『ジョジョの奇妙な冒険』という長く壮大な物語の中で、皆さんの心に最も強く残っている女性キャラクターは誰でしょうか?最新のスタンド使いも魅力的ですが、シリーズの原点にして「最強の精神」を持つ女性といえば、やはりエリナ・ジョースター――通称「エリナおばあちゃん」を外すことはできません。
第1部『ファントムブラッド』では可憐な少女として、第2部『戦闘潮流』では威厳に満ちた老婦人として登場する彼女。その激動の生涯を振り返ると、ジョースター一族がなぜ代々「黄金の精神」を持ち続けられたのか、その答えが見えてきます。
今回は、聖女と謳われた彼女が、いかにして厳格かつ慈愛に満ちた祖母へと成長したのか、その軌跡を徹底的に紐解いていきましょう。
泥水で口を洗う誇り高き少女時代
エリナの物語は、イギリスの平穏な田舎町から始まります。若き日のジョナサン・ジョースター(ジョジョ)と出会い、淡い恋心を育んでいた彼女ですが、その平穏を打ち破ったのがディオ・ブランドーでした。
ディオはジョナサンを精神的に追い詰めるため、エリナのファーストキスを強引に奪います。普通の少女なら泣き寝入りするか、恐怖に震える場面でしょう。しかし、エリナは違いました。彼女は震える手で近くの泥水をすくい、自分の口を洗ったのです。
この行動は、単なる「嫌悪感」の表れではありません。「あなたの汚れた唇など、泥水のほうがまだマシだ」という、ディオに対する強烈な拒絶と宣戦布告でした。この「泥水の洗礼」こそが、彼女の本質にある「折れない心」を象徴しています。
ジョナサンとの死別と新婚旅行の悲劇
ジョナサンとディオの死闘を経て、二人はようやく結ばれます。しかし、幸せな新婚旅行の客船は、生き延びていたディオの襲撃によって地獄へと変貌しました。
最愛の夫ジョナサンが、宿敵ディオの首を抱きかかえながら息を引き取る。その絶望的な状況下で、エリナはジョナサンから「ある使命」を託されます。それは、親を亡くした赤ん坊(後のリサリサ)を連れて生き延びることでした。
爆発する船から棺桶シェルターで脱出した彼女は、ジョナサンの最期を看取った唯一の証人となりました。彼女の体にはジョナサンの新しい命(後のジョージ・ジョースターII世)が宿っており、ここから「ジョースター家の守護者」としての彼女の戦いが始まったのです。
第2部で魅せた「エリナおばあちゃん」の威厳
第1部から約50年の歳月が流れ、物語の舞台は1930年代のニューヨークへと移ります。そこで再登場した彼女は、腰の曲がった老婦人……などではなく、背筋をピンと伸ばした気品あふれる「エリナおばあちゃん」でした。
彼女は女手一つで息子を育て、その息子を亡くした後は、孫であるジョセフ・ジョースターを厳格に教育しました。あの自由奔放で怖いもの知らずのジョセフが、唯一「おばあちゃん」に対してだけは、どんなに理不尽な叱責を受けても素直に従う。これは彼女が長年かけて築き上げた教育と、深い愛情の賜物です。
差別を許さない!レストランでの「許可」
エリナおばあちゃんの格好良さが爆発した名シーンといえば、ニューヨークのレストランでの出来事です。当時、まだ根深く残っていた人種差別。ジョセフの友人である黒人少年スモーキーを侮辱した客に対し、彼女は一切怯むことなくこう言い放ちました。
「ジョセフ、許可します!あのような手合いは、あなたが徹底的にやりなさい!」
普段は「淑女であれ」と説く彼女が、人間の尊厳が汚された瞬間にだけは「暴力による正義」を容認する。この一貫した倫理観こそが、彼女がただの優しい老婆ではないことを物語っています。彼女にとっての誇りとは、血筋や家柄ではなく、魂の気高さにあるのです。
スピードワゴンとの友情と「孤独」な戦い
エリナの後半生を語る上で欠かせないのが、ロバート・E・O・スピードワゴンとの絆です。第1部で共に戦った仲間である彼は、生涯独身を貫き、ジョースター財団を設立してエリナとジョセフを支え続けました。
