『ジョジョの奇妙な冒険 第3部』において、圧倒的な存在感を放つ「愛すべきおバカキャラ」といえば誰を思い浮かべますか?
承太郎たちジョースター一行を抹殺するためにDIOが放った刺客「エジプト九栄神」。その先陣を切って登場したのが、オインゴとボインゴの兄弟です。
最強の主人公チームを相手に、一度も正面から戦うことなく、自分たちの仕掛けた罠で自滅していく……。そんなシュールすぎる展開に、当時の読者は度肝を抜かれました。
なぜ、彼らはこれほどまでにファンの心に刻まれているのか。今回は、兄・オインゴのスタンド能力や、語り草となっている爆笑のエピソード、そしてアニメ版で伝説となった「あの歌」まで、その魅力を余すことなくお届けします。
そもそも「ジョジョのオインゴ」とはどんなキャラクター?
オインゴは、エジプト九栄神の暗示を持つスタンド使いの兄です。小柄で内気な弟・ボインゴを常に気遣い、弟の持つ「予言」を信じて行動する、実はかなりの「弟想い」なキャラクターとして描かれています。
見た目は大柄で、いかにも悪役といった風貌ですが、その中身は驚くほど小心者。DIOの刺客として送り込まれたものの、彼らの行動原理は「世界征服」や「忠誠」というより、どこか「日常の延長線上にある悪だくみ」のような緩さがあります。
ジョジョの世界では、命のやり取りをする緊迫したバトルが醍醐味ですが、オインゴが登場する回だけは別物。まるでコメディ映画を見ているような感覚に陥るのが、彼らの最大の特徴です。
完璧な変装?クヌム神のスタンド能力と意外な弱点
オインゴが操るスタンドは「クヌム神」です。この能力を一言で表すなら「究極の変身術」と言えるでしょう。
- 自分の肉体、顔、声、さらには匂いまで自由自在に変えることができる。
- 身長や体重もコントロール可能で、ターゲットの親しい人物になりすますのに最適。
- 鏡を見ることなく、イメージだけで一瞬にして変身が完了する。
これだけ聞くと、暗殺者としては最強クラスの能力に思えますよね。実際、承太郎に変身した際は、ジョセフやポルナレフといった長年旅を共にしてきた仲間たちですら、見た目だけで見破ることはできませんでした。
しかし、このクヌム神には致命的な弱点がいくつか存在します。
まず、変えられるのはあくまで「肉体」のみであること。服までは変身の対象に含まれないため、変装する相手の着替えを事前に用意しておく必要があります。
そして何より最大の弱点は、スタンド自体に「直接的な攻撃力」が全くないことです。力でねじ伏せることができないため、オインゴは常に毒や爆弾といった「道具」に頼らざるを得ません。この「能力は高いのに、本人の使い道がセコい」というギャップが、オインゴというキャラクターの愛らしさを引き立てているのです。
伝説の爆笑回!承太郎への変身と「オレンジ爆弾」の悲劇
オインゴを語る上で絶対に外せないのが、承太郎一行を暗殺しようと企てた「オレンジ爆弾」のエピソードです。
弟・ボインゴのスタンド「トト神」の予言によれば、「承太郎の顔が爆発して真っ二つになる」という未来が確定していました。これを見たオインゴは、オレンジの形をした精巧な爆弾を用意し、承太郎が食べるのを待ち構えます。
ところが、運命の悪戯(というかポルナレフの気まぐれ)によって、オインゴは承太郎に変身したまま、ポルナレフたちと一緒に車に乗る羽目になってしまいます。
ここからの展開は、まさに神がかったギャグの連続です。
- ポルナレフに「承太郎ならいつもの特技を見せてくれよ」と無茶振りをされる。
- タバコを5本同時に口に入れ、火を消さずにジュースを飲むという奇芸を披露。
- さらに「オレンジの早食い」を急かされ、自分が仕掛けた爆弾オレンジを口に入れそうになる。
冷や汗を流しながら、必死に「承太郎っぽさ」を演じるオインゴの姿は、もはや応援したくなるほどの必死さ。最終的に、車から逃げ出したオインゴは、茂みに投げ捨てられた爆弾オレンジを自分で踏んでしまい、予言通り「自分の顔が真っ二つ」になってリタイアしました。
承太郎たちは、最後まで自分たちが狙われていたことすら気づかず、オインゴ一人が勝手に自滅して終わる。この徹底した「噛み合わなさ」こそが、ジョジョ史上最高のギャグ回と呼ばれる所以です。
