「あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!」という有名な台詞がありますが、ジョジョの奇妙な冒険 第5部『黄金の風』のラスボス、ディアボロのスタンド「キング・クリムゾン」ほど、この台詞が似合う能力はありません。
初めて漫画を読んだ時やアニメを見た時、「結局どういうこと?」「なんでブチャラティは負けたの?」と頭を抱えた人も多いはず。その能力の難解さは、ジョジョ史上でもトップクラスです。
今回は、そんなキング・クリムゾンの「時を消し去る」という謎めいた能力の正体から、補助能力「エピタフ」との関係、そしてなぜ彼が「最強」と恐れられたのかを、初心者の方でもわかるように噛み砕いてお伝えします。
最強の絶望「キング・クリムゾン」の基本スペック
まずは、キング・クリムゾンがどれほど「暴力的な強さ」を持っているかをおさらいしましょう。
このスタンドの見た目は、全身が禍々しい赤色に包まれ、額にはもう一つの小さな顔があるという、一度見たら忘れられないデザイン。格闘能力自体も凄まじく、破壊力・スピード共にAランク。劇中では、強固な意志を持つ護衛チームの面々を、文字通り「一撃」で再起不能にする圧倒的なパワーを見せつけました。
射程距離は2メートル程度と短いですが、彼が持つ特殊能力の影響範囲は全世界に及びます。つまり、ディアボロが能力を発動すれば、地球の裏側にいる人も、宇宙にいる生き物も、全員が「消された時間」の影響を受けることになるんです。
このスタンドを理解する上で欠かせないのが、以下の二つの能力の組み合わせです。
- キング・クリムゾン本体: 「この世の時間を消し去る」主能力。
- エピタフ(墓碑銘): 額にある小さな顔が司る「十数秒先の未来を予知する」補助能力。
これらが合わさることで、ディアボロは実質的に「無敵」の存在となっていました。
「時を消し去る」とはどういう現象なのか?
多くの人が混乱する「時を消し去る」という表現。これを理解するコツは、「ビデオテープの編集」をイメージすることです。
例えば、あなたが道を歩いていて、目の前に水たまりがあったとします。
- 水たまりを見つける(原因)
- 水たまりを避けて通る(過程)
- 水たまりを通り過ぎた場所に立つ(結果)
通常はこの1→2→3の順番で時間が進みますよね。しかし、キング・クリムゾンが能力を発動すると、この「2」の過程がこの世から消滅します。
周囲の人間からすれば、「さっきまで水たまりの前にいたはずなのに、気づいたら通り過ぎていた」という感覚になります。「歩いた」という意識も記憶も残りません。残るのは「通り過ぎた」という「結果」だけ。これが「時を消し去る」の本質です。
消された時間の中でディアボロは何をしているのか
時間が消されている間、この世の全ての人間や物体は、あらかじめ決まっていた運命に従って動き続けます。ただし、その間の記憶はありません。
その中で唯一、自由自在に動けるのがディアボロです。彼は消し去った時間の中で、他人の動きを「予知の残像」として見ることができます。
さらに重要なルールがあります。消去された時間の中では、ディアボロは「この世の物理法則」から解き放たれます。
例えば、敵がディアボロに向かって拳を振り下ろしたとしても、その瞬間を消去すれば、拳はディアボロの体をすり抜けて空を切ります。彼がこの時間の中で無敵なのは、誰にも干渉されず、誰にも触れられない「異次元の観測者」になっているからなのです。
未来予知「エピタフ」がもたらす絶対的な優位
キング・クリムゾンの強さを支えている真の主役は、実は額の「エピタフ」かもしれません。
エピタフが見せる未来予知は、的中率100%の「確定した運命」です。ディアボロは自分の前髪の裏側に投影される映像を見ることで、十数秒先に何が起こるかを完全に把握します。
通常、ジョジョの世界では「運命」は変えられない過酷なものとして描かれますが、ディアボロだけは別です。彼はエピタフで「自分にとって都合の悪い未来」を見た瞬間、キング・クリムゾンを発動してその時間を「消去」してしまいます。
例えば、「敵の弾丸が自分の心臓を貫く」という未来を見たとしても、その数秒間を消してしまえば、弾丸はディアボロを通り抜け、彼は無傷で生き残ります。
「未来を知り、嫌なシーンだけをカットして、自分だけが良い位置に移動する」。
