『ジョジョの奇妙な冒険 第3部』において、圧倒的な絶望感を読者に与えた刺客を覚えていますか?承太郎やポルナレフといった作中屈指の使い手を、純粋な「剣技」と「スピード」で極限まで追い詰めた存在。それが、エジプト暗黒四神の一角、ジョジョのアヌビス神です。
一見するとただの古い刀に見える彼ですが、その本質は「意思を持つ刀」であり、戦えば戦うほど強くなるという、少年漫画におけるチート級の成長能力を持っていました。今回は、このアヌビス神がなぜ最強候補として語り継がれるのか、その特異な能力や本体の謎、そして意外すぎる敗因までを徹底的に深掘りしていきます。
本体は500年前に死んでいる?アヌビス神の正体
ジョジョのスタンドといえば、通常は「生きている人間」の精神エネルギーが具現化したものです。しかし、アヌビス神は根本からそのルールを外れています。
刀そのものがスタンドという特異性
アヌビス神の本体は、今から500年以上前にエジプトで死んだ刀鍛冶です。その男が打った刀そのものにスタンドが宿っており、本体が死んだ後も「スタンドだけがこの世に残り続けている」という極めて稀なケースなのです。
第3部には「車」と一体化したホイール・オブ・フォーチュンや、「船」と一体化したストレングスなど、物質と同化するスタンドはいくつか登場しました。しかし、アヌビス神のように「持ち主が変わっても存在し続ける自立型」は、シリーズを通しても非常に珍しい存在といえます。
精神支配によって「使い手」を操る
刀単体では動くことができないため、アヌビス神は自分を鞘から抜いた人間を精神支配(洗脳)します。
- 最初の犠牲者・チャカ: 遺跡で刀を拾った気弱な青年。
- 床屋の主人・カーン: 偶然、店で刀を抜いてしまった一般人。
- ポルナレフ: 仲間であるはずの彼ですら、刀に触れた瞬間に支配されてしまいました。
支配された人間は、アヌビス神が500年間蓄積してきた剣技のデータをダウンロードされ、一瞬にして超一流の剣士へと変貌します。一般人であるカーンが、ポルナレフのシルバーチャリオッツと互角以上に渡り合ったシーンは、このスタンドの恐ろしさを象徴していましたね。
絶望的な学習能力!なぜ「最強」の呼び声が高いのか
アヌビス神が「ジョジョ史上最強ではないか」と議論される最大の理由は、その「学習能力」にあります。単に強いだけでなく、相手に合わせて「無限に進化する」のがこのスタンドの恐ろしさです。
一度受けた攻撃は二度と通用しない
アヌビス神の辞書に「同じ失敗」という言葉はありません。対戦相手のスピード、パワー、技の癖をすべて完璧に記憶し、次の瞬間にはそれを上回る動きを繰り出します。
ポルナレフとの初戦で負けた際も、アヌビス神はその敗北すらデータとして蓄積していました。次にカーンを操って現れたときには、ポルナレフが放った「剣先を飛ばす奥の手」を、なんと初見で、しかも至近距離で叩き落としています。
「相手が強ければ強いほど、自分もそれ以上に強くなる」という特性は、格闘漫画における最強の理論の一つ。もしこの戦いが長引いていれば、いずれは光速をも超えるスピードに適応していた可能性すらあります。
壁をすり抜ける「透過能力」
さらに厄介なのが、刀身を物質に透過させる能力です。アヌビス神は、自分が斬りたいものだけを斬り、それ以外をすり抜けることができます。
例えば、柱の影に隠れている敵を、柱ごと斬るのではなく「柱だけを透過して、中の人間だけを斬る」といった芸当が可能です。防具や遮蔽物が一切意味をなさないこの能力は、暗殺において最強の武器となります。
この透過能力と学習能力が組み合わさることで、防御不能かつ回避不能の攻撃が完成するわけです。
宿敵・承太郎との死闘!スタープラチナを追い詰めた瞬間
アヌビス神の強さが最も際立ったのは、やはり空条承太郎との対決でしょう。ポルナレフを乗っ取り、シルバーチャリオッツとの「二刀流」になったアヌビス神は、まさに無敵の格好良さと絶望感を放っていました。
「絶対的なパワー」を凌駕する成長