アニメで大化け!「オインゴ・ボインゴ・ブラザーズ」の衝撃
原作ファンからも愛されていた兄弟ですが、その人気を不動のものにしたのがアニメ版の演出です。
第27話のエンディングで突如流れた楽曲「アク役◇協奏曲」。通称「オインゴ・ボインゴの歌」は、視聴者の度肝を抜きました。
普段のスタイリッシュなEDとは打って変わり、ボインゴの漫画風のタッチで描かれたキャラクターがコミカルに踊り狂う映像。そして、一度聴いたら耳から離れない中毒性の高いメロディ。
「信じていいのか?」「信じろよ!」「予言は絶対100パーセント!」という兄弟の掛け合いは、彼らのキャラクター性を完璧に表現していました。この特殊EDのおかげで、オインゴは単なる「序盤の敵」から、ジョジョを象徴する「愛すべきネタキャラ」へと昇格したのです。
ジョジョのグッズを集めるなら、こうしたユニークなキャラクターのフィギュアも魅力的ですよね。ジョジョ フィギュアなどで探してみると、意外なレアアイテムが見つかるかもしれません。
運命に抗えない?トト神の予言と兄弟の絆
オインゴがこれほどまでに滑稽でありながら、どこか悲哀を感じさせるのは、彼らが「運命」という巨大な力に翻弄されているからでもあります。
弟のボインゴが持つ「トト神」の予言は、100%当たります。しかし、その予言が「誰の身に起こるか」までは、必ずしも明確ではありません。「承太郎の顔が割れる」という予言は当たりましたが、割れたのは承太郎に変装したオインゴの顔でした。
これは、ジョジョの物語全体を通したテーマである「運命」への皮肉のようにも読み取れます。どんなに強力な予言があっても、それを使う人間の解釈や行動次第で、結果は残酷なものに変わってしまう。
それでも、オインゴは最後まで弟を責めることはありませんでした。入院中も弟を励まし、二人で再起を誓う姿には、悪党ながらも美しい「兄弟の絆」が感じられます。
もし、あなたがこのエピソードをじっくり読み返したいなら、ジョジョ 3部 コミックを手に取ってみてください。アニメとはまた違った、荒木飛呂彦先生独特のコマ割りと迫力が楽しめます。
ジョジョの奇妙な冒険を支える「脇役の深み」
ジョジョが長く愛される理由は、承太郎やDIOといったメインキャラクターの格好良さだけではありません。オインゴのような、一見すると物語の本筋には関係なさそうな「脇役」たちの人生が、驚くほど丁寧に、そしてユーモラスに描かれているからです。
彼らはただの「倒されるための敵」ではなく、それぞれに生活があり、性格があり、守りたいものがある。オインゴにとっては、それが弟のボインゴだったわけです。
読者はオインゴの失敗を笑いながらも、どこかで「自分もあんな風に、良かれと思ってやったことが裏目に出ることがあるな」と共感してしまうのかもしれません。
ジョジョのオインゴボインゴ兄弟が愛される理由は?能力や名言、爆笑回を徹底解説!のまとめ
いかがでしたでしょうか。
オインゴは、スタンド能力「クヌム神」を駆使して完璧な変装をこなしながらも、運命と自らのドジによって自滅した、ジョジョ史上最も愛すべき敗北者です。
- 能力: 匂いや声まで変えられる究極の変身術(ただし服は自前)。
- 爆笑ポイント: 承太郎になりすまし、ポルナレフの無茶振りに応え続ける必死な姿。
- 名言・名シーン: 自分が仕掛けたオレンジ爆弾で予言通り自爆する完璧なオチ。
- 人気の理由: 弟想いな性格と、アニメ版の伝説的なエンディング曲の中毒性。
彼らの登場回を観れば、ジョジョという作品が持つ「シリアスとギャグの絶妙なバランス」を存分に味わうことができます。最強のスタンド使いが揃う3部の中で、あえて「戦わない」という選択肢を見せたオインゴ。
もし、まだアニメや原作で彼らの活躍(?)を見ていないなら、ぜひチェックしてみてください。きっとあなたも、この不器用な兄弟の虜になるはずです。
ジョジョの世界をもっと深く知りたい方は、ジョジョ 画集などで、その独特な色彩感覚やデザインの源泉に触れてみるのもおすすめですよ。
次は誰が、あなたの心を「再起不能(リタイア)」にさせるでしょうか?ジョジョの奇妙な冒険の世界は、まだまだ奥が深そうです。

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