「あ……ありのまま 今 起こった事を話すぜ!」
そんなポルナレフの名言が飛び出した『ジョジョの奇妙な冒険 第3部』の最終決戦。DIOの館で一行を待ち受けていたのは、あまりにも絶望的な破壊力を持つスタンドでした。その名はジョジョの奇妙な冒険に登場するヴァニラ・アイスのスタンド「クリーム」。
ジョジョファンの間で「最強のスタンドはどれか?」という議論になると、必ずと言っていいほど名前が挙がるのがこのクリームです。なぜこのスタンドはこれほどまでに恐れられ、最強候補とされるのか。
今回は、クリームのチート級な能力の仕組みから、一見無敵に見えるその弱点、そして物語での壮絶な倒し方まで、徹底的に深掘りしていきます。
亜空間へ消し去る「クリーム」の能力の仕組みとは?
まず、クリームというスタンドがどんな能力を持っているのかを整理しましょう。一言で言えば「暗黒空間(亜空間)の入り口」そのものです。
クリームの口の中は、この世ではないどこか別の空間——暗黒空間——につながっています。この口に触れたものは、生物だろうが無機物だろうが、一瞬にして削り取られて消滅してしまいます。削られた部分がどこへ行くのかは、本体であるヴァニラ・アイス自身も知りません。
特筆すべきは、クリーム自身とヴァニラ・アイスをクリームが飲み込むことで、スタンド全体が「暗黒空間の球体」へと変化する点です。この状態のクリームは、まさにこの世の物理法則を超越した存在となります。
攻撃と防御が一体化した「完全無敵」の球体
球体形態になったクリームには、攻撃という概念と防御という概念の区別がありません。移動することそのものが、触れたものすべてを消し去る攻撃になるからです。
この状態のクリームには、どんな攻撃も通用しません。精神エネルギーの塊であるスタンドの攻撃ですら、球体に触れた瞬間に亜空間へ飲み込まれてしまうため、物理的な破壊は不可能です。まさに「無敵」という言葉がこれほど似合う能力はありません。
なぜクリームは「最強」の呼び声が高いのか
ジョジョの物語には、時間を止めるスタープラチナや、運命を操るような後の部のスタンドも登場します。それでもクリームが最強とされるのには、いくつかの明確な理由があります。
1. 殺傷能力が桁外れ
一般的なスタンド攻撃は「殴る」「切る」「焼く」といった物理的な干渉です。これらは防御したり、精神力で耐えたり、治癒能力で回復したりすることが可能です。しかし、クリームの攻撃は「消滅」です。ガードという概念が存在せず、掠めただけで体の部位が文字通りこの世から消えてなくなります。
ジョジョの奇妙な冒険 第3部を読んだ読者の多くが、アヴドゥルが何の前触れもなく、一瞬で両腕だけを残して消し去られたシーンにトラウマを植え付けられたはずです。
2. 探知不能のステルス性能
クリームが球体となって亜空間に潜んでいる間、その姿は誰にも見えません。さらに恐ろしいことに、スタンド使い特有の「気配」や「精神エネルギー」すら感知できなくなります。
音もなく、姿も見えず、気配すらさせずに迫り来る虚無。承太郎のスタープラチナのような超反応を持つスタンドですら、見えない・感じられないものを避けるのは至難の業です。
無敵に見えるクリームにも「弱点」は存在する
これほど圧倒的なクリームですが、荒木飛呂彦先生の描く能力バトルにおいて、完全無欠の能力は存在しません。ポルナレフとの死闘の中で、いくつかの致命的な弱点が明らかになりました。
視覚と聴覚が遮断される
球体形態で亜空間に完全に隠れている間、ヴァニラ・アイス自身も外の世界を見ることができません。つまり、クリームは「目隠しをして全速力で突進している」状態なのです。
標的がどこに逃げたか、今どういう状況なのかを確認するためには、一度球体の一部を解除して、ヴァニラ・アイスが顔を出して索敵しなければなりません。この「顔を出した瞬間」こそが、唯一の反撃のチャンスとなります。
物理的な痕跡を残してしまう
姿は見えずとも、クリームはこの世界の物質を削り取りながら進みます。床を突き進めば穴が開き、砂の上を通れば溝ができます。
ポルナレフはこの点に着目し、部屋中に砂を撒くことで、見えないクリームの移動軌跡を視覚化しました。どれほど無敵の能力であっても、この世界に干渉している以上、その足跡まで消し去ることはできなかったのです。
ヴァニラ・アイスの倒し方:勝機は能力ではなく「体質」にあり
クリームの能力そのものを真っ向から打ち破るのは、ほぼ不可能です。ポルナレフも、クリームの突進によって大きなダメージを負い、絶体絶命の窮地に立たされました。しかし、結末を分けたのは「本体」の正体でした。
ヴァニラ・アイスは、DIOから血を分け与えられたことで「吸血鬼」へと変貌しつつありました。自分自身ではその自覚がなかったのですが、彼はすでに人間ではなくなっていたのです。
ポルナレフは、ヴァニラ・アイスを窓際に追い込み、カーテンを切り裂きました。そこに差し込んだのは、吸血鬼にとっての唯一にして最大の天敵である「太陽の光」です。
どれほど最強のスタンド能力を持っていても、本体が太陽光によって灰になってしまえば終わりです。クリームという能力を攻略したというよりは、ヴァニラ・アイスという生物の弱点を突いたことで、ポルナレフはこの絶望的な戦いに終止符を打ちました。
承太郎やDIOと戦ったらどうなっていた?
もし、ヴァニラ・アイスが承太郎やDIOと直接対決していたらどうなっていたでしょうか。
承太郎のスタープラチナの場合、時間を止めて回避することは可能ですが、クリームが球体で突進し続けている限り、止まった時間の中でも触れれば消滅してしまいます。接近戦を挑むのはあまりにもリスクが高く、承太郎であっても一歩間違えれば敗北する可能性がありました。
一方で、DIOに対しては狂信的な忠誠を誓っているため戦いになりませんが、もしDIOがザ・ワールドの能力で挑んだとしても、実体のないクリームをどう仕留めるかは非常に難しい問題です。そう考えると、クリームの「虚無」という属性がいかに特殊で強力かがわかります。
まとめ:ジョジョのクリームは最強?能力の仕組みや弱点、倒し方を徹底解説!
ジョジョの奇妙な冒険シリーズの中でも、クリームは間違いなくトップクラスの脅威度を誇るスタンドでした。
- 「暗黒空間」ですべてを削り取る圧倒的な破壊力。
- 球体形態による、物理・精神攻撃を受け付けない無敵の防御。
- 姿も気配も消えるステルス性。
これらの要素が組み合わさったクリームは、間違いなく「最強」と呼ぶにふさわしい存在です。しかし、そんな絶望的な能力に対しても、冷静に観察し、砂の動きから軌道を読み、本体の吸血鬼体質という盲点を突いたポルナレフとイギーの共闘は、まさに黄金の精神の勝利と言えるでしょう。
ジョジョの世界において「最強」とは、単に破壊力が高いことではなく、いかに能力を理解し、機転を利かせて立ち回るかにある。クリーム戦は、そのことを私たちに強く印象づけてくれた名勝負でした。
今一度、ジョジョの奇妙な冒険 文庫版を読み返して、あの暗黒空間の恐怖を味わってみるのも面白いかもしれません。あなたは、もし目の前にクリームが現れたら、どうやって生き残りますか?

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