二人の関係は「恋愛」を超越した「戦友」に近いものでした。ジョナサンという共通の光を失った二人が、その遺志を継ぐために手を取り合う。エリナは何度も大切な人を失う孤独を味わいながらも、スピードワゴンという理解者がいたからこそ、厳格な家長として振る舞い続けることができたのかもしれません。
もしあなたが、そんな彼女の歴史を改めて映像で確認したいなら、高画質な視聴環境を整えるのがおすすめです。Fire TV Stick 4Kなどを使って、大画面で第1部・第2部の名シーンを見返すと、彼女の表情の変化に新しい発見があるはずです。
聖女が見せた「母」としての葛藤
エリナは完璧な女性に見えますが、その内面には深い葛藤もありました。息子であるジョージII世がゾンビの手によって殺された際、彼女はその事実を孫のジョセフに隠し通そうとしました。
それは、ジョセフを凄惨な戦いの運命から遠ざけたいという、一人の祖母としての切実な願いだったのでしょう。しかし、運命は過酷です。結局、ジョセフもまた「波紋」の才能を持ち、柱の男たちとの戦いに身を投じることになります。
彼女が常に厳格だったのは、いつかジョセフが過酷な運命に直面したとき、それに耐えうる精神力を身につけさせるための「愛のムチ」だったと言えるでしょう。
ジョジョの物語を支えたエリナの最期
第2部の激闘が終わり、世界に平和が戻った後、エリナ・ジョースターは1950年にその生涯を閉じます。81歳という、当時としては大往生でした。
彼女の最期は、多くの愛する人たちに囲まれた、安らかなものでした。ディオという邪悪に翻弄され、最愛の夫を若くして失い、戦火の中で子供を抱えて逃げ延びた……。そんな波乱万丈な人生を送った彼女が、最後に手に入れたのは「平穏」でした。
彼女の死後も、その精神は空条承太郎、東方仗助、そしてジョリーンの世代まで、目に見えないバトンとして受け継がれていくことになります。
日常の中の「ジョースター家」を感じるために
エリナのような気品ある生活に憧れるなら、まずは身の回りの持ち物からこだわってみるのも良いかもしれません。彼女が愛用していたようなクラシックな雰囲気の小物を探すなら、ティーカップ セットなどで、午後のティータイムを彩るのも素敵な時間の過ごし方です。彼女がジョセフに教えた「淑女・紳士の嗜み」を、現代の生活に取り入れてみるのも一興ですね。
また、彼女の活躍を原作漫画でじっくり読み返したい方は、ジョジョの奇妙な冒険 文庫版 全巻セットを手元に置いておくと、いつでも彼女の「黄金の精神」に触れることができます。
【ジョジョ】エリナおばあちゃんの魅力とは?聖女から厳格な祖母への軌跡を徹底解説!:まとめ
ここまで、エリナ・ジョースターの生涯と、その圧倒的な魅力について語ってきました。彼女は単なる「主人公の妻」や「主人公の祖母」という脇役ではありません。
彼女こそが、ジョースター家の血脈に「誇り」という魂を吹き込み、絶望の中でも前を向く強さを教えた、物語の真の柱です。ディオという悪の化身が最も恐れたのは、ジョナサンの肉体的な強さ以上に、エリナが体現したような「決して折れない人間の精神」だったのかもしれません。
可憐な少女が、泥水をすすってでも守り抜いたプライド。それが時を経て、世界を救う英雄の背中を押し続けた。そう考えると、エリナおばあちゃんこそがシリーズ最強のキャラクターだと思えてきませんか?
次にジョジョを読み返すときは、ぜひ彼女の言葉ひとつひとつに注目してみてください。そこには、現代を生きる私たちにも通じる、強くしなやかに生きるヒントが隠されているはずです。

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