「ジョジョの奇妙な冒険」という偉大なサーガの中で、一際異彩を放つキャスティングが存在することをご存知でしょうか。それは、日本を代表する声優の一人である梶裕貴さんの歩みです。
ジョジョファン、そして声優ファンなら誰もが一度は耳にしたことがあるであろう「梶裕貴×ジョジョ」の組み合わせ。実は、アニメ版とゲーム版を跨ぐことで、一人の声優がシリーズの枠を超えて複数の重要キャラクターを演じるという、非常に珍しく、かつドラマチックな展開が繰り広げられてきました。
今回は、梶裕貴さんがジョジョの世界で魂を吹き込んだキャラクターたちを網羅し、その熱演の裏側にあるエピソードまで徹底的に深掘りしていきます。
第4部の顔!広瀬康一という「もう一人の主人公」
まず欠かせないのが、TVアニメ第4部『ダイヤモンドは砕けない』における広瀬康一役です。物語の舞台である杜王町に住むごく普通の高校生として登場した康一は、物語の進行とともに精神的にも肉体的にも驚異的な成長を遂げていきます。
梶裕貴さんが演じる康一は、初期の「頼りなさと可愛らしさ」から、スタンド・エコーズの進化に伴う「凛とした強さと覚悟」への変化が実に見事です。特に、強敵を前にした時の叫びや、仗助たちとの友情を感じさせる温かい声のトーンは、多くの視聴者の心に刻まれました。
また、第4部完結後もその活躍は止まりません。続く第5部『黄金の風』の冒頭、物語の導入としてイタリアへ降り立つ康一の姿もありました。ここでも梶さんは続投しており、少し大人になった康一を絶妙なニュアンスで演じ分けています。
アニメ版のメインキャストとして「ジョジョといえば広瀬康一(梶裕貴)」というイメージを定着させた功績は計り知れません。
ゲーム版で魅せた漆黒の意志!ジョニィ・ジョースター
アニメ版では康一役として知られる梶さんですが、実はそれ以前からジョジョの世界に深く関わっていました。それが、第7部『スティール・ボール・ラン』の主人公、ジョニィ・ジョースターです。
2013年に発売された対戦格闘ゲーム『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル(ASB)』において、梶さんはジョニィ役に抜擢されました。第7部はシリーズの中でも非常に重厚なストーリーを誇り、ジョニィは下半身不随という絶望の中から「漆黒の意志」を抱いて立ち上がるキャラクターです。
梶さんが表現するジョニィは、康一の明るい少年像とは180度異なる、暗く、鋭く、そして熱いエネルギーに満ちています。落馬事故による挫折、ジャイロ・ツェペリとの旅を通じて見せる心の揺れ動き、そして「爪」を使ったスタンド能力への覚醒。ゲームという媒体でありながら、フルボイスで展開される熱演は、原作ファンの期待を大きく上回るものでした。
キャスト変更がもたらした「一人二役」の奇跡
ここで面白いのが、ジョジョシリーズにおけるキャストの変遷です。通常、アニメ化される際にゲーム版から声優が変更されることは珍しくありません。
第4部がアニメ化される際、ゲーム版では朴璐美さんが演じていた広瀬康一役を、アニメでは梶裕貴さんが引き継ぐことになりました。この時、ファンの一部からは「ゲームでジョニィを演じている梶さんが康一になるの?」という驚きの声が上がりました。
しかし、物語はさらに面白い方向へ進みます。2022年に発売されたリマスター版ゲームジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル Rでは、アニメ版のキャストをベースにボイスが再収録されることになりました。
その結果、どうなったか。広瀬康一役はアニメ準拠で梶裕貴さんになり、一方でジョニィ・ジョースター役も「ハマり役」として高く評価されていた梶さんが続投することになったのです。
つまり、ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル Rという一つの作品の中で、梶裕貴さんが「第4部の重要キャラ」と「第7部の主人公」を同時に演じるという、豪華極まる「一人二役」が実現したのです。ゲーム内の特殊な演出では、康一とジョニィが対峙し、梶さん同士が掛け合いをするという、ファン垂涎のシーンまで用意されています。
梶裕貴が語る「ジョジョ」への深い愛情
梶裕貴さんは、自身のSNSやインタビューでもたびたびジョジョへの愛を語っています。特に、ジョニィから康一へと役が繋がっていった数奇な運命については、本人も非常に感慨深い様子を見せていました。
『ASBR』の発売に際して、ジョニィ役の続投が決まった際には、第7部の名言である「『ありがとう』…それしか言う言葉が見つからない…」というフレーズを添えて喜びを表現していました。演者自身が作品の熱狂的なファンであり、原作のリスペクトを忘れない姿勢が、あの迫真の演技に繋がっているのでしょう。
康一を演じる際の「日常に寄り添う温かさ」と、ジョニィを演じる際の「極限状態の飢え」。この両極端な演技を、同じ「ジョジョ」という看板の下で成立させているのは、まさに梶裕貴さんという役者の圧倒的な実力と言わざるを得ません。
まとめ:梶裕貴が繋いだジョジョのバトン
広瀬康一としての成長の物語、そしてジョニィ・ジョースターとしての魂の再生。梶裕貴さんは、ジョジョの奇妙な冒険という作品において、時代も世界線も超えた唯一無二の存在感を放っています。
アニメで康一の勇姿を追いかけるのも良し、ゲームジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル Rでジョニィの漆黒の意志に触れるのも良し。どちらを入り口にしても、そこには梶さんの魂が込められた「ジョジョ」が息づいています。
もし、まだゲーム版のボイスを聴いたことがないという方がいれば、ぜひ一度体験してみてください。アニメとはまた違う、梶さんの「攻め」の演技に驚かされるはずです。
これからも続くであろうジョジョのアニメ化プロジェクトの中で、再び梶さんの声がどこかで響く日が来るかもしれません。その時を楽しみに待ちながら、これまでの名演を振り返ってみてはいかがでしょうか。
以上、梶裕貴が演じたジョジョのキャラ一覧!広瀬康一からジョニィまで徹底解説でした。

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