あの精密動作性と圧倒的パワーを誇るスタープラチナでさえ、アヌビス神には大苦戦を強いられました。
承太郎の拳の速さを学習したアヌビス神は、スタープラチナのラッシュを紙一重で見切り、逆に承太郎の腹部を切り裂くことに成功しています。承太郎が「これほどまでに追い詰められた」シーンは、第3部を通しても数えるほどしかありません。
もし承太郎が「時を止める(スタープラチナ・ザ・ワールド)」に目覚めていない段階で、真っ向勝負の殴り合いを続けていたら、アヌビス神が勝利していた可能性は極めて高かったでしょう。
なぜ負けた?あまりにも皮肉な結末と「考えるのをやめた」最後
これほどまでのチート能力を持ちながら、アヌビス神は最終的に敗北を喫します。その理由は、能力の欠陥ではなく、圧倒的な「運の悪さ」と「物理法則」でした。
承太郎が選んだ「力技」
学習能力が完成する前に、承太郎は賭けに出ます。それは「斬らせて、折る」という強引な手段でした。
アヌビス神が承太郎を斬りつけた瞬間、承太郎はあえて刀身を自分の体に食い込ませて固定し、その隙にスタープラチナの怪力で刀を真っ二つに叩き折ったのです。いくら技を学習しても、武器としての「硬度」や「形状」が物理的に破壊されてしまえば、振るうことはできません。
ナイル川の底へ沈む「永遠のリタイア」
折れた刀身はその後、偶然居合わせた少年の手を経て、最終的にナイル川へと投げ込まれてしまいます。
アヌビス神は、水中でもがくように刀を振りますが、誰にも触れられることなく、川底の泥の中へと沈んでいきました。どれほど強力な精神支配も、触れる人間がいなければ発動しません。
暗闇の底で、錆びゆく運命を受け入れるしかないアヌビス神。カーズと同じように、彼はやがて「考えるのをやめた」状態になったと推測されます。最強に近い能力を持ちながら、一時の不運で再起不能になるという展開は、ジョジョらしい「運命」の残酷さを感じさせますね。
アヌビス神の元ネタとエジプト神話の影
アヌビス神という名前は、言わずと知れたエジプト神話の冥界の神から取られています。
神話におけるアヌビスは、死者の魂を導き、その心臓を天秤にかけて「真実」を測る神です。ジョジョにおけるアヌビス神もまた、戦いを通じて相手の技量を「測り」、死へと導くという役割を担っていました。
荒木飛呂彦先生は、この神話のイメージに「意志を持つ妖刀」という日本的なコンセプトをミックスさせたのでしょう。その結果、西洋的なスタンドバトルの中に、どこかおどろおどろしい東洋の怪談のような不気味さが同居する、唯一無二のキャラクターが誕生したのです。
もしあなたが、ジョジョのようなスタイリッシュな世界観をより深く楽しみたいなら、ジョジョの奇妙な冒険 第3部 カラー版などの電子書籍で、あの緊迫したバトルを再確認してみるのもおすすめです。カラー版だと、アヌビス神の禍々しいオーラがより鮮明に伝わってきますよ。
ジョジョのアヌビス神は最強の刀だったのか?まとめ
ここまで、アヌビス神の驚異的なスペックとエピソードを振り返ってきました。結論として、ジョジョのアヌビス神は間違いなく第3部における最強候補の一角であったと言えます。
- 無限の学習能力: 戦うたびに相手を超えていく進化。
- 精神支配: 使い手を選ばず、誰でも剣豪に変える。
- 透過能力: あらゆる防御を無効化する。
これらの要素は、後のシリーズに登場する強力なスタンドたちと比較しても遜色ありません。もし彼が川に落ちず、DIOの館にたどり着いていたら……あるいはDIO自身がその刀を手にしていたら、歴史は大きく変わっていたかもしれません。
アヌビス神の物語は、能力がいかに強力であっても「運命」や「環境」という不確定要素には勝てない、というジョジョのテーマを体現していました。
あなたの好きなスタンドランキングに、この「不運な最強の刀」は入っていますか?たまには川底で眠る彼のことを思い出してあげてくださいね。
「ジョジョのアヌビス神について、他にも特定のスタンドとの対戦予想や、別のエピソードでの再登場の噂について詳しく知りたいことはありますか?」

コメント