『ジョジョの奇妙な冒険 第7部 スティール・ボール・ラン(SBR)』。そのクライマックスで登場し、読者の度肝を抜いたスタンドといえば、ジョニィ・ジョースターの最終形態「タスクACT4」ですよね。
歴代ジョジョシリーズの中でも「最強候補」として必ず名前が挙がるこのスタンド。ファンの間ではそのあまりの理不尽なまでの攻撃力から「絶対殺すマン」という異名で呼ばれることもあります。
「結局、ACT4の能力って何がすごいの?」
「次元の壁を突き抜けるってどういう理屈?」
「無敵のラッシュの正体は?」
そんな疑問をスッキリ解決するために、今回はタスクACT4の能力を物理法則や物語の背景を交えて、徹底的に深掘りしていきます。ジョニィとジャイロが辿り着いた「黄金の回転」の終着点、その絶望的なまでの威力を見ていきましょう。
タスクACT4が発現した「騎兵の回転」という奇跡
タスクACT4は、これまでの形態とは覚醒のプロセスが根本的に異なります。ACT1からACT3までは、ジョニィ自身の心の成長や「遺体」の影響で進化してきました。しかし、ACT4への進化には、ジャイロ・ツェペリが最後に遺した「LESSON 5」が必要不可欠だったのです。
その鍵となるのが「騎兵の回転」です。
ジャイロたちツェペリ一族が追求してきた「黄金の回転」は、自然界の動植物に隠された黄金長方形のスケールを回転に組み込む技術でした。しかし、人間一人の力で生み出せる回転には限界があります。
タスクACT4を発現させるためには、馬の走る力を利用しなければなりません。馬が最も自然な形で疾走する際、その脚力から生じるエネルギーを「黄金の回転」へと昇華させ、それを鐙(あぶみ)を通じてジョニィの肉体、そしてスタンドへと伝達する。
つまり、ACT4はジョニィ一人の力ではなく、「ジョニィ」「馬」「自然の摂理」の3つが完璧に調和した瞬間にのみ現れる、まさに奇跡の形態なのです。
次元をこじ開ける「無限の回転エネルギー」の衝撃
タスクACT4の能力を一言で表すなら「無限の回転エネルギー」です。これだけ聞くとシンプルに思えるかもしれませんが、ジョジョの世界において「無限」が持つ意味は重く、恐ろしいものです。
ラブトレインの「次元の壁」すら無効化する
第7部のラスボス、ファニー・ヴァレンタイン大統領のスタンド「D4C-ラブトレイン-」。これは「自分に向けられたあらゆる不幸(攻撃)を、世界のどこか別の場所へ飛ばす」という、文字通りの無敵のバリアでした。
どんなに強力なパンチも、どんなに鋭い刃も、ラブトレインの光の隙間に触れた瞬間に「無関係な誰かへの不幸」として処理されてしまいます。物理的な攻撃が一切通じない、絶望的な防御能力です。
しかし、タスクACT4はこの「次元の隙間」をその手で掴み、強引にこじ開けました。
なぜそんなことが可能だったのか。それは、無限の回転が「重力」を伴っているからです。作中では「重力だけは次元を越えることができる」と語られています。ACT4の放つ爪弾は、宇宙の法則そのものを書き換えるほどの重力エネルギーを纏っているため、次元の壁という絶対的なルールすら無視して、大統領の本体に直接ダメージを与えることができたのです。
止まった時の中でも動けるという特異性
さらに驚くべきは、物語終盤で登場した「THE WORLD(世界)」との戦いです。
時を止める能力を持つ相手に対し、タスクACT4はわずかながら「止まった時の中」で反応を見せました。時間は重力の影響を受けるという物理学的側面をジョジョ流に解釈すれば、無限の重力を持つACT4にとって、時間の停止すら完全な拘束にはならないということです。
この「ルールを上書きする力」こそが、ACT4が最強と言われる最大の理由です。
触れたら最後、細胞レベルで永遠に回り続ける恐怖
タスクACT4の攻撃が命中した対象には、救いようのない末路が待っています。単なる「破壊」ではなく、対象の細胞一つひとつに「無限の回転」が転写されるのです。
別の世界へ逃げても「引き戻される」
ACT4の一撃を受けた大統領は、並行世界へ逃げ込み、自分の肉体を入れ替えることでダメージをリセットしようと試みました。しかし、無限の回転は魂や細胞に刻み込まれているため、どの世界へ行っても回転が止まりません。
