『ジョジョの奇妙な冒険 第3部』において、圧倒的な存在感を放つ老婆、エンヤ婆。
彼女は単なる「敵の一人」ではありません。ジョジョという物語全体を俯瞰したとき、彼女こそが「スタンド使い量産」の引き金を引いた、全シリーズを通しても最重要人物の一人と言える存在です。
今回は、そんなエンヤ婆(エンヤ・ガイル)の底知れない魅力と、恐るべきスタンド能力、そしてDIOとの歪んだ絆について、深掘りして解説していきます。
エンヤ婆とは何者か?両手が右手の怪老女
エンヤ婆の本名はエンヤ・ガイル。第3部「スターダストクルセイダース」で、DIOの側近中の側近として登場します。
まず目を引くのが、その異様な風貌です。非常に小柄で、顔中シワだらけの老婆。しかし、彼女には決定的な身体的特徴があります。それは、**「両手が右手である」**ということ。
この特徴は、彼女の実の息子であるJ・ガイル(ハングドマンのスタンド使い)とも共通しています。ジョジョの世界において、この「両手が右手」という造形は、人間離れした邪悪さや不気味さを象徴する記号として機能しています。
彼女はDIOに対して、単なる主従関係を超えた「狂信的な崇拝」を抱いています。DIOのカリスマ性に心酔し、彼を「救世主」と崇める彼女は、DIOに代わって刺客たちに指示を出し、ジョースター一行を抹殺しようと画策する「参謀」の役割を担っていました。
恐るべきスタンド「ジャスティス(正義)」の正体
エンヤ婆が操るスタンド、その名は「ジャスティス(正義)」。タロットカードの11番目のカードを暗示するこのスタンドは、第3部の中でもトップクラスに攻略が困難な能力でした。
物理攻撃を無効化する「霧」の体
ジャスティスの本体は「霧」です。実体がないため、承太郎のスタープラチナが拳で殴ろうが、ポルナレフのシルバーチャリオッツが剣で突こうが、一切のダメージを与えることができません。
霧として広範囲に広がることで、街一つを丸ごと包み込み、死者を操って「活気ある街」に見せかける幻覚を見せることも可能です。
傷口から侵入する「パペット(操り人形)」能力
このスタンドの真に恐ろしい点は、相手に「わずかな傷」でもあれば、そこから霧が侵入して肉体を支配するという点です。
- 霧が傷口を通って神経や筋肉に入り込む。
- 穴が開いた部位を糸のように操り、相手を自在に動かす。
- 生きている人間だけでなく、大量の死体をゾンビのように操る。
作中では、ポルナレフの舌に小さな穴を開け、彼に無理やり便器を舐めさせようとする凄惨なシーンがありました。相手の尊厳すらも蹂知する、非常に悪趣味で強力な能力です。
息子J・ガイルへの愛と復讐の執念
エンヤ婆を語る上で欠かせないのが、息子J・ガイルへの屈折した愛情です。
ポルナレフの妹の仇であるJ・ガイルは、承太郎一行の手によって討たれました。その報せを聞いたエンヤ婆の変貌ぶりは凄まじいものでした。それまでの冷静な参謀としての仮面を脱ぎ捨て、顔を歪ませて咆哮する姿は、母親としての情念と、悪役としての狂気が入り混じった名シーンです。
彼女は復讐のために自らパキスタンへと向かい、霧の中に偽りの街を作り出しました。そこで一行を待ち構え、ポルナレフを孤立させて追い詰める執念は、まさに「復讐の鬼」そのものでした。
DIOとの関係と「スタンドの矢」の起源
物語の後半から第4部、第5部にかけて明かされる事実ですが、エンヤ婆はジョジョの歴史における「影の主役」でもあります。
実は、彼女こそが**「スタンドを強制的に発現させる矢」**を世に広めた人物なのです。
若き日のディアボロが発掘した6本の矢のうち、5本を買い取ったのがエンヤ婆でした。彼女はその矢を使い、DIOにスタンド能力を与え、さらにDIOの周辺に強力なスタンド使いを集めました。
DIOにとって彼女は、能力の秘密を教え、自身の野望を支える「教師」のような存在でもあったはずです。しかし、そんな深い関わりがあったにもかかわらず、最期はDIOが植え付けた「肉の芽」によって処刑されるという皮肉な結末を迎えます。
それでもなお、「DIO様は私を信じている」と言い残して息を引き取る姿は、彼女の信仰心がいかに純粋で、かつ異常であったかを物語っています。
ジョジョのエンヤ婆を徹底解説!スタンド能力やDIOとの関係、名シーンも紹介のまとめ
エンヤ婆というキャラクターを振り返ると、彼女が物語に与えた影響の大きさに驚かされます。
「ジャスティス」という無敵に近いスタンド能力、息子への愛ゆえの狂気、そしてDIOへの狂信。彼女がもたらした「矢」の存在がなければ、その後の第4部や第5部の物語は始まらなかったと言っても過言ではありません。
ジョジョの世界をより深く楽しむために、ぜひコミックスやアニメで彼女の活躍を再確認してみてください。特に、霧に包まれた街でのポルナレフとの攻防は、何度見てもゾッとするような緊張感に満ちています。
もし、ジョジョの物語をもっと詳しく知りたくなったら、ジョジョの奇妙な冒険 第3部を読み返して、彼女の最期を見届けてみてください。その邪悪ながらも一本筋の通った生き様に、不思議な魅力を感じるはずです。
次は、彼女が育てた他の刺客たちについても調べてみると、さらにジョジョの世界が広がりますよ!

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