「天鏡のアルデラミン」という作品を思い返したとき、多くのファンの脳裏に浮かぶのは、主人公イクタ・ソロークの不敵な笑みと、あまりにも鮮烈で切ない物語の軌跡ではないでしょうか。
2016年にアニメ化され、その重厚な世界観と知略を尽くした戦術描写で多くのファンを魅了した本作。しかし、放送終了から長い月日が流れた今、ネット上では「天鏡のアルデラミンは打ち切りになったの?」という声が後を絶ちません。
結論からお伝えすると、原作小説は決して打ち切りではなく、著者である宇野朴人先生の手によって最高の形で「完結」を迎えています。
ではなぜ、これほどまでに打ち切りという噂が根強く残っているのでしょうか。そこには、アニメ版の終わり方や原作における「ある衝撃的な事件」、そして現在のメディアミックスを取り巻く複雑な事情が絡み合っています。
今回は、ファンが最も気になっている「打ち切りの真相」から、語り草となっている結末の裏側、そして淡い期待を抱き続けているアニメ2期の可能性まで、徹底的に深掘りしていきます。
なぜ「打ち切り」という噂が流れたのか?その3つの理由
「天鏡のアルデラミン」が打ち切られたと誤解される理由は、主に3つのポイントに集約されます。
まず一つ目は、アニメ版の区切り方です。
2016年に放送されたTVアニメ全13話は、原作小説の第3巻までの内容を描いていました。この3巻という区切りは、物語全体で見ればまだプロローグが終わったばかりのような段階です。主人公たちが軍人としての道を歩み始め、本当の地獄が始まる一歩手前で幕を閉じたため、初見の視聴者には「え、ここで終わり?打ち切りなの?」という印象を与えてしまいました。
二つ目は、コミカライズ(漫画版)の終了です。
月刊コミック電撃大王で連載されていた漫画版は、単行本第7巻で完結しています。しかし、この漫画版も原作のすべてを描き切ったわけではありませんでした。物語の核心に迫る前に連載が終了したことで、「人気がなくて打ち切られた」というイメージが先行してしまったのです。
三つ目は、原作中盤で起きた「ある衝撃的な展開」による読者の動揺です。
詳細については後述しますが、物語の中盤で主要キャラクターが命を落とすという展開があり、これが当時の読者コミュニティに大きな衝撃を与えました。あまりのショックに「こんな展開になるなら読むのをやめる」という離脱者が続出し、その騒がしさが「作品自体の不調」と結びついて語られるようになったのです。
原作小説は全14巻で堂々完結!打ち切り説を払拭する物語の完成度
改めて強調しておきたいのは、原作ライトノベル天鏡のアルデラミンは、2018年に発売された第14巻をもって見事に完結しているという事実です。
著者の宇野朴人先生は、1巻の時点からラストシーンのイメージを持っていたと語っており、外圧による終了ではなく、プロット通りに走り抜けた末のゴールでした。
物語の後半では、帝国を取り巻く国際情勢、科学(サイエンス)と宗教の対立、そして主人公イクタが背負うことになる過酷な運命が、緻密な筆致で描かれています。初期の「知略で勝つ爽快感」から、次第に「守るために何を切り捨てるか」という哲学的な問いへとシフトしていく構成は、ライトノベルの枠を超えた戦記文学としての風格を漂わせていました。
打ち切りどころか、むしろこれほどまでに一貫したテーマを持って、最後まで妥協せずに描き切られた作品は稀有だと言えるでしょう。
衝撃の結末と「ヤトリの死」が読者に与えた影響
「天鏡のアルデラミン」を語る上で避けて通れないのが、最強のパートナーであり、ヒロインであるヤトリシノ・イグセムの死です。
原作第7巻、物語の折り返し地点とも言えるこの場所で、ヤトリはイクタを守るため、そして自らの宿命を全うするために戦死します。この展開は、当時のファンにとって「打ち切り」以上の衝撃でした。多くの読者は、イクタとヤトリが二人三脚で最後まで歩んでいくものだと信じて疑わなかったからです。
しかし、物語を完結まで読み進めると、ヤトリの死は決して無駄な悲劇ではなかったことが理解できます。
