「ジョジョの奇妙な冒険」を読んでいると、誰しも一度は「自分ならどんなスタンド使いになるだろう?」と空想したことがあるはずです。荒木飛呂彦先生が描く唯一無二の世界観、そして知略を尽くした能力バトル。その魅力に引き込まれ、自分だけのオリジナルキャラクター、いわゆる「オリキャラ」を作ってみたいと思うのは、ファンとして自然な衝動と言えるでしょう。
しかし、いざ作ろうとすると「能力が強すぎてチートっぽくなる」「名前がジョジョらしくない」「既存のキャラと被ってしまう」といった壁にぶつかりがちです。ジョジョの世界には、独特の「黄金の精神」や「漆黒の意志」、そして奇妙なポージングやファッションといった、外せないエッセンスが凝縮されています。
この記事では、ジョジョの世界に違和感なく溶け込み、かつ読者の印象に深く残るオリキャラの作り方を徹底的に解説します。最強の能力設定から、ニヤリとするようなネーミングのコツまで、その「法則」を紐解いていきましょう。
キャラクターの魂を作る「身上調査書」の重要性
ジョジョのキャラ作りにおいて、能力(スタンド)から考え始めるのは実は後回しで構いません。荒木先生自身も公言している通り、まずは「一人の人間」としてのリアリティを確立することが重要です。
そのためにおすすめなのが、詳細な「身上調査書」の作成です。単に名前や年齢を決めるだけでなく、以下のような項目を深く掘り下げてみてください。
- 基本属性: 氏名、年齢、身長、体重、血液型、誕生日。
- 外見の特徴: 髪型、ファッション、特有のアザや傷跡、アクセサリー。
- 性格と習慣: 好きな食べ物、嫌いなもの、尊敬する人物、趣味、口癖。
- 過去のトラウマ: その人物の行動原理を支配している「過去の出来事」。
- 究極の目的: 何のために戦うのか。平穏を求めるのか、頂点を目指すのか。
例えば、ファッション一つとっても「ヴェルサーチ」や「グッチ」などのハイブランドを意識した奇抜なカットの服や、特定のモチーフ(テントウムシや錨など)を全身に散りばめることで、一気にジョジョらしさが加速します。キャラクターが「勝手に動き出す」まで設定を詰め込むことが、魅力的なオリキャラへの第一歩です。
「引き算」で考えるスタンド能力の設定術
スタンド能力を考える際、多くの人が「無敵の力」を持たせようとしてしまいます。しかし、ジョジョのバトルの醍醐味は「限定的な能力を、知恵と工夫でどう使うか」にあります。
最強のスタンドを作るための逆説的なコツは、能力に明確な「制約」と「弱点」を持たせることです。
- 発動条件を絞る: 「相手が嘘をついた時だけ発動する」「鏡の中にしか存在できない」「特定の音を聞かせた相手にのみ作用する」など。
- 射程距離と威力のトレードオフ: 近距離パワー型なら射程は2メートル以内。遠隔操作型ならパワーは弱く、本体が無防備になる。
- 「精神の具現化」を意識する: スタンドはその人の才能やコンプレックスが形になったものです。医者なら「縫い合わせる能力」、小心者なら「隠れる能力」といったように、キャラクターの性格と能力をリンクさせましょう。
また、スタンドのステータス(破壊力、スピード、射程距離、持続力、精密動作性、成長性)を設定する際は、すべてを「A」にしてはいけません。「破壊力Aだが精密動作性がE」といった極端なアンバランスさこそが、バトルに緊張感を生み出します。
アイデアに詰まったら、日常の「ちょっとした不便」を能力に変換してみてください。「雨に濡れたくない」「信号待ちが嫌だ」「スマホの充電を長持ちさせたい」といった些細な願望を、超常的な物理法則として解釈し直すのです。
ジョジョらしさを生むネーミングの黄金律
名前はキャラクターの「看板」です。ジョジョの世界では、音楽やファッションへのリスペクトがネーミングに反映されています。
