「自分だけのスタンド能力があれば……」と、ジョジョファンなら一度は空想にふけったことがあるのではないでしょうか。しかし、いざ形にしようとすると「既存の能力と被ってしまう」「強すぎて面白みがない」といった壁にぶつかりがちです。
ジョジョの奇妙な冒険という作品の魅力は、単なるパワーゲームではありません。精神の具現化としての「奇妙さ」と、制約があるからこそ生まれる「知略」にあります。この記事では、荒木飛呂彦先生が描きそうなリアリティのあるオリジナルスタンドを作るための具体的なステップを深掘りしていきます。
スタンドは「精神のビジョン」であることを忘れない
まず大前提として、スタンドとはその人の「生命エネルギー」であり「精神の具現」です。つまり、能力を決める前に「どんな人物がそのスタンドを操るのか」というキャラクター性が重要になります。
例えば、極度の潔癖症の人物なら「汚れを消し去る」能力かもしれませんし、逆に「他人の秘密を暴きたい」という執着心が強い人物なら「記憶をのぞき見る」能力になるでしょう。
能力そのものから考えるのではなく、その人物のコンプレックス、トラウマ、あるいは仕事や趣味から逆算して能力を肉付けしていく。これが「ジョジョらしい」スタンドを生み出す最大のコツです。
「何ができるか」よりも「何ができないか」を定義する
初心者が陥りがちな罠が、「時間を止める」「あらゆるものを破壊する」といった万能すぎる能力の設定です。ジョジョの世界において、無敵の能力は物語を停滞させます。面白さは「不便さ」の中に宿るのです。
能力を考えるときは、必ず「発動条件」と「制約」をセットにしましょう。
- 特定の音を聞かせた時だけ発動する。
- 相手と目が合っている間しか効果が出ない。
- 自分自身もダメージを負うリスクがある。
- 有効射程が極端に短い。
こうした「穴」があるからこそ、敵との駆け引きや、絶体絶命の状況を覆すカタルシスが生まれます。強力すぎる力には、必ずそれに見合う「代償」を設定してみてください。
日常の些細な「違和感」をスタンド能力に昇華させる
ジョジョの物語を読み返すと、驚くほど身近な現象が恐ろしい能力に変わっていることに気づきます。
「カビが生える」「重くなる」「磁石になる」「文字を書き込む」。
これらは決して派手な魔法ではありませんが、極限まで突き詰められると逃げ場のない脅威となります。
オリジナルスタンドを作る際は、ファンタジーの世界ではなく、自分の日常生活を見渡してみてください。「なかなか乾かない洗濯物」「行列の待ち時間」「スマホの電波が悪い瞬間」。こうした日常のストレスや違和感を拡大解釈して能力に落とし込むと、一気に「ジョジョっぽさ」が増します。
洋楽由来のネーミングと漢字表記の黄金律
名前はスタンドの魂です。第3部以降の通例として、洋楽のバンド名、アルバム名、曲名から引用するのが王道です。
名前を選ぶ際は、歌詞の内容やアーティストのイメージが、設定した能力とリンクしていると深みが出ます。例えば、冷たい能力ならForeignerの「Cold as Ice」、あるいは複雑な空間操作ならKing Crimsonといった具合です。
また、日本語での「漢字表記」と「カタカナのルビ」の組み合わせも重要です。
「黄金体験(ゴールド・エクスペリエンス)」「粘着指(スティッキィ・フィンガーズ)」のように、漢字が持つ意味的な重みと、カタカナの響きのカッコよさを融合させましょう。直訳ではなく、少しひねった漢字を当てるとセンスが際立ちます。
スタンドパラメーターをあえて「低く」設定する勇気
破壊力、スピード、射程距離、持続力、精密動作性、成長性。
これら6項目のパラメーター(スタンド図鑑でおなじみのもの)をすべて「A」にするのは避けましょう。
魅力的なスタンドは、どこかが欠けているものです。
「破壊力はEだが、精密動作性がAなので、相手の体内に針を通せる」
「射程距離はE(自分自身にしか効果がない)だが、持続力がAなので半永久的に解除されない」
このように、パラメーターに凹凸を作ることで、そのスタンドの「戦い方」が明確になります。
特に「成長性」の設定は重要です。最初は使い道のないハズレ能力に見えても、使い手の機転や精神的成長によって「覚醒」する余地を残しておくと、創作としての物語性が一気に高まります。
デザインに「記号」と「ファッション」を取り入れる
スタンドのビジョン(姿)を想像する際は、人間離れした造形に「記号的なパーツ」を組み込んでみてください。
荒木先生のデザインには、歯車、矢印、目、独特の縞模様などが頻繁に登場します。また、最新のファッション誌や彫刻、建築物のラインを参考に、人体の一部を機械化したり、逆に植物のような有機的なラインを混ぜたりすることで、唯一無二のシルエットが完成します。
顔のデザインも重要です。目がない、あるいは目が多すぎる、口が縫い合わされているなど、一見して「不気味」かつ「美しい」デザインを目指しましょう。
既存の能力と差別化するための「逆転の発想」
「火を操る」という能力を考えたとします。これだけではマジシャンズ・レッドの二番煎じです。
ここで逆転の発想を加えます。
「火を出すのではなく、周囲の『熱』を奪って一点に集中させる。その結果、周囲は極寒になり、奪った熱はレーザーのような熱線として放たれる」
このように、プロセスの起点や物理法則の解釈を少しずらすだけで、全く新しい能力に見えるようになります。
まとめ:あなたの精神を形にする楽しさ
オリジナルスタンドの作成は、自分自身の内面を旅する作業でもあります。自分が何を恐れ、何を望み、どんな価値観を大切にしているのか。それが形になったとき、世界でたった一つの、最高に「ハイ!」なスタンドが誕生します。
ルールに縛られすぎず、しかし「制約と知略」の精神を忘れずに、あなただけの奇妙なビジョンを描き出してみてください。その能力が、いつか誰かを驚かせるような素晴らしいアイデアになることを願っています。
ジョジョのオリジナルスタンド作成ガイド!能力設定のコツと名付けの法則を徹底解説を最後までお読みいただき、ありがとうございました。さあ、あなたの精神の力を解き放ちましょう。

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