「ジョジョの奇妙な冒険 第3部」を読み返していると、序盤で強烈なインパクトを残す敵が登場しますよね。そう、あの巨大な貨物船を操る「猿」です。
動物がスタンドを使うという設定は、後のイギーやペット・ショップにも繋がる重要な要素ですが、その先駆けとなったのがこのオランウータンのフォーエバーでした。今回は、多くの読者にトラウマと驚きを与えたジョジョの猿について、その正体から恐ろしい能力、そして衝撃的な最期までを徹底的に深掘りしていきます!
承太郎一行を絶望に陥れた「猿」の正体とは?
ジョジョ第3部において、海上で一行を待ち受けていたのは、DIOからの刺客である一匹のオランウータンでした。名前は「フォーエバー」。
普通の動物園にいるような猿とはわけが違います。彼は人間を遥かに凌駕する高い知能を持っており、言葉こそ発しないものの、人間の思考を完全に理解し、さらには人間を見下すほどのプライドを持っています。
驚異的な知能と人間臭い性癖
フォーエバーの不気味さは、その「人間以上の人間らしさ」にあります。劇中では以下のような描写が視聴者の度肝を抜きました。
- 優雅にチェスを楽しむ: 猿でありながら論理的思考が必要なチェスを指しこなします。
- タバコを嗜む: 慣れた手つきで火をつけ、紫煙をくゆらす姿はもはや貫禄すら漂います。
- 雑誌(ヌードグラビア)を愛読する: 猿としての本能と、歪んだ知性が混ざり合った象徴的なシーンです。
彼は自分を「選ばれし知性体」だと信じて疑わず、船に乗り込んできた承太郎たちを「檻の中のネズミ」のように観察して楽しんでいたのです。
スタンド能力「力(ストレングス)」の圧倒的なスケール
フォーエバーが操るスタンド能力の名前は「ストレングス(力)」。タロットカードの「力」の暗示を持つこの能力は、ジョジョ史上でも稀に見る「巨大な物質と一体化したスタンド」です。
船そのものがスタンドという絶望
多くのスタンドは本体の背後に現れるビジョンを持ちますが、ストレングスは違います。一艘のごく小さな手漕ぎボートを媒介にして、巨大な貨物船そのものへと変貌させる能力です。
この能力の恐ろしい点は、船内のあらゆる場所が「スタンドの一部」であるということです。
- 壁や床が意志を持つ: 鉄板がめくれ上がって敵を拘束し、クレーンがひとりでに動いて人間を吊るし上げます。
- 逃げ場のない監獄: 船に乗っている限り、読者の足元も背後の壁も、すべてが敵の武器に変わります。
- 一般人にも見える実体化型: このスタンドは精神エネルギーが物質として固定されているため、スタンド使いではない一般人にも「幽霊船」として視認されてしまいます。
もし、海上でこの船に遭遇してしまったら、その時点で詰みと言っても過言ではないほどの射程距離と攻撃範囲を誇ります。
少女アンへの執着とサスペンスホラー展開
ジョジョ第3部のこのエピソードは、バトル漫画というよりも「クローズド・サークル」でのサスペンスホラーの色彩が強いのが特徴です。
特に、一行に同行していた家出少女のアンが風呂場で襲われるシーンは、多くの読者に「猿=怖い・気持ち悪い」という印象を植え付けました。フォーエバーは知能が高いがゆえに、若い女性に対して歪んだ執着を見せ、壁を自在に操って彼女を追い詰めます。
「猿が人間を狩る」という構図が、ストレングスの能力によって物理的にも心理的にも補強されており、読者は承太郎たちがどうやってこの「見えない敵(船そのもの)」を攻略するのか、固唾を呑んで見守ることになりました。
承太郎の機転と「スタープラチナ」の精密動作
絶体絶命の状況を打破したのは、やはり空条承太郎でした。
ストレングスの能力は、船全体を支配しているものの、本体であるフォーエバー自身は船長室付近で余裕をぶっ放していました。承太郎は、船の壁に埋め込まれながらも、スタンドの「精密な動作」を逆手に取ります。
スターフィンガー(流星指刺)の炸裂
承太郎はスタープラチナの指を急激に伸ばす技「スターフィンガー」を使い、至近距離からボタンの破片を弾丸のように放ちました。
どんなに巨大な船を操っていようとも、本体は生身の猿です。脳天を正確に撃ち抜かれたフォーエバーは、その瞬間に集中力を失い、支配していた船は維持できなくなります。
巨大な貨物船がみるみるうちに縮んでいき、元の小さなボートに戻っていく描写は、スタンド能力の解除シーンの中でも屈指のスペクタクルです。
猿の悲惨な最期:プライドをへし折られた瞬間
フォーエバーの最期は、非常にジョジョらしい「因果応報」な結末でした。
脳天を撃たれ、自分の優位性が完全に崩れたことを悟った瞬間、あんなに尊大だった彼は豹変します。服を脱ぎ捨て、腹を見せてゴロゴロと転がり、猿特有の「降参」のポーズを必死に取って命乞いをしたのです。
しかし、承太郎は冷徹でした。
「知能があるなら、自分の犯した罪の重さも理解しているはずだ」
「本能で降参するくらいなら、最初から知能など持つべきではなかった」
この言葉と共に、容赦ないラッシュが叩き込まれ、フォーエバーは再起不能(リタイア)となりました。高い知能を持っていたからこそ、その死の間際の惨めさが際立つ、皮肉な幕切れでした。
動物スタンド使いという画期的な設定
ジョジョにおいて、フォーエバーの登場は大きな転換点でした。それまでは「スタンド=人間の精神力」と思われていたところに、「動物にも精神力があり、スタンドを発現できる」というルールを明確に示したからです。
後に登場するジョジョの奇妙な冒険 第3部のイギー(ザ・フール)や、第4部のネズミ(ラット)などは、このフォーエバーがいたからこそ生まれたキャラクターと言えるでしょう。
特に、フォーエバーは「悪意」を持った動物として描かれました。DIOという絶対的な悪に惹かれたのか、あるいは単に己の力を誇示したかったのか。彼の存在は、スタンド能力が善悪に関わらず、強い意志を持つ者に宿ることを証明しています。
【ジョジョ】猿の正体は?スタンド能力「ストレングス」の強さと最期を徹底解説:まとめ
「ジョジョ 猿」というキーワードで思い返されるフォーエバーの戦いは、第3部の中でも異色のバトルでした。
巨大な船そのものをスタンドにするという発想の飛躍、知能を持った猿という不気味なキャラクター設定、そして圧倒的な力を持つ承太郎による「教育」。これらが見事に融合し、読者の心に深く刻まれています。
もしあなたがもう一度ジョジョを読み返すなら、ぜひこの「猿」の表情に注目してみてください。最初は余裕たっぷりだった彼が、最後にはただの獣として恐怖に震える様は、スタンドバトルの厳しさを物語っています。
次はどんなスタンド使いが承太郎たちの前に立ちはだかるのか、期待しながらページをめくる楽しみは、今も昔も変わりませんね!
今回ご紹介したエピソードを収録しているジョジョの奇妙な冒険 文庫版もチェックして、あの絶望感をもう一度味わってみてはいかがでしょうか。
以上、ジョジョに登場する猿、フォーエバーとストレングスの解説でした!

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