「人造人間編」の幕開けとともに現れた、不気味な老人と太った人形のような二人組。リアルタイムでジャンプを読んでいた世代も、アニメで後追いした世代も、あの初登場シーンの衝撃は忘れられませんよね。
特に、帽子を脱いだ瞬間に露わになった透明なドーム状の頭部と、そこに収められた「脳」。自らを「20号」と呼ぶその老人の正体が、かつて孫悟空が壊滅させたレッドリボン軍の天才科学者「ドクター・ゲロ」だったと判明したとき、物語の因縁は一気に加速しました。
今回は、なぜ彼が自ら人造人間になる道を選んだのか、その強さの秘密や、物語の裏側に隠された驚きの制作秘話まで、ドラゴンボールファンなら知っておきたい情報を凝縮して解説します。
人造人間20号の正体はレッドリボン軍の生存者「ドクター・ゲロ」
物語の序盤、レッドリボン軍編で孫悟空に野望を打ち砕かれた軍隊のことを覚えていますか?世界最悪の軍隊と呼ばれながら、一人の少年に壊滅させられたあの組織です。その軍に所属し、あらゆる兵器開発を一手に引き受けていたのがドクター・ゲロでした。
彼は軍が壊滅した後も生き延び、北の都近くにある山奥の研究所に潜伏。たった一人で孫悟空への復讐を誓い、長年にわたって研究を続けていたのです。その執念が生んだのが、セルや17号、18号といった恐るべき人造人間たちでした。
しかし、20号として現れた彼自身の姿は、どこか異様でした。なぜ彼は、わざわざ「老人」の姿のまま人造人間になったのでしょうか。
自らを改造した最大の理由は「永遠の生命」への渇望
ドクター・ゲロが自分を人造人間20号に改造した理由は、単なる戦闘力の向上だけではありません。最大の目的は「老いによる死の克服」と「永遠の知能の維持」にありました。
天才ゆえに、彼は自分の肉体が老いさらばえていくことに耐えられなかったのでしょう。自分の頭脳こそが世界で最も価値があるものだと信じていた彼は、脳だけを特殊な液体に浸し、それ以外の部位をすべて機械化することで、肉体の限界を超えようとしたのです。
ちなみに、自分自身を改造する手術は、忠実な部下である人造人間19号に行わせたとされています。自分を執刀させるために、まずは感情を持たない完全ロボット型の19号を完成させるという徹底ぶり。まさにマッドサイエンティストの鑑とも言える慎重さです。
19号と20号に採用された「エネルギー吸収式」のメリットと欠点
人造人間20号(ドクター・ゲロ)と19号には、後の17号や18号とは決定的に違う特徴があります。それが「エネルギー吸収式」という構造です。
手のひらに取り付けられた赤い玉状の装置で相手に触れる、あるいは相手が放った気功波を受け止めることで、そのエネルギーを自分のパワーとして取り込むことができます。このタイプには以下のような特徴がありました。
- 気の探知が不可能: 全身が機械ベース(20号は脳以外)のため、悟空たちが得意とする「気」を探知して居場所を探る方法が通用しません。
- 戦えば戦うほど強くなる: 相手のエネルギーを吸い取るため、理論上は格上の相手に対しても逆転のチャンスがあります。
- スタミナの概念が特殊: 永久エネルギー炉ではないため、動くためには常にエネルギーを補給し続ける必要があります。
実際、心臓病に苦しんでいたとはいえ、超サイヤ人の悟空を窮地に追い込んだのは、この「吸い取る力」があったからこそ。初見殺しの能力としては非常に優秀でした。
20号の強さはどのくらい?超サイヤ人やピッコロとの比較
では、実際の戦闘力はどれほどのものだったのでしょうか。結論から言うと、人造人間編のインフレの中では「中堅」クラスに留まります。
悟空やベジータとの実力差
初戦では病に侵された悟空からエネルギーを奪い、優位に立ちました。しかし、心臓病の薬で復活し、修行を積んで現れたベジータの前では、その実力差は歴然でした。
ベジータが19号を圧倒し、ビッグ・バン・アタックで破壊したのを見て、20号は戦慄します。自分の計算(データ収集)では、悟空たちの成長速度はあそこまで速くないはずだったからです。ベジータからは「ゴミ」とまで言われる始末で、純粋なパワー勝負では超サイヤ人の足元にも及びませんでした。
ピッコロとの意外な勝負の行方
逃走を図った20号は、岩場に隠れて一人ずつ不意打ちを狙います。そこでピッコロからエネルギーを奪い、一時は形勢を立て直したかに見えました。
しかし、悟飯の助けによって解放され、仙豆で回復したピッコロとのタイマン勝負では、逆に圧倒されてしまいます。この時のピッコロは神様と合体する前でしたが、3年間の猛修行によって超サイヤ人に匹敵する実力を手に入れていました。20号はピッコロの片腕を切り落とす場面もありましたが、最終的にはパワー負けし、逃げ出さざるを得なくなりました。
