメで盛り上がった熱をそのまま漫画へ」という流れを期待していた層にとって、この幕引きはあまりにも急に感じられたのです。ビジネス的な判断で、アニメ化に合わせた区切りの良いところまでを描くという当初からの契約だった可能性もありますが、外側からは打ち切りに見えてしまったわけですね。
3. 原作ストックとの兼ね合い
ライトノベルを原作とする漫画(コミカライズ)ではよくあることですが、原作のボリュームが膨大になりすぎると、漫画で全てを描き切るには何十年もかかってしまいます。
特に夢見る男子は現実主義者の原作は、渉の心理描写が非常に細かく、一歩進んでは二歩下がるような繊細な物語です。これをすべて丁寧に漫画化するとなると、5巻では到底足りません。出版社側が「物語のエッセンスを抽出したダイジェスト版」としての役割を終えたと判断した、と考えるのが現実的かもしれません。
漫画版と原作小説・アニメにはどんな違いがある?
『夢見る男子は現実主義者』を楽しむ上で避けて通れないのが、媒体ごとの「色の違い」です。
漫画版:ビジュアルによる心理描写がピカイチ
漫画版の最大の武器は、何と言っても吉北ぽぷり先生の作画です。原作は一人称視点のモノローグが非常に多いのですが、漫画版ではそれを「表情」や「構図」で見せてくれました。
特に愛華が渉に対して抱く「イライラするけど、いなくなると寂しい」という複雑な乙女心は、漫画ならではの視覚的な表現によって、読者の心にダイレクトに刺さりました。
アニメ版:構成の大胆なアレンジ
アニメ版は、実は原作からエピソードの順番を入れ替えたり、オリジナルの演出を加えたりと、かなり大胆な構成をとっていました。そのため、アニメから入ったファンが漫画を読むと「あれ、順番が違う?」と驚くこともあったようです。
原作小説:渉の「脳内」をフルに味わえる
夢見る男子は現実主義者 1 (HJ文庫)から始まる原作小説は、とにかく主人公の思考回路が面白いのが特徴です。なぜ彼がそこまで卑屈になるのか、なぜ周囲は彼を放っておけないのか。文字だからこそ伝わる、理屈っぽくて愛嬌のある「渉ワールド」は原作が一番濃厚です。
漫画版の続きを読みたい!何巻からチェックすべき?
漫画版の完結に納得がいかない、もっと二人の行く末を見守りたいという方は、迷わず原作小説へ移行することをおすすめします。
漫画版5巻の内容は、原作小説でいうところの第3巻の途中から終盤あたりまでに該当します。
もし、漫画の続きをストーリーの漏れなく追いかけたいのであれば、夢見る男子は現実主義者 3 (HJ文庫)から読み始めるのがベストです。「漫画で読んだシーンだな」と復習しつつ、描ききれなかった細かい心理描写を補完できます。
物語が大きく動き出し、愛華が自分の気持ちと正面から向き合い始める展開を読みたいなら、第4巻以降が非常にアツい展開になっています。
また、Web版(カクヨム)でも物語を読むことは可能ですが、文庫版(HJ文庫)は著者による加筆がかなり多く、ストーリーの構成も整理されているため、物語の質を重視するなら書籍版を手に取ってみてください。
キャラクターたちの魅力再確認!現実主義者のその後
漫画版では描き切れなかったキャラクターたちの魅力についても少し触れておきましょう。
- 佐城渉: 現実主義に目覚めたことで、かえって周りへの気遣いや有能さが際立っていく姿は、後の巻になるほどカッコよさが増していきます。
- 夏川愛華: 「自分を好きでいてくれるのが当たり前」だった状態から、自分から歩み寄らなければならない状況に置かれた彼女の成長は、この作品の核です。
- 佐城楓(姉): 漫画でも強烈なインパクトを残した姉さんですが、彼女の弟に対する本当の想いや、学生会での立ち振る舞いなどは後半になればなるほど深みが出てきます。
これらのキャラクターたちが、漫画版のラスト以降、どのように変化していくのか。それを追いかける楽しみは、まだまだ残されています。
まとめ:夢見る男子は現実主義者の漫画は打ち切り?完結の真相を理解して続きを楽しもう
改めて結論を言うと、漫画版『夢見る男子は現実主義者』は**「打ち切り」というよりは「物語の序盤で、メディアミックスの一環としての役割を終えた完結」**と捉えるのが正解に近いでしょう。
全5巻というボリュームは、一つの作品としては少し短く感じるかもしれません。しかし、あの繊細な作画で愛華たちの姿を拝めたことは、ファンにとって大きな財産です。
もしあなたが「ここで終わるなんて納得できない!」と思っているなら、それはこの作品を愛している証拠です。その熱量のまま、ぜひ原作小説の世界へ飛び込んでみてください。
漫画で描かれたシーンが、小説ではどう表現されているのか。そして、漫画では見られなかった二人の「その先」には、どんな不器用で愛おしい日常が待っているのか。
夢見る男子は現実主義者という作品は、形を変えて今も続いています。漫画版という入り口を通ったあなたが、次にこの物語のどんな扉を開けるのか、とても楽しみですね。
「夢見る男子は現実主義者の漫画は打ち切り?」という不安を解消した今、次なる一歩として原作小説を手に取ってみる。それこそが、最も「現実主義的」で賢い楽しみ方かもしれません。

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