「もう、オレは戦わない……」
ベジータにそう言わせるほどの衝撃。そして、読者全員が息を呑んだ「あの親子」の共演。鳥山明先生が描く金字塔『ドラゴンボール』の中でも、最高潮の盛り上がりを見せるのがこのドラゴンボール 35巻です。
セルゲームという絶望的な状況下で、ついに覚醒した孫悟飯。しかし、最強の力を手に入れた代償はあまりにも大きく、物語は予想だにしない悲劇と感動のラストへと突き進んでいきます。今回は、全ファンが涙した35巻の魅力を徹底的に深掘りしていきましょう。
眠れる獅子の目覚め!孫悟飯、怒りの超サイヤ人2へ
ドラゴンボール 35巻の幕開けは、まさに「絶望」の一言でした。セルが生み出した化け物「セルジュニア」たちに、悟空やベジータ、ピッコロといった戦士たちがなす術もなく痛めつけられます。
仲間たちの悲鳴が響く中、心優しい悟飯はまだ自らの殻を破れずにいました。そんな彼の背中を押したのは、意外にもカプセルコーポレーションで作られた人造人間16号の言葉でした。
「正しいことのために戦うのは罪ではない……。精神を怒りを解放しろ……」
無惨に破壊された16号の頭部を、セルが踏みにじる。その瞬間、悟飯の中で「プツン」と何かが切れる音がしました。涙を流しながらも、黄金のオーラを激しく噴き上げ、青白い火花を纏ったその姿。そう、伝説を越えた「超サイヤ人2」の誕生です。
ここからの悟飯は、まさに圧倒的でした。あんなに苦戦していたセルジュニアたちを一撃で粉砕し、完全体セルを子供扱いするその強さ。読者は皆、悟飯のあまりの格好良さに震えたはずです。
強大すぎる力の罠と、父・悟空が選んだ自己犠牲
しかし、強すぎる力は時に残酷な「慢心」を生みます。悟空が「早くトドメを刺せ!」と叫ぶにもかかわらず、悟飯は「あんな奴はもっと苦しませてやらなきゃ」と、冷酷な笑みを浮かべて攻撃を止めてしまいます。
追い詰められたセルは、プライドをズタズタにされ、最悪の手段を選びます。それが「自爆」です。
地球ごと吹き飛ばそうとするセルを前に、誰も手出しができません。自分の甘さが招いた事態に絶望する悟飯。その時、一歩前に出たのは父・悟空でした。
「バイバイ、みんな」
笑顔で仲間たちに別れを告げ、悟空は瞬間移動で自爆寸前のセルと共に界王星へ飛びます。地球を救うために選んだ、二度目の死。このシーンは、何度読み返しても胸が締め付けられます。悟空という男の生き様が、この数ページに凝縮されているからです。
絶望からの復活!パーフェクトセルと「親子かめはめ波」
悟空の死によって平和が戻ったかと思われた瞬間、再び戦慄が走ります。一発のエネルギー弾がトランクスの胸を貫きました。
セルの復活。しかも、サイヤ人の特性である「死の淵からのパワーアップ」を遂げ、悟空の瞬間移動まで習得した「パーフェクトセル」となって帰ってきたのです。
トランクスを殺された怒りで理性を失い、突撃するベジータ。しかし、パワーアップしたセルの前には歯が立ちません。ベジータを庇った悟飯は左腕を負傷し、絶体絶命のピンチに陥ります。
「もうダメだ……地球は終わりだ……」
諦めかける悟飯の耳に、死んだはずの父の声が届きます。界王様を通じて、あの世から悟空が語りかけてきたのです。
「負けるな!お前の力はそんなもんじゃないはずだ!」
そこから始まるのが、漫画史に残る名シーン中の名シーン。負傷した左腕をだらりと下げ、右手一本で放つかめはめ波。その背後には、優しく、力強く息子を支える悟空の姿がありました。これこそが、全読者の魂を揺さぶった「親子かめはめ波」です。
ベジータが放った一瞬の隙を作る気功波、そして悟空の「今だーーーっ!!」という叫び。悟飯が全エネルギーを解放し、セルを細胞一つ残さず消滅させるラストシーンは、まさに圧巻の一言です。
戦士たちの休息と、未来を救うトランクスの旅立ち
セルの脅威が去り、物語は静かなエピローグへと向かいます。
ここで注目したいのが、クリリンの優しさです。神龍への願いで、人造人間18号の体内にあった爆弾を取り除いてあげたシーン。この何気ないやり取りが、後の魔人ブウ編での二人の関係に繋がっていくと思うと、非常に感慨深いものがあります。
そして、悟空は「オレがいない方が、地球は平和なんじゃないかと思ってな」と、生き返ることを辞退します。常に新しい強敵を惹きつけてしまう自分の性質を理解し、次世代(悟飯)へ未来を託す姿は、まさに物語の主人公としての引き際を見事に描いています。
最後に描かれるのは、自分の時代へ帰ったトランクスの戦いです。かつて太刀打ちできなかった17号、18号を圧倒し、さらに完全体になる前のセルをも瞬殺。ついに、トランクスのいた絶望の未来に、本当の平和が訪れました。
読者はここでようやく、ドラゴンボール 35巻という一冊を通じて描かれた「継承と希望」の物語が完結したことを実感するのです。
ドラゴンボール35巻のあらすじ・見どころ解説!セルの最期と孫悟飯覚醒の感動を再び
さて、ここまでドラゴンボール 35巻の魅力を振り返ってきましたが、いかがでしたでしょうか。
この巻には、単なるバトル漫画の枠を超えた「親子の絆」「成長の痛み」「自己犠牲の尊さ」が詰まっています。悟飯が超サイヤ人2に目覚めた時の鳥肌が立つような高揚感、悟空との別れの切なさ、そして親子かめはめ波の圧倒的なカタルシス。
もし、あなたが「最近ドラゴンボールを読んでいないな」と思っているなら、ぜひもう一度この35巻を手に取ってみてください。大人になってから読み返すと、悟空の覚悟やベジータの親心、そして16号が遺した言葉の重みが、当時以上に心に響くはずです。
鳥山明先生が描いた、少年漫画の最高到達点。その熱量をぜひ、あなたの目で再び確かめてください。
ドラゴンボール 35巻を読み終えた時、きっとあなたも「戦士たちの物語」がくれた勇気を感じるはずです。

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