『ジョジョの奇妙な冒険』を読んでいると、画面から音が飛び出してくるような感覚に陥ったことはありませんか?
普通の漫画なら「ドスン」や「バキッ」で済ませるところを、荒木飛呂彦先生は「ズキュウウウン」や「メメタァ」といった、耳慣れない、けれど「それしかない!」と思わせる完璧な響きで表現します。この独特の感性は、ファンの間で「ジョジョ語」とも呼ばれ、作品の血肉となっている重要な要素です。
今回は、数ある擬音の中でも特に印象的なものをピックアップし、その意味や由来、そしてなぜ私たちがこれほどまでにジョジョのオノマトペに惹かれるのか、その魅力を徹底的に深掘りしていきます。
感情や空気を支配する「ジョジョ立ち」ならぬ「ジョジョ音」の正体
ジョジョの擬音は、単なる物理的な音の説明ではありません。その場の空気感や、キャラクターの心理状態を視覚化する「グラフィックデザイン」としての側面が非常に強いのが特徴です。
空間を震わせる「ゴゴゴ」と「ドドド」
ジョジョを象徴する擬音といえば、まずはこれでしょう。重低音が響くようなこの音は、主に「不穏な気配」や「強敵の登場」、あるいは「スタンド能力の発現」の際に使われます。
面白いのは、この文字自体が背景の一部として描かれている点です。キャラクターの背後にそびえ立つように配置された「ゴゴゴ」は、物理的な音というよりも、その人物が放つ「殺気」や「威圧感」そのものを表しています。読者は文字を目で追うと同時に、無意識のうちにプレッシャーを感じ取っているのです。
衝撃を強調する「バァーン」
物語の転換点や、衝撃的な事実が発覚したシーンで多用されます。これも単なる爆発音ではなく、読者の心に突き刺さる「精神的な衝撃」をブーストさせる役割を持っています。ページをめくった瞬間に目に飛び込んでくる「バァーン」の文字は、まるで映画のカット割りのような鋭さを持っています。
伝説の擬音「メメタァ」と「ズキュウウウン」の衝撃
初期シリーズから現在に至るまで、ファンの語り草となっている伝説的な擬音たちが存在します。これらはどのようにして生まれたのでしょうか。
カエルの悲鳴?波紋の音?「メメタァ」の真実
第1部でウィル・A・ツェペリ男爵が、カエルの座っている岩を波紋で砕いた際に出た音が「メメタァ」です。
カエルを直接攻撃せず、その下の岩だけを粉砕する波紋の力を表現するのに、なぜこの音だったのか。荒木先生は後にインタビューなどで、「カエルを殴るなら『グシャッ』ではなく、あの感触なら『メメタァ』だろう」という直感があったと語っています。柔らかい生物と硬い岩、そしてその間を抜けるエネルギーの融合が、この奇跡的な響きを生んだのです。
略奪の響き「ズキュウウウン」
ディオがジョナサンの恋人・エリナの唇を強引に奪ったシーンの擬音です。通常のキスシーンであれば「チュッ」や「ハッ」などが使われるところですが、ディオの暴力的な支配欲と、エリナの受ける精神的な貫通ダメージを表現するために、まるでレーザービームが突き刺さるような「ズキュウウウン」という音が採用されました。この一音だけで、ディオがただ者ではない悪役であることが読者に刻み込まれました。
荒木飛呂彦先生のルーツが作る「音の造形美」
なぜこれほどまでに独特な擬音が生まれるのか。その背景には、荒木先生が愛する音楽や映画のカルチャーが深く関わっています。
ヘヴィメタルとホラー映画の影響
荒木先生は大の音楽好きとして知られています。特にヘヴィメタルの重厚なベース音や、プログレッシブ・ロックの予測不能なリズム展開は、擬音のレタリング(文字のデザイン)に大きな影響を与えています。
また、イタリア映画やホラー映画における「音響効果(SE)」へのこだわりも特筆すべき点です。サスペンス映画でナイフが光る瞬間の鋭い音、静寂の中で響く足音。これらを漫画という無音のメディアで再現するために、標準的な日本語にはない濁点や小文字の組み合わせ(例:「パパウ パウパウ」など)を駆使して、読者の脳内に直接音を響かせているのです。
