『ジョジョの奇妙な冒険 第3部 スターダストクルセイダース』を読み返していると、ふと「あいつ、結局なんだったんだ?」と強烈なインパクトを残していく敵キャラがいますよね。
その筆頭候補といえば、やはり「ザ・サン(太陽)」のスタンド使いではないでしょうか。砂漠という絶望的なシチュエーションで承太郎たちを文字通り「干からびさせた」あの戦いです。
今回は、ジョジョファンなら避けては通れない、シュールかつ恐ろしい「ザ・サン」の能力から、謎に包まれた本体アラビア・ファッツの正体、そして語り継がれる伝説の倒し方までを徹底的に深掘りしていきます。
絶望の灼熱地獄!スタンド「ザ・サン(太陽)」の恐るべき基本スペック
ジョジョ3部において、タロットカードの暗示を持つスタンドたちはどれも個性的ですが、ザ・サンほど「シンプルかつ逃げ場のない絶望」を体現した能力はありません。
このスタンドの正体は、文字通り「空に浮かぶ太陽」そのものです。本物の太陽と見まがうほどの巨大なエネルギー体を上空に出現させ、周囲の環境を完全に支配します。
まず特筆すべきは、その異常なまでの熱放射能力です。劇中では、夜の時間帯であるにもかかわらず、ザ・サンの影響で周囲は真昼のような明るさになり、気温はまたたく間に70度から80度を超えていきました。砂漠でこの温度に晒されることがどれほど致命的か、想像するだけで喉がカラカラになりますよね。
さらに、ザ・サンはただ熱いだけではありません。本体の意思によって、強力なレーザー状の熱線を放つことも可能です。承太郎たちが岩陰に隠れても、ピンポイントでその場所を射抜き、逃げ道を塞いでいく精密さも兼ね備えていました。
スタンドパラメータを見ると、持続力と射程距離が「A」となっており、本体が姿を現さずとも、遠くから一方的に相手を熱死させるまで攻撃し続けられるという、極めて生存戦略に長けた能力だと言えます。
もしあなたがサバイバル中にこのスタンドに狙われたら、日傘や冷感タオルを持っていたとしても、焼け石に水どころか一瞬で蒸発させられてしまうでしょう。
名前すら呼ばれない?謎の本体アラビア・ファッツという男
ザ・サンの能力がこれほどまでに強力である一方で、その本体については「ジョジョ史上もっとも影が薄い」と言われることもあります。その名は、アラビア・ファッツ。
実は彼、原作漫画の本編中では一度も名前を呼ばれることがありません。セリフすら一言も発さず、断末魔の叫びすら上げないまま退場していきました。名前が判明したのは後の画集や設定資料集でのこと。読者にとっては「太陽のスタンド使い」という記号的な印象が強いキャラクターです。
しかし、彼の戦い方を冷静に分析してみると、実はかなりの知略家であったことがわかります。
彼は砂漠のど真ん中に、鏡張りの特殊なシェルターを設置して潜伏していました。外側からは周囲の景色が反射して見えるため、岩場に同化して全く見つかりません。さらに、自分はシェルターの中でポータブルエアコンを完備し、冷たいコーラを飲みながら優雅に承太郎たちが苦しむ姿を眺めていたのです。
この「自分だけは快適な環境に身を置き、相手を一方的になぶる」という徹底した合理主義こそが、アラビア・ファッツの本質です。ジョジョの敵役には美学を持つ者が多いですが、彼は純粋に「暗殺」としての効率を突き詰めた、ある意味で非常にプロフェッショナルな刺客だったと言えるかもしれません。
なぜ承太郎たちは爆笑したのか?伝説の決着シーンを振り返る
ザ・サン戦を語る上で絶対に外せないのが、あのあまりにもシュールな決着シーンです。
極限状態の暑さの中、花京院がいきなり笑い出し、続いて承太郎やポルナレフまでが大爆笑し始めるシーンは、初めて読んだ時に「ついにみんな狂ってしまったのか?」と衝撃を受けた方も多いはず。
しかし、あの笑いにはしっかりとした理由がありました。
