「悟空にそっくりだけど、どこか影があってクールなあの戦士は誰?」
ドラゴンボールという作品を語る上で、主人公・孫悟空の父である「バーダック」を外すことはできません。彼は単なる「主人公の親」という枠を超え、世界中のファンから熱狂的な支持を集めるカリスマキャラクターです。
しかし、長年ファンを続けている方ほど「昔のアニメと最近の映画で設定が違くない?」と混乱することもあるはず。それもそのはず、バーダックは原作者の鳥山明先生とアニメスタッフの情熱が複雑に絡み合って進化した、稀有なキャラクターだからです。
今回は、バーダックの基本プロフィールから、旧アニメ版と正史(新設定)の決定的な違い、そしてゲーム等で描かれる驚きの最強形態まで、その魅力を徹底的に掘り下げていきます。
バーダックという男の原点と基本プロフィール
バーダックは、惑星ベジータに住む戦闘民族サイヤ人の一人です。階級は「下級戦士」。エリート家系のベジータ王家などとは違い、最前線で泥臭く戦い続ける現場叩き上げの軍人といった立ち位置ですね。
外見は、息子である孫悟空(カカロット)と瓜二つ。ツンツンと逆立った黒髪に鋭い眼光。決定的な違いは、左の頬にある大きな十字傷です。この傷が、彼が潜り抜けてきた修羅場の多さを物語っています。
かつては「冷酷な侵略者」としての側面が強く描かれていましたが、物語が進むにつれて「家族への想い」や「戦士としての誇り」といった深みが加わっていきました。
ちなみに、彼の名前の由来は野菜の「ゴボウ(Burdock)」。ドラゴンボールらしいネーミングですが、泥の中で力強く育つゴボウのイメージは、泥臭く戦うバーダックにぴったりかもしれません。
そんな彼の活躍を家でじっくり楽しむなら、大画面のタブレットiPadなどがあると、アクションシーンの迫力がより一層引き立ちますよ。
旧アニメ版『たったひとりの最終決戦』で見せた孤独な英雄像
多くのファンが「バーダックといえばこれ!」と思い浮かべるのが、1990年に放送されたTVスペシャル版です。ここで描かれた彼は、まさに悲劇のヒーローでした。
このエピソードでのバーダックは、仲間と共に惑星を侵略する荒くれ者として登場します。しかし、ある星を攻めた際に生き残りの宇宙人から「未来を予知できる呪い」をかけられてしまうのです。
その予知夢の中で、彼は自分たちの主君であるフリーザがサイヤ人を裏切り、惑星ベジータを消滅させる未来を目の当たりにします。さらに、仲間たちがフリーザの部下・ドドリアらによって惨殺されている現場に遭遇。仲間の血で染まった白い布を頭に巻き、あの「赤いバンダナ」が誕生するシーンは、アニメ史に残る名場面です。
「フリーザを倒し、運命を変えてみせる!」
ボロボロになりながらも、たった一人でフリーザ軍の大軍勢に突っ込んでいく姿。そして、フリーザの巨大なデスボールに飲み込まれながら、遠い未来で息子・カカロットがフリーザと対峙する姿を予知し、笑みを浮かべて散っていく最期。
この「報われないけれど、未来に希望を託す」というハードボイルドな散り様が、バーダックを伝説のキャラクターに押し上げました。
映画『ブロリー』と漫画版『ドラゴンボール超』で描かれる「正史」の姿
時が経ち、原作者である鳥山明先生自らがバーダックの物語を再構築しました。これが現在「正史(公式設定)」とされているエピソードです。主に読み切り漫画『ドラゴンボール マイナス』や映画『ドラゴンボール超 ブロリー』で描かれています。
旧アニメ版との最大の違いは、彼の「性格」と「行動の動機」にあります。
正史のバーダックは、殺伐としたサイヤ人社会において珍しく、妻であるギネに対して深い愛情を持っていました。また、カカロットを地球へ逃がした理由も、予知夢ではなく「フリーザの不穏な動きを察知し、虫の知らせで息子の生存を優先した」という、親としての直感によるものでした。
「いつまでも命令を聞くだけの人生じゃつまらねえ。せめて、あいつ(カカロット)だけでも助けたいんだ」
