「このジョジョのフィギュア、造形は最高なのに色がイメージと違うんだよな……」
「超像可動の関節が目立つのが気になる。もっと重厚感が欲しい!」
「あの扉絵のカラーリングを、自分の手で再現してみたい」
ジョジョの奇妙な冒険のファンなら、一度はそう思ったことがあるのではないでしょうか?荒木飛呂彦先生の描くキャラクターたちは、唯一無二の色彩感覚と、彫刻のような肉体美を持っています。しかし、市販のフィギュア(既製品)では、コストや量産の都合上、どうしても細部の描き込みや質感に限界があるのも事実です。
そこで挑戦したいのが「リペイント」です。
自分の手で筆を入れ、世界にたった一つの「自分専用の黄金体験(ゴールド・エクスペリエンス)」を作り出す。一見ハードルが高そうに見えますが、実は正しい道具とコツさえ知っていれば、初心者からでも十分に楽しめます。
今回は、ジョジョフィギュアのリペイントにおける基本のキから、失敗しないための極意、そしてジョジョならではの彩色テクニックまでを徹底的に解説していきます。
1. リペイントを始める前に揃えたい「三種の神器」と便利アイテム
形から入ることは、リペイントにおいて非常に重要です。適切な道具を使わないと、塗料が弾かれたり、表面がベタついたりといったトラブルの原因になります。まずは最低限これだけは揃えておきたいアイテムを紹介します。
塗装の命!塗料の種類をマスターする
リペイントで使われる塗料には、主に3つの種類があります。それぞれの特性を理解して使い分けましょう。
- ラッカー塗料模型用塗料の王様です。乾燥が非常に速く、塗膜が強固なのが特徴です。エアブラシでの全塗装や、ガシガシ動かすアクションフィギュアの下地に最適です。ただし、特有の強い溶剤臭があるため、しっかりとした換気環境が必要です。
- 水性ホビーカラー・アクリル塗料水性ホビーカラーなどは、臭いが少なく家庭でも扱いやすいのがメリットです。最近は発色も良く、筆塗りでの重ね塗りにも適しています。
- エナメル塗料タミヤ エナメル塗料は、乾燥が遅く「伸び」が良いのが特徴です。ジョジョリペイントにおいて最も重要な「スミ入れ」や、瞳の描き込み、細かいハッチング(影の線)を入れる際に大活躍します。下地のラッカー塗料を溶かさない性質があるため、はみ出しても専用の溶剤で拭き取れるのが最大の利点です。
筆とエアブラシ、どちらを選ぶ?
初心者がまず手にするべきは「筆」です。特にジョジョ特有の劇画的な表現をするには、繊細な筆跡が必要になります。
- 面相筆タミヤ モデリングブラシ HG 面相筆のような、毛先が細くまとまりの良い筆を1本用意してください。キャラクターの目、唇、筋肉のラインを描き込む際に、安価な筆だと毛先が割れてしまい、精神的なダメージ(ストレス)が大きくなります。
- 平筆服の広い面や、ベースとなる色を塗る際に使用します。
表面を整える下地と仕上げ材
- プライマー(下地剤)ミッチャクロン マルチなどは、ソフビやPVC素材のフィギュアに塗料を密着させるために必須です。これを飛ばすと、後でペリペリと塗装が剥がれてしまいます。
- つや消しトップコートMr.スーパークリアー つや消しは、仕上げの魔法です。ジョジョのフィギュアは、テカテカしているよりもマットな質感の方が「高級感」と「重厚感」が出ます。塗装の保護にもなるので必ず用意しましょう。
2. 失敗はここで防ぐ!塗装前の「下準備」という名の儀式
「早く塗りたい!」という気持ちを抑えて、まずは下準備を徹底しましょう。ここで手を抜くと、どんなに上手に塗っても数ヶ月後に台無しになることがあります。
離型剤を落とす「洗浄」
フィギュアの表面には、製造時に型から抜きやすくするための油分(離型剤)が付着しています。
バケツにぬるま湯と中性洗剤(食器用洗剤でOK)を入れ、使い古した歯ブラシで優しく洗ってあげましょう。これだけで塗料の「食いつき」が劇的に良くなります。
パーツの分解
ジョジョのフィギュア(特に超像可動など)は、細かいパーツが組み合わさっています。
そのまま塗ると関節部分に塗料が詰まり、動かなくなる原因になります。ドライヤーで少し温めて柔らかくしてから、慎重にパーツをバラしましょう。
※無理に力を入れると、ポルナレフのピアスのように細いパーツは折れてしまうので注意が必要です。
3. ジョジョらしさを引き出す!「二次元塗り」と「劇画表現」のコツ
ジョジョのリペイントにおいて、最も人気があり、かつ奥が深いのが「二次元彩色(二次元塗り)」です。これは、立体物であるフィギュアを、あえて2Dのイラストのように見せる技法です。
光と影を「固定」する
通常のフィギュアは、部屋の照明によって影ができます。しかし二次元塗りの場合は、特定の方向から光が当たっていると仮定して、影を直接「描き込み」ます。