歴史がズレた?トランクスの予言と20号の登場
ここでファンが首をかしげるのが、「歴史のズレ」の問題です。未来から来たトランクスは当初、「3年後に現れるのは二人組の人造人間で、街を破壊し尽くす」と予言していました。
しかし、実際に現れたのは19号と20号。トランクスが過去に来て「人造人間が出るぞ」と警告したことで、歴史が微妙に変化してしまったのです。
なぜ20号たちが先に現れたのか
本来の歴史(トランクスの未来)では、17号と18号が最初から暴れていたはずでした。しかし、この時間軸ではドクター・ゲロが「悟空たちの実力が予想以上に上がっている可能性」を考慮し、自分たちで確実に始末しようと早めに動き出したと考えられます。
また、トランクスが過去を変えたことで、ゲロの行動原理や起動のタイミングにバタフライエフェクトが生じた結果、19号と20号が先行して表舞台に立つことになったのです。
衝撃の最期とドクター・ゲロが遺した「呪い」
20号ことドクター・ゲロの最期は、自らが作り出した作品による反逆という、皮肉なものでした。
追い詰められた彼は、研究所に隠していた「永久エネルギー炉」を持つ17号と18号を起動させます。しかし、人間をベースに改造された彼らは、自分たちの人生を狂わせたゲロを深く憎んでいました。
17号によって緊急停止スイッチ(コントローラー)を奪われ、破壊された挙げ句、首を蹴り飛ばされるという悲惨な結末。天才科学者の最期としては、あまりにも呆気ない幕切れでした。
セルという名の「執念」
しかし、20号が死んでも復讐は終わりませんでした。彼の執念は、研究所の地下で眠っていたバイオテクノロジーの結晶「セル」へと引き継がれていました。
ドラゴンボール セル フィギュアなどでも人気の高いこのキャラクターは、ゲロの死後もコンピュータが自動で研究を続けた結果生まれた、いわばゲロの「魂の遺作」です。自分が死んでもなお、悟空を殺すためのシステムが動き続ける。これこそがドクター・ゲロという男の真の恐ろしさだったと言えるでしょう。
制作秘話:実は20号が「ラスボス」になる予定だった?
ここで、少しメタ的な視点から面白いエピソードを紹介します。実は、原作者の鳥山明先生の構想では、この人造人間19号と20号が、そのままこの章のメインヴィランとして活躍する予定だったそうです。
しかし、当時の元担当編集者である鳥嶋和彦氏(マシリトのモデル)から、電話で強烈なダメ出しが入りました。
「今度の敵はじじい(20号)とデブ(19号)ですか?パンチが足りないから変えてください」
この一言により、急遽「真の敵」として17号と18号が登場することになり、さらにその後「若造じゃないか」と言われてセルが登場するという、二転三転する展開が生まれました。もしあの時、20号がそのままラスボスとして居座っていたら、ドラゴンボールの歴史は全く違うものになっていたかもしれませんね。
まとめ:ドラゴンボールの人造人間20号の正体は?ドクター・ゲロが自身を改造した理由と強さを徹底解説!
いかがでしたでしょうか。人造人間20号ことドクター・ゲロは、強さの数値だけを見れば、後のセルや魔人ブウには及びません。しかし、その知略と執念、そして「自分の脳を機械に移植する」という狂気的な行動は、シリーズ屈指のインパクトを放っています。
- 正体はレッドリボン軍のドクター・ゲロ。
- 改造理由は、永遠の命と復讐のため。
- 強さは超サイヤ人以下だが、エネルギー吸収能力が厄介。
- 最期は17号に破壊されるが、セルの誕生という呪いを遺した。
改めてアニメや原作を見返してみると、彼の焦りや計算違い、そして科学者としてのプライドが垣間見えて非常に興味深いです。
ドラゴンボール完全版を読み返して、あの緊迫した「3年後の5月12日、午前10時」の空気感をもう一度味わってみるのも良いかもしれませんね。
物語を深く知ることで、かつて見ていたバトルシーンがより一層面白くなるはずです。ドラゴンボールの奥深い世界を、これからも一緒に楽しんでいきましょう!
次は、彼が最も恐れた「17号・18号の誕生秘話」について詳しく調べてみようと思います。気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。

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