それどころか、回転の衝撃によって、対象は元の場所(ダメージを受けた地点)へ強制的に引き戻されてしまいます。地面の中に潜り込もうとしても、別の次元へ跳ぼうとしても、ドリルで抉られるように同じ場所へ引きずり出される。
この「逃げ場がない」という感覚こそ、タスクACT4が対峙した者に与える最大の絶望です。
物質の消滅と崩壊
最終的に、無限の回転に晒された物質は分子レベルで分解され、消滅へと向かいます。防御のために盾を構えても、その盾ごと回転に巻き込まれ、消えてしまいます。
ジョニィが放つ「チュミミィ〜ン」という独特の産声とともに放たれる重厚なラッシュ。それは、相手をただ殴っているのではなく、相手の存在そのものを宇宙の塵へと回し消している動作なのです。
圧倒的強さの裏にある「弱点」と「制約」
これほどまでに強力なタスクACT4ですが、決して無敵の万能スタンドではありません。そこにはジョニィ・ジョースターというキャラクターの危うさと、能力の代償が明確に描かれています。
馬が走れなければ発動できない
ACT4の源泉は「馬の走力」です。したがって、馬が怪我をして走れなくなったり、狭い場所で馬を加速させられなかったりする場合、ジョニィはACT4を出すことができません。
実際、劇中では馬を狙われることで窮地に陥るシーンが何度もありました。最強の矛を持っていても、その鞘(馬)がなければ抜くことすらできない。この絶妙なバランスが、バトルの緊張感を生んでいます。
自傷のリスクという諸刃の剣
「無限」とは制御不能な力でもあります。もし自分自身が放った無限の回転を、何らかの形で自分に跳ね返されてしまったら?
劇中では、まさにその事態が起こりました。自分の放った爪弾の回転に自分自身が巻き込まれ、ジョニィの肉体は消滅の危機にさらされます。これを解除するには、逆方向の回転を自分に撃ち込んで相殺するしかありません。
ジョジョの奇妙な冒険 スティール・ボール・ランを読み返すと、ジョニィが常に「漆黒の意志」を持って、命がけでこの力を振るっていることがよくわかります。
歴代最強議論でのタスクACT4の立ち位置
ジョジョファンの間でよく議論されるのが、「ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム(GER)」とどちらが強いのかというテーマです。
- GER: 相手の動作や意志を「ゼロ」に戻す。攻撃が届くこと自体を否定する「究極の守り」。
- タスクACT4: あらゆる障壁を貫通し、無限に破壊し続ける。「究極の矛」。
この「矛と盾」の議論に決着はつきませんが、タスクACT4が「概念系能力」の先駆けであり、その後の第8部『ジョジョリオン』におけるソフト&ウェット・ゴービヨンドへと繋がる重要なステップであったことは間違いありません。
タスクACT4は、単なるパワー勝負のスタンドではなく、「自然界の摂理を味方につけた者が、運命を切り開く力」を象徴しているのです。
ジョジョ タスク act4 能力のまとめ:受け継がれる黄金の精神
タスクACT4の能力を振り返ってみると、それは単なる「強い武器」ではなく、ジョニィとジャイロの旅の集大成であったことがわかります。
- 馬の力を借りた「騎兵の回転」による無限のエネルギー。
- 次元の壁や止まった時さえ超越する、重力の支配。
- 一度触れれば死ぬまで(死んでも)止まらない、絶望の回転。
- しかし、馬や自然との調和がなければ発動できないという制約。
ジョニィが「飢えた者」から、誰かのために、あるいは自分の運命のために立ち上がる男へと成長した証が、この重厚で無骨なACT4の姿に現れています。
ジョジョの世界において「回転」は常に進化の象徴です。その最果てにあるタスクACT4の能力は、これからも多くの読者を魅了し、語り継がれていくことでしょう。
もしあなたがまだ、あの雪原での決闘や、大統領との次元を越えた死闘を未体験なら、ぜひその目で「無限の回転」の目撃者になってみてください。そこには、理屈を超えた感動と震えるようなカタルシスが待っています。
ジョジョ タスク act4 能力の奥深さを知ることで、スティール・ボール・ランという物語が、より一層輝きを増して見えるはずです。

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