国民的漫画として今なお世界中で愛され続けている『ドラゴンボール』。全42巻という壮大な物語の中でも、特に大きな転換点となるのがこの第36巻です。
セルとの死闘から7年。平和が訪れた地球を舞台に、物語は誰も予想しなかった方向へと動き出します。かつての主人公・孫悟空が不在の中、成長した息子・悟飯が送る学園生活、そして忍び寄る「魔導士バビディ」の影……。
今回は、ファンならずとも読み返したくなるドラゴンボール36巻の魅力を、あらすじと見どころを交えて徹底的に深掘りしていきます。
平和な日常に現れた新ヒーロー「グレートサイヤマン」
物語の幕開けは、セルゲーム終了から7年が経過したところから始まります。かつて地球を救った少年・孫悟飯は、16歳の高校生へと成長していました。
オレンジスターハイスクールでの新生活
悟飯はサタンシティにある「オレンジスターハイスクール」に通うことになりますが、ここで彼を悩ませたのは勉強ではなく「自分の正体を隠すこと」でした。常人離れした身体能力を持つ悟飯にとって、普通の高校生を演じるのは至難の業。つい本気を出してしまいそうになる自分を抑えながら、慣れない都会での生活に奮闘します。
正義の味方の誕生とビーデルとの出会い
街の悪事を放っておけない悟飯は、ブルマに頼んで変身スーツを作ってもらいます。こうして誕生したのが、あのポージングが特徴的な「グレートサイヤマン」です。
しかし、同級生でありミスター・サタンの娘でもあるビーデルに、早々と正体がバレそうになってしまいます。このコミカルなやり取りは、これまでのシリアスなバトル路線とは一線を画す、鳥山明先生らしい「お遊び」が詰まった非常に楽しいパートです。
悟空が1日だけ帰還!第25回天下一武道会の開幕
36巻の最大のハイライトの一つは、あの孫悟空が「死後の世界」から1日だけ現世に戻ってくるという展開です。
Z戦士たちの再集結
悟空が天下一武道会に出場すると聞き、散りぢりになっていた仲間たちが再び集結します。ベジータ、クリリン、ピッコロ、そして18号。さらには、悟空の次男である孫悟天と、ベジータの息子・トランクスという「新世代」の天才児たちも参戦。
読者としては「誰が一番強いのか?」というワクワク感が最高潮に達する瞬間です。特に、悟空とベジータが直接対決する予兆には、多くのファンが胸を熱くしました。
幼き天才、悟天とトランクスの衝撃
この巻で驚かされるのは、悟天とトランクスの圧倒的なポテンシャルです。修行らしい修行もしていない幼い二人が、いとも簡単に「超サイヤ人」に変身してしまうシーンは、ベジータならずとも衝撃を隠せません。この「新世代の台頭」が、後の魔人ブウ編の鍵を握ることになります。
謎の二人組と界王神の介入で急変する事態
お祭りムードだった天下一武道会ですが、謎の二人組「シン」と「キビト」の登場によって、空気は一変します。
ピッコロを戦慄させた界王神の威圧感
注目すべきは、あの誇り高きピッコロが、シンとの対戦を前に「次元が違いすぎる」と棄権してしまうシーンです。神様と融合したピッコロですら恐れおののく存在。宇宙の頂点に立つ「界王神」という概念が初めて提示され、物語のスケールは一気に宇宙規模へと跳ね上がります。
悟飯のエネルギーが奪われる異常事態
試合中、スポポビッチとヤムーという不気味な二人組が、超サイヤ人に変身した悟飯を襲います。彼らの目的は、界王神ですら恐れる邪悪な存在「魔人ブウ」を復活させるための純粋なエネルギーを奪うことでした。
ここで描かれるスポポビッチの異常なタフネスと執念は、それまでの敵とは異質な「気味の悪さ」を醸し出しており、物語が暗雲に包まれていく予兆を感じさせます。
魔導士バビディの宇宙船と恐怖のゲーム
奪われたエネルギーを追って、悟空たちは界王神と共に砂漠の奥地に隠されたバビディの宇宙船へと向かいます。
邪悪な魔導士バビディと暗黒魔界の王ダーブラ
ここで登場するのが、最凶の魔導士バビディと、その配下となった暗黒魔界の王・ダーブラです。ダーブラの強さは当時の悟空をして「セルと同じくらい」と言わしめるほど。
さらに、唾を吐きかけて相手を石化させる特殊能力など、これまでの力押しのバトルとは異なる「魔法」の要素が加わり、戦いはより予測不能なものへと進化していきます。
ステージ制のバトルロイヤル
バビディの宇宙船は、地下へ降りるごとに刺客が待ち構えるステージ制になっています。
- 第一ステージ:惑星ズンの戦士プイプイ
- 第二ステージ:光を喰らう魔獣ヤコン
悟空やベジータにとっては準備運動のような相手でしたが、ここでの戦いを通じて、彼らがこの7年間でどれほど異次元の強さに到達していたかが示されます。特にヤコンの暗闇での戦いにおいて、悟空が見せた「超サイヤ人の一瞬の輝き」による攻略は圧巻の一言です。
36巻が描く「絶望へのカウントダウン」
36巻の終盤にかけて、物語は「魔人ブウ復活」という最悪の結末に向けて加速していきます。
ベジータはバビディの支配を受け入れようとする兆候を見せ始め、悟飯は修行不足を露呈し、界王神はただただ焦燥感に駆られる。この「少しずつ歯車が狂っていく感覚」こそが、魔人ブウ編前半の醍醐味と言えるでしょう。
ビーデルの成長と人間ドラマ
バトルの裏側で描かれる、ビーデルが「気」をコントロールし、舞空術を習得していく過程も見逃せません。ただ守られるだけのヒロインではなく、自ら強くなろうとする彼女の姿勢は、後の悟飯との絆を深める重要な要素となっています。
ドラゴンボール36巻を今すぐ読み返すべき理由
36巻は、ただの格闘漫画の続きではありません。
- ギャグとシリアスの絶妙なバランス
- 新世代(悟天・トランクス)への期待感
- 「魔法」や「宇宙の神」という新設定の導入
これらが複雑に絡み合い、物語が最もダイナミックに動く瞬間を閉じ込めた一冊です。かつてリアルタイムで読んでいた方も、今の視点で読み返すと、バビディの狡猾さやベジータの抱える葛藤に新しい発見があるはずです。
まとめ:ドラゴンボール36巻のあらすじと見どころは?魔人ブウ復活の絶望と新世代の覚醒!
ここまで振り返ってきた通り、ドラゴンボール36巻は、平和な日常が崩壊し、宇宙規模の災厄へと繋がっていくスリリングな展開が凝縮されています。
悟飯のハイスクール編で笑い、天下一武道会での悟空との再会に感動し、そしてバビディの宇宙船での不気味な戦いに手に汗握る。この一巻だけで、読者は感情のジェットコースターに乗せられることになります。
魔人ブウという史上最強の敵を前に、Z戦士たちはどう立ち向かうのか。そのすべての序章であり、最もワクワクする瞬間が詰まった36巻を、ぜひその手で確かめてみてください。伝説の続きは、ここから加速していきます。

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