この台詞に象徴されるように、正史のバーダックは「親としての愛」が強調されています。冷徹な戦士がふと見せた人間味。これもまた、ファンにとってはたまらないギャップですよね。
さらに最新の漫画版『ドラゴンボール超』のグラノラ編では、過去に他種族を助けていたエピソードも追加されました。スカウターをあえて外し、自分の本能だけで強敵と戦う姿は、悟空の「身勝手の極意」にも通ずるものがあると感じた読者も多かったのではないでしょうか。
伝説の超サイヤ人?バーダックが到達した最強形態の数々
さて、気になるのがバーダックの「強さ」です。原作やアニメ本編では、フリーザに一撃で敗北してしまいますが、スピンオフ作品やゲームの世界では、彼はとんでもない進化を遂げています。
もっとも有名なのが、OVA『エピソード オブ バーダック』で見せた「超サイヤ人」への覚醒です。
フリーザの攻撃で死んだと思われたバーダックが、実は過去の惑星ベジータ(惑星プラント)にタイムスリップしていたというIFストーリー。そこでフリーザの先祖である宇宙海賊チルドと戦い、怒りによって金色の戦士へと変身します。
「伝説の超サイヤ人」の正体は、実は過去に飛ばされたバーダックだった……というファンサービス満載の設定は大きな話題を呼びました。
さらに、データカードダスや家庭用ゲームPlayStation 5で展開される『ドラゴンボールヒーローズ』の世界では、設定がさらに加速します。
- 超サイヤ人2・3: お馴染みの形態も次々と習得。
- 超サイヤ人4: 『GT』でお馴染みの野性味溢れる姿。バーダックの髪型と赤い体毛が非常にマッチしています。
- 仮面のサイヤ人: 暗黒魔界の力で洗脳された姿。謎めいた雰囲気で一時期大きなブームとなりました。
こうした「もしもバーダックが生き残って修行を続けていたら?」というIFを体験できるのが、ドラゴンボールというコンテンツの懐の深さですね。
バーダックが愛され続ける理由:ソリッドステート・スカウターと生き様
なぜ、バーダックはこれほどまでに愛されるのでしょうか。
一つは、彼の戦闘シーンを彩った楽曲「ソリッドステート・スカウター」の影響も無視できません。あのイントロの電子音と、カウントダウンするようなリズム。インストゥルメンタルでありながら、これから死地へ向かう男の悲哀と決意を見事に表現していました。
そしてもう一つは、私たちが抱く「ルーツへの憧れ」です。
最強のヒーローである悟空。その父親が、実はエリートではなく、泥臭くあがいて運命を変えようとした「下級戦士」だったという設定。これは、努力で運命を切り拓くというドラゴンボールのテーマそのものを体現しています。
最新作で悟空が父の遺志を知り、自分のアイデンティティを見つめ直す展開は、まさに親子二代にわたる壮大な大河ドラマの完結編と言えるでしょう。
彼の軌跡を改めて予習したい方は、アニメのBDセットや、関連書籍ドラゴンボール超をチェックしてみるのがおすすめです。
まとめ:ドラゴンボールのバーダックとは?正史と旧アニメの設定差や最強形態まで徹底解説!
バーダックは、一つの作品の中で「二つの顔」を持つ特殊なキャラクターです。
仲間のために孤独に散った「旧アニメ版の悲劇の戦士」としての顔。
そして、家族を想い息子の未来を拓いた「正史版の慈愛ある父」としての顔。
どちらが正しいというわけではなく、その両面が合わさって今の「バーダック」という巨大な人気キャラクターが形作られています。クールで、不器用で、誰よりも熱い誇りを持ったサイヤ人。
彼が命を賭して守り、地球へと送り出したカカロット(悟空)が、今や宇宙最強の戦士として銀河を救い続けている……。その事実を噛みしめながら作品を見返すと、また新しい感動がこみ上げてくるはずです。
これからも『ドラゴンボール超』の物語や、新しいゲーム展開の中で、彼がどのような「父親の背中」を見せてくれるのか、ファンとして見守り続けていきましょう!

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