このチート級のコンボこそが、キング・クリムゾンを最強たらしめている理由です。
なぜディアボロは「消された時間」で攻撃しないのか
読者の間でよく議論されるのが、「時間を消している間に攻撃すれば最強じゃないか?」という疑問です。
実は、キング・クリムゾンのルールとして「消去された時間の中では、ディアボロも他者に直接干渉できない」という制限があります。もしこの時間内に攻撃ができるなら、文字通り誰も彼に勝てなくなってしまいますからね。
そのため、ディアボロの基本的な戦術はこうなります。
- エピタフで敵の動きを予知する。
- 時間を消し、自分だけが敵の死角(真後ろなど)に回り込む。
- 時間が動き出した瞬間に、渾身の力で一撃を叩き込む。
消去が終わった瞬間、敵は自分がいつ背後を取られたのかも分からず、無防備な状態で致命傷を負うことになります。ポルナレフやブチャラティといった歴戦の戦士たちが敗北したのは、この「反応すら許されない不意打ち」を防ぐ術がなかったからです。
唯一の弱点?ポルナレフが見出した対抗策
あまりに完璧に見えるキング・クリムゾンですが、第3部の生き残りであるジャン=ピエール・ポルナレフは、命懸けの戦いの中で一つの対抗策を見出しました。
それは「血の滴り」を利用した探知法です。
自分の指を切り、血を地面に垂らし続けます。通常なら「ポタ、ポタ」と一定のリズムで血が落ちますが、ディアボロが時間を飛ばすと、その間の血の滴りが一気に増えたり、位置が飛んだりします。
この「違和感」を察知した瞬間に、自分の周囲に広範囲の攻撃を繰り出す。これが、視覚も記憶も通用しないディアボロに対抗するための、唯一といっていい物理的な攻略法でした。
また、ディアボロ自身の精神的な脆さも弱点と言えるかもしれません。彼は自分の正体を隠すことに異常な執着を持っており、不測の事態が起きると激しく動揺する傾向があります。最強の能力を持ちながら、常に何かに怯えているような危うさが彼の魅力でもあります。
最終決戦!ゴールド・エクスペリエンス・レクイエムとの違い
物語のクライマックス、ジョルノ・ジョバァーナが手に入れた「ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム(GER)」は、キング・クリムゾンの完全な天敵でした。
キング・クリムゾンが「過程を消して結果に到達する」能力なのに対し、GERは「動作や意志の力を全てゼロに戻す」能力。つまり、「結果にさえ到達させない」という能力です。
ディアボロがどれだけ時間を消して有利な未来へ進もうとしても、その「意志」そのものが無効化され、元の地点に戻されてしまう。最強の矛と最強の盾のような関係ですが、概念的な強さでGERが上回った形となりました。
ディアボロが最後に陥った「終わりのない終わり」は、過程を大切にせず、結果だけを盗み取ろうとした彼に対する、運命からの最大の皮肉だったのかもしれません。
まとめ:キング・クリムゾンの能力は?ジョジョ5部最強スタンドを徹底解説!
キング・クリムゾンの能力を改めて整理すると、「未来を予知し、自分に不都合な過程を消し飛ばし、絶頂の結果だけを享受する」という、まさに帝王にふさわしい力でした。
『ジョジョの奇妙な冒険』を読み返すと、この能力の描写が非常に細かく、そして絶望的に描かれていることに気づかされます。ディアボロの圧倒的なカリスマ性と、それを打ち破ろうとするジョルノたちの「黄金の精神」のぶつかり合いは、今見ても全く色褪せません。
もしこの記事を読んで、改めて5部の熱いバトルを体験したくなった方は、ぜひコミックスやアニメをチェックしてみてください。
ジョジョの世界観をより深く楽しむために、フィギュアや関連グッズを手元に置いておくのもおすすめです。例えば、メディコス・エンタテインメントから発売されている超像可動シリーズの ジョジョの奇妙な冒険 キング・クリムゾン フィギュア は、額のエピタフまで精密に再現されており、ファンなら思わずニヤリとしてしまうクオリティですよ。
「時は再び刻み始める!」
あなたの日常も、キング・クリムゾンのように悪いことだけを消し飛ばして、良い結果だけが残る素晴らしいものになりますように。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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