- 本体の名前:第1部や2部のように、洋楽のアーティスト名をそのまま、あるいはもじって名付けるのが王道です。最近の部では、名字と名前の最初の文字を繋げて「ジョジョ」と読めるようにしたり、イタリア語やスペイン語で意味を持たせたりするパターンも増えています。
- スタンドの名前:第3部ではタロットカードやエジプトの神々でしたが、第4部以降は「洋楽のバンド名、アルバム名、楽曲名」が基本です。
- コツ1: 自分のプレイリストからお気に入りの曲を選び、その歌詞の内容から能力を逆算する。
- コツ2: 曲名のイメージと能力に「ギャップ」を持たせる(例:激しい曲名なのに、能力は静かに忍び寄るものなど)。
ネーミングに迷ったら、洋楽 CDで検索して、往年のロックやジャズの名盤を眺めてみるのも良い刺激になります。アーティストの歴史やアルバムの背景を知ることで、キャラクターの設定にさらなる深みが生まれるはずです。
二次創作における「黄金の精神」とマナー
オリキャラをSNSやpixivなどのコミュニティで公開する場合、既存の作品への敬意を忘れないことが大切です。いわゆる「メアリー・スー(作者の投影が強すぎて、既存キャラを蔑ろにする完璧すぎるキャラ)」にならないよう注意しましょう。
- 公式キャラとの距離感: 空条承太郎やジョルノ・ジョバァーナといった主要キャラをあっさり倒してしまうような設定は、他のファンから敬遠されがちです。彼らと対等に渡り合うのではなく、世界のどこか別の場所で、自分たちの物語を紡いでいるというスタンスが好まれます。
- 「ジョジョ立ち」の美学: イラストを描く際は、解剖学的にありえない角度の捻りや、ファッション誌を参考にしたポージングを意識してみてください。それだけで「このキャラはジョジョの世界の住人だ」という説得力が生まれます。
また、設定資料をまとめる際にはiPadやApple Pencilなどのデジタルツールを活用すると、複雑なスタンドのデザインやカラーリングを試行錯誤しやすくなります。
独自の知略バトルを構築する楽しみ
ジョジョのオリキャラが完成したら、次はそのキャラがどう戦うかを想像してみましょう。
ジョジョのバトルは、単なる力のぶつかり合いではありません。「相手の能力の正体を暴くまでの心理戦」と「暴いた後にどう裏をかくか」というパズルのような構造になっています。
自分の作ったキャラが、もしも「吉良吉影」や「ディアボロ」と対峙したら、その限定的な能力でどう生き残るか?あるいは、日常の中でどう能力を悪用(または活用)するか?そうしたシミュレーションを繰り返すことで、キャラクターはより鮮明に、より「奇妙」に磨き上げられていきます。
ジョジョのオリキャラの作り方!最強スタンド能力の設定や名前のコツを徹底解説まとめ
ここまで、ジョジョの世界観にマッチしたオリキャラを作るためのポイントを解説してきました。
魅力的なキャラクターを作るために最も大切なのは、作者であるあなた自身がそのキャラを愛し、その人生を徹底的に想像することです。単なる「駒」としてではなく、血の通った一人の人間として「身上調査書」を埋めてみてください。
そして、スタンド能力には必ず「穴」を作ること。その穴を埋めるためにキャラクターが必死に知恵を絞る姿こそが、読者の心を打つ「黄金の精神」へと繋がります。
洋楽を聴き、ハイブランドのルックを眺め、日常の違和感に目を向ける。そうした日々の積み重ねが、あなただけの「最強のスタンド使い」を生む糧となります。ぜひ、この記事で紹介したコツを活かして、誰も見たことがない「奇妙な冒険」の幕を上げてください。
完成したキャラクターをさらにブラッシュアップしたい時は、荒木飛呂彦の漫画術を手に取ってみるのも良いでしょう。巨匠の思考に触れることで、あなたの創作活動はより高みへと昇華されるはずです。
素晴らしいオリキャラの誕生を、心から楽しみにしています!

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