彼らが気づいたのは、目の前にある「左右対称の岩」でした。なぜ砂漠に全く同じ形の岩が並んでいるのか。それは、アラビア・ファッツが大きな鏡を立てて身を隠していたからです。鏡に映った景色が、隣の岩と左右対称に見えていたという、あまりにも単純なトリック。
「こんな子供騙しの仕掛けに、俺たちは全滅しかけていたのか」
そのあまりのバカバカしさと、正体を見つけた安堵感が混ざり合い、彼らは極限状態の中で笑いが止まらなくなってしまったのです。正体に気づいてしまえば、あとは簡単でした。承太郎は落ちていた石を拾い、正確なコントロールで鏡の裏側を目がけて投げつけます。
この一撃がアラビア・ファッツの脳天を直撃し、ザ・サンは消滅。戦いは幕を閉じました。まさに「見つけたら勝ち、見つかったら負け」という、かくれんぼのような結末でしたが、それゆえに読者の心に深く刻まれるエピソードとなったのです。
もし、アラビア・ファッツが双眼鏡などでより遠くから監視を徹底していたら、あるいは鏡の反射に細心の注意を払っていたら、承太郎一行の旅はここで終わっていた可能性すらあります。
もし他のスタンド使いと組んだら?ザ・サンの潜在能力を考察
ザ・サン単体でも十分に驚異的ですが、もし他のスタンド使いとチームを組んでいたら、さらに手の付けられない存在になっていたはずです。
例えば、第5部に登場するプロシュート兄貴の「ザ・グレイトフル・デッド」とのコンビを想像してみてください。ザ・サンの熱放射によって標的の体温を急上昇させ、グレイトフル・デッドの老化能力を一気に加速させる。これはまさに、避けることのできない即死コンボになります。
また、鏡を利用するという点では、J・ガイルの「ハングドマン」とも相性が良さそうです。ザ・サンが自ら囮となり、周囲に鏡張りの罠を仕掛けておけば、ハングドマンの移動経路は無限に広がります。
このように、ザ・サンは単なる「暑いだけのスタンド」ではなく、環境そのものを書き換える「フィールド魔法」のような特性を持っています。アラビア・ファッツが単独行動を好む性格でなければ、DIOの館に辿り着く前に一行は全滅していたかもしれません。
そう考えると、アラビア・ファッツが一人で挑み、あえなく石ころ一つで倒されたのは、承太郎たちにとって最大の幸運だったと言えるでしょう。
まとめ:ジョジョ 3部の難敵ザ・サンとは?本体アラビア・ファッツの能力と倒し方を徹底解説!
さて、ここまでザ・サンとアラビア・ファッツについて詳しく見てきました。
一見すると、鏡のトリックを見破られて石を投げられるだけの出オチキャラに見えるかもしれません。しかし、その実態は「環境を支配し、一方的に相手を追い詰める」という、スタンドバトルの醍醐味が詰まった恐ろしい能力でした。
「太陽」という、人類にとって不可欠でありながら、時には牙を向く自然の驚異。それをスタンドとして描き出した荒木飛呂彦先生のセンスには、改めて脱帽せざるを得ません。
この記事を読んで、久しぶりに3部の砂漠越えエピソードを読み返したくなった方も多いのではないでしょうか。そんな時は、ぜひジョジョの奇妙な冒険 カラー版を手にとって、あの灼熱の空気感と、その後の爽快な爆笑シーンを体感してみてください。
ザ・サンのような、一見シンプルだけど奥が深いスタンドの存在こそが、ジョジョという作品をいつまでも色褪せない名作たらしめている理由なのです。
次はどのスタンド使いが、私たちの想像を超えた戦いを見せてくれるのでしょうか。ジョジョの世界を探求する旅は、まだまだ終わりそうにありません。
今回の解説が、あなたのジョジョライフをより豊かにする一助となれば幸いです。もし「他にもこのスタンドを解説してほしい!」というリクエストがあれば、ぜひ教えてくださいね。

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