『ドラゴンボール』の物語初期から中盤にかけて、亀仙人の住むカメハウスで紅一点の存在感を放っていた女性、ランチ。くしゃみ一つで人格も髪の色も豹変するという強烈な個性を持っていた彼女ですが、物語が「サイヤ人編」に突入するあたりから、パタリと姿を消してしまいました。
「あれ、そういえばランチさんってどこに行ったの?」「天津飯と結婚したんじゃなかったっけ?」と、大人になってから疑問に思うファンも多いはずです。実は彼女が物語からフェードアウトした裏側には、作者である鳥山明先生の意外な「うっかり」や、物語のスケールアップに伴う大人の事情が隠されていました。
今回は、ランチの正体や魅力、そしてファンが最も気になる「その後」の行方について、公式情報を交えて徹底的に深掘りしていきます。
くしゃみで豹変!ランチというキャラクターの唯一無二の正体
ランチを語る上で欠かせないのが、その特殊すぎる体質です。彼女はくしゃみをすることで、見た目も性格も180度入れ替わるという、作中でも類を見ない二重人格キャラクターでした。
- 青髪(黒髪)のランチおっとりとしていて、非常に純粋な心の持ち主。あまりの純真さに、悟空やクリリンと一緒に「筋斗雲」に乗ることができました。家事全般が得意で、カメハウスの掃除や料理を一手に引き受ける良妻賢母なタイプです。
- 金髪のランチくしゃみをすると一変、鋭い目つきのワイルドな美女に。性格は極めて凶暴で、どこからともなく取り出すサブマシンガンや手榴弾を乱射する指名手配犯です。カメハウスにやってきた当初は悟空たちも手を焼いていましたが、次第に仲間として馴染んでいきました。
彼女の正体は、実は警察から追われる身の賞金首。アニメ版では200万ゼニーもの賞金がかけられていたこともあります。そんな彼女が、なぜか亀仙人の弟子入り志願の「手土産」として悟空たちに連れてこられたのが、波乱の生活の始まりでした。
なぜ物語から消えた?「忘れていた」という驚きの真相
読者の多くが「ランチさんはいつの間にかいなくなった」と感じている通り、彼女の出番は物語が進むにつれて激減しました。その理由は、大きく分けて3つあると考えられています。
1. 作者・鳥山明先生が「存在を忘れていた」
これはファンには有名な話ですが、鳥山先生は後のインタビューで「ぶっちゃけ、一時期彼女のことを完全に忘れていた」と語っています。週刊連載という過酷な状況下で、次々と新しい強敵(ベジータやフリーザなど)を描くうちに、初期の日常キャラであったランチの存在が記憶の隅に追いやられてしまったのです。
2. 超サイヤ人と設定が被ってしまった
ランチが金髪になり、性格が荒っぽくなるという演出は、後に登場する「超サイヤ人」の演出と酷似しています。鳥山先生は、読者がランチと超サイヤ人の変身を混同してしまうのを避けるために、あえて彼女を再登場させなかったという推察もなされています。
3. 戦闘力のインフレについていけなくなった
物語が宇宙規模の戦いに発展し、気功波や惑星破壊が当たり前になる中で、サブマシンガンを武器に戦うランチの活躍の場が物理的に失われてしまったという現実的な側面もあります。
天津飯との恋の行方!二人は結婚したのか?
ランチを語る上で外せないのが、三つ目の武道家・天津飯への恋心です。第23回天下一武道会で天津飯のストイックな姿に一目惚れした金髪ランチは、それ以降、一途に彼を追いかけるようになります。
原作漫画では、サイヤ人編の冒頭でブルマが「ランチなら数年前に天津飯を追いかけてどっか行っちゃったわよ」と語るシーンが、彼女に関する最後のまとまった言及となりました。
では、実際に二人は結ばれたのでしょうか?
鳥山明先生が後に明かした設定によると、「ランチは天津飯を追いかけて山奥での修行生活に押しかけたが、じっとしているのが苦手な性格のため、数日で飛び出してしまった」とのこと。しかし、その後も時々天津飯のもとを訪れては、交流を続けていたようです。
残念ながら、二人が正式に結婚したという記録はありません。不器用な武道家と、自由奔放な指名手配犯。そんなつかず離れずの距離感が、彼ららしい関係性だったのかもしれません。
アニメ版で見せた「再登場」と感動のシーン
原作ではフェードアウトしてしまったランチですが、アニメスタッフの愛もあり、アニメ版『ドラゴンボールZ』ではいくつか印象的な再登場シーンが用意されています。
- サイヤ人編の悲哀ベジータたちとの戦いで天津飯が命を落とした際、アニメではランチが場末の酒場で一人、彼の死を悼んで荒れるシーンが描かれました。彼女の深い愛情が伝わる、切ない名場面です。
- 魔人ブウ編での元気玉協力物語の最終盤、悟空が魔人ブウを倒すために全人類から元気を集めるシーン。ここで、トラックの運転手(あるいは運送業を営んでいる姿)として働く成長したランチが登場しました。彼女が空に向かって手を挙げる姿を見て、胸を熱くしたオールドファンも多いはずです。
ちなみに、この「元気玉への協力シーン」は、原作では人造人間17号が担当していましたが、アニメではランチに差し替えられる形で彼女の生存と元気な姿が確認されました。
ドラゴンボールのランチを振り返って思うこと
ランチというキャラクターは、初期の『ドラゴンボール』が持っていた「毒気のあるギャグ」と「冒険のワクワク感」を象徴する存在でした。くしゃみで性格が変わるというギミックは、今の時代に見ても非常に斬新です。
最近では、最新のフィギュア技術で彼女の躍動感ある姿が立体化されることも増えています。もし、当時の彼女の活躍を改めて手元で感じたいのであれば、ドラゴンボール ランチ フィギュアをチェックしてみるのも良いかもしれません。また、彼女の初登場シーンを読み返したい方はドラゴンボール コミックスで、その鮮烈なデビューを再確認してみてください。
物語の主役級からは退いてしまいましたが、彼女は間違いなく悟空たちの青春時代を彩った大切な仲間の一人です。
まとめ:ドラゴンボールのランチはなぜ消えた?再登場シーンやその後の正体、天津飯との関係を徹底解説!
ここまでランチの謎に満ちた経歴と、その後の足取りについて解説してきました。
彼女がいなくなった理由は、作者の失念や物語の演出上の都合といった現実的なものでした。しかし、作中のキャラクターたちは彼女のことを忘れておらず、天津飯との淡い関係や、アニメ版でのひっそりとした再登場を通じて、ランチという女性が確かにあの世界で生き続けていることが示されています。
「なぜ消えたのか」という問いの答えは、彼女が特定の場所に留まれない自由な魂の持ち主だったから、とも解釈できるでしょう。今も世界のどこかで、くしゃみをしながらマシンガンをぶっ放したり、あるいは誰かのために美味しい料理を作ったりしている……そんな想像を膨らませるのも、『ドラゴンボール』という作品の楽しみ方の一つではないでしょうか。

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