擬音を「描く」という執念
ジョジョの擬音をよく見ると、描き込みが非常に細かいことに気づきます。文字の端がかすれていたり、震えていたり、時には血が滴っているような質感だったりします。これは「音を書く」のではなく「音を描いている」証拠です。
例えば、ディオの咆哮である「WRYYYYY」は、人間を超越した吸血鬼の叫びとして、アルファベットを混ぜることで「異質さ」を際立たせています。言葉にならない叫びを視覚化するこの手法は、当時の漫画界においても極めて斬新でした。
食べること、生きること、そしてオノマトペ
ジョジョの魅力は戦闘シーンだけではありません。日常の何気ない動作にも、独特の感性が光っています。
「レロレロ」とチェリーの誘惑
第3部の花京院典明(の偽物)が、チェリーを舌の上で転がす際の「レロレロレロレロ」という音。これはもはや擬音の域を超え、キャラクターの不気味な執着心や異常な器用さを象徴するフレーズとなりました。読者はこの文字を見るだけで、ヌルッとしたチェリーの感触と、花京院(偽)の嫌な笑みを同時に想起してしまいます。
食事シーンの「ンマイなぁ~ッ!!」
第4部のトニオ・トラサルディーの料理を食べるシーンでは、擬音とともに放たれるセリフが、読者の食欲を激しく刺激します。単に「おいしい」と言うのではなく、全身の細胞が歓喜しているような音の配置が、読者にその味を想像させるのです。
ジョジョのグッズや関連アイテムをチェックする際、こうした擬音がデザインされたものを選ぶファンが多いのも頷けます。例えばジョジョの奇妙な冒険 擬音キーホルダーのようなアイテムは、作品の世界観を身近に感じるための定番となっています。
世界に広がる「JOJO」の擬音文化
今やジョジョは世界中で愛される作品となりましたが、この独特なオノマトペは翻訳の壁すらも越えようとしています。
海外ファンはどう読んでいるのか?
日本語特有のひらがな・カタカナによる擬音は、英語圏ではそのまま翻訳するのが難しい要素です。多くの場合、意味に近い英単語(”Rumble” や “Click” など)に置き換えられますが、最近の海外版では、日本語の擬音をデザインとしてそのまま残し、横に小さく英訳を添える形式が増えています。
海外のファンたちは「ゴゴゴ」を “Menacing”(脅威的、不穏な)という意味の記号として捉えており、SNSのミーム(ネタ画像)としても広く浸透しています。日本のオノマトペが、言語の枠を超えて「感情を伝えるアイコン」になった瞬間と言えるでしょう。
まとめ:ジョジョの擬音・オノマトペ一覧!メメタァの意味や由来、独自表現の魅力を徹底解説
いかがでしたでしょうか。ジョジョの擬音は、単なる賑やかしではなく、物語に深みを与え、読者の五感を刺激するために計算し尽くされた「芸術」です。
「メメタァ」の驚き、「ズキュウウウン」の衝撃、そして「ゴゴゴ」が漂わせる緊張感。これらがあるからこそ、私たちはジョジョの世界にこれほどまでに没入してしまうのです。次に単行本を読み返すときは、ぜひ文字の一つひとつに込められた「音」に耳を澄ませてみてください。
もし、さらに深くジョジョの世界に浸りたいのであれば、画集やフィギュアなどでその造形美を堪能するのもおすすめです。ジョジョの奇妙な冒険 画集を手に取れば、擬音がいかに画面構成において重要な役割を果たしているかが、より鮮明に理解できるはずです。
ジョジョの擬音・オノマトペ一覧!メメタァの意味や由来、独自表現の魅力を徹底解説した本記事を通じて、あなたのジョジョ愛がより一層深いものになれば幸いです。次はどの擬音があなたの心を「ズキュウウウン」と撃ち抜くでしょうか?

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