彼女の死によって、イクタは「怠け者の賢者」であることを捨て、真の意味で帝国を変えるための「英雄」へと変貌を遂げます。ヤトリの意志を継ぎ、彼女が愛したものを守るために、イクタが泥を啜りながら戦い続ける後半戦こそが、この物語の本質なのです。
ネット上で「ヤトリが死んだから打ち切りみたいなものだ」と極端な意見が出ることもありますが、それは裏を返せば、それほどまでに彼女というキャラクターが愛されていた証拠でもあります。
アニメ2期の可能性は?現状から見る厳しい現実
アニメ放送からかなりの年月が経ちましたが、2期を待ち望む声は今でも消えていません。しかし、客観的なデータから判断すると、2期の制作は極めて困難だと言わざるを得ません。
最大の理由は、アニメ1期の商業的な実績です。
当時のアニメ業界において、続編制作の大きな指標となっていたのはBlu-rayやDVDの売上枚数でした。残念ながら「アルデラミン」の円盤売上は、続編のゴーサインが出る基準とされるラインを大きく下回ってしまいました。
また、現在はFire TV Stickなどの普及により、動画配信プラットフォームでの再生数も重視されるようになっていますが、放送当時はそこまでの追い風を受けられませんでした。
さらに、原作がすでに完結していることも要因の一つです。
多くのアニメ化は「原作小説の販促」という側面を持っています。原作が完結し、ファンの手に渡りきっている現状では、今から多額の予算をかけてアニメを作る商業的メリットが薄い、と判断されてしまうのが厳しい現実です。
もし2期があるとすれば、近年のトレンドである「過去の名作のリブート(再始動)」という枠組みに期待するしかありませんが、それもかなり低い確率と言えるでしょう。
知略と科学が交差する、唯一無二の戦記物としての魅力
それでもなお、この作品が語り継がれるのは、他の戦記物にはない独自の魅力があるからです。
主人公イクタは、魔法のような力を持つ「精霊」が存在する世界において、あえて「科学的思考」を重んじます。
「あらゆる物事には理由がある」
「効率よくサボるために、全力で知恵を絞る」
という彼のスタンスは、現代社会を生きる私たちにも通じる普遍的な知恵に満ちています。
また、敵対する将軍たちも決して「無能な悪役」としては描かれません。彼らには彼らの正義があり、守るべき矜持がある。イクタはその一つひとつを認め、あるいは利用し、残酷な盤面を動かしていきます。
派手なアクションシーンもさることながら、幕間で行われる対話や、戦後の政治交渉といった「静かなる戦い」の描写こそが、この作品の真骨頂です。
アニメを見て興味を持った方は、ぜひKindle Paperwhiteなどの電子書籍リーダーを使って、原作の続きを手に取ってみてください。そこには、アニメだけでは決して味わえない、イクタ・ソロークの真の戦いが待っています。
まとめ:天鏡のアルデラミンは打ち切り?理由や原作の衝撃の結末、アニメ2期の可能性を徹底解説!
ここまでお伝えしてきた通り、「天鏡のアルデラミン」を巡る打ち切りの噂は、アニメの未完結感や原作の衝撃的な展開から生まれた「誤解」に過ぎません。
原作小説は全14巻で完璧なフィナーレを迎えており、読後に得られる感動と喪失感、そして一筋の希望は、他の作品では決して味わえない特別なものです。
- アニメ2期の可能性: 現状では非常に厳しい。
- 原作の状況: 全14巻で完結済み。打ち切りではない。
- 結末について: ヒロインの死という悲劇を乗り越え、イクタが英雄として物語を締めくくる名作。
もしあなたがアニメの続きが気になって夜も眠れないのであれば、迷わず原作第4巻から読み始めることをおすすめします。4巻からは、後に「北域動乱」と呼ばれる激動のエピソードが始まります。そこからラストシーンまで、ページをめくる手が止まらなくなるはずです。
「あらゆる英雄は過労で死ぬ」と嘯いたイクタ・ソロークが、最後にどのような「サボり」に辿り着いたのか。その目で確かめる価値は十分にあります。
この記事が、あなたの疑問を解消し、再びアルデラミンの世界に触れるきっかけになれば幸いです。

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