荒木先生のイラストを横に置き、どこに影が落ちているかを観察しましょう。膝の裏、脇の下、鎖骨のくぼみなど、大胆に暗い色を置いていくのがコツです。
境界線をハッキリさせる
アニメ塗りや二次元塗りでは、色の境界線をボカさず、パキッと分けることが重要です。
例えば、服のシワ。明るい部分と暗い部分の間に、一段階中間色を入れるだけで、一気に「ジョジョらしさ」が増します。
瞳と唇に魂を込める
ジョジョのキャラクターにおいて、顔の印象を左右するのは「瞳のハイライト」と「唇のツヤ」です。
ガンプラマーカー スミいれ用の極細ペンや、面相筆の先に少しだけホワイトをのせ、瞳にチョンと点を打つ。これだけでキャラクターに命が吹き込まれます。
唇には、あえて紫や緑などの「ジョジョカラー」を薄くのせ、最後にクリア(つや出し)を塗ることで、色気のある表情に仕上がります。
4. 初心者が陥りやすい「ベタつき」と「筆ムラ」の回避策
いざ塗り始めてみると、意外な壁にぶつかるものです。特に多い2つの悩みを解決しましょう。
なぜかベタベタする……の正体
「塗った後、いつまで経っても表面がペタペタする」
これは、フィギュアに含まれる可塑剤(柔らかくするための成分)と、塗料の相性が悪いことが原因です。
特に水性塗料を直接厚塗りすると起きやすい現象です。これを防ぐには、前述した「プライマー」をしっかり吹くこと、そして一度に厚塗りせず、薄い層を重ねていくことが鉄則です。
筆ムラを抑えるテクニック
筆ムラは、塗料が濃すぎることが主な原因です。
専用のうすめ液で、塗料を「ミルクくらいの濃度」まで薄めてから塗りましょう。一度で色を乗せようとせず、乾かしては塗る、を3回ほど繰り返すと、驚くほど滑らかで綺麗な面になります。
また、リターダー(乾燥を遅らせる液体)を数滴混ぜると、筆の跡が自然に消えて馴染みやすくなります。
5. 唯一無二のセンス!配色に迷った時の考え方
「承太郎は黒?それとも青?」
ジョジョのファンなら誰もが悩むテーマですが、リペイントにおいて答えは一つではありません。
「固定概念」を捨てる勇気
荒木先生自身が「このキャラはこの色」と決めていないことは有名です。
昨日のカラーイラストでは青かった服が、今日の表紙ではピンクになっているのがジョジョの世界。
リペイントをする際も、「原作に忠実に」とガチガチになる必要はありません。自分の好きな色、あるいは部屋のインテリアに合う色で塗って良いのです。
メタリックとパールの活用
スタンド(波紋)の表現には、メタリック塗料やパール粉が映えます。
例えば、キラークイーンのボディにMr.クリスタルカラーを薄く吹きかけると、光の加減でピンクや紫に輝く、不気味で美しい質感を表現できます。
6. 完成した後の楽しみ方と注意点
苦労してリペイントしたフィギュアが完成したら、いよいよお披露目です。
写真撮影で映えさせる
リペイント品は、光の当て方で表情がガラリと変わります。
黒い背景布を敷き、サイドから強めの光を当ててみてください。自分で描き込んだ影と本物の影が混ざり合い、スタチューレジェンドのような迫力が生まれます。SNSにアップする際は、ぜひ「#ジョジョリペイント」のハッシュタグを活用しましょう。
メンテナンスと保管
リペイントしたフィギュアは、市販品よりも塗装がデリケートです。
直射日光が当たる場所に置くと、色あせの原因になります。また、パーツ同士が長時間接触していると、塗装が癒着して剥がれてしまうこともあるため、ポージングさせた後は適度な距離を保って飾るのがベストです。
7. まとめ:ジョジョフィギュアのリペイント完全ガイド!初心者でも失敗しないコツと道具を徹底解説
いかがでしたでしょうか?
リペイントは、ただの色塗りではありません。キャラクターの構造を理解し、その魅力を再解釈して形にする「創造的な対話」です。
最初から完璧を目指す必要はありません。まずは、小さなキーホルダーや、中古で安く手に入れたフィギュアから練習を始めてみてください。
「ここをこう塗ればもっとカッコよくなるかも!」という試行錯誤の時間は、まさにジョジョの物語を追体験するようなワクワクに満ちています。
自分だけの、震えるぞハート!な一体を作り上げるために、まずは筆を一本手に取ってみることから始めてみませんか?あなたのデスクに、世界で唯一の「奇妙な冒険」が誕生する日はすぐそこです。
次の一歩としておすすめのアクション:
- まずはタミヤ エナメル塗料 XF-1 フラットブラックを1つ買い、フィギュアの筋肉の溝に「スミ入れ」をすることから始めてみましょう。それだけで、フィギュアの顔つきが劇的に変わるはずです!

コメント