「ドラゴンボール」の物語の中で、主人公・孫悟空の父であるバーダックは、圧倒的なカリスマ性を誇るキャラクターです。彼を主役に据えた作品の中でも、特に異色かつ熱い展開で知られるのが『ドラゴンボール エピソード オブ バーダック』ですよね。
「死んだはずのバーダックがなぜ生きているの?」
「これって鳥山明先生が考えた公式のストーリーなの?」
「映画『ブロリー』の設定と違う気がするけれど、どっちが本当?」
そんな疑問を抱えているファンのために、本作のあらすじから衝撃の結末、そして避けては通れない「正史との矛盾」について、徹底的に深掘りしていきます。これを読めば、バーダックという男の伝説がより一層深く理解できるはずです。
ドラゴンボール エピソード オブ バーダックの衝撃的なあらすじ
本作の物語は、ファンなら誰もが知るあの絶望的なシーンから始まります。宇宙の帝王フリーザの手によって、惑星ベジータが消滅させられる直前。たった一人でフリーザ軍に反旗を翻したバーダックは、巨大なデスボールに飲み込まれ、宇宙の塵となった……はずでした。
しかし、バーダックが目を覚ますと、そこは見知らぬ惑星のほとり。体中に傷を負った彼を介抱してくれたのは、不思議な薬草を扱う先住民族「プラント星人」たちでした。
実は、バーダックは爆発の衝撃によって、過去の時代へとタイムスリップしていたのです。かつての「惑星ベジータ」が「惑星プラント」と呼ばれていた時代。そこで彼は、平和に暮らす村人たちや、自分を慕う少年ベリーと出会います。
サイヤ人らしい冷徹さを装いつつも、彼らの純粋な優しさに触れ、少しずつ心境に変化が生じていくバーダック。しかし、平穏な時間は長くは続きません。その星に、フリーザの先祖である宇宙海賊「チルド」率いる軍団が襲来するのです。
宿敵チルドとの死闘と超サイヤ人への覚醒
惑星プラントを侵略し、住民を虐殺し始めるチルド一族。その姿は、バーダックが最も憎み、そして敗北を喫したフリーザそのものでした。
一度は戦いに加わることを拒んでいたバーダックでしたが、自分を救ってくれたベリーたちが傷つけられる光景を目の当たりにし、ついに戦場へと向かいます。しかし、当時のバーダックの力をもってしても、宇宙海賊の頭領であるチルドの圧倒的な力の前には膝を屈することになります。
地面に叩きつけられ、自分の無力さに打ちひしがれるバーダック。仲間を守れなかった過去、そして今目の前で繰り返される惨劇。「俺がもっと強ければ……!」という自分自身への激しい怒りと、フリーザ一族への憎悪が頂点に達したその時、奇跡が起こります。
黒髪は逆立ち、黄金のオーラが吹き荒れる。伝説に語り継がれる最強の戦士「超サイヤ人」へと変貌を遂げたのです。
語り継がれる「伝説の超サイヤ人」の結末
超サイヤ人となったバーダックの力は、チルドを圧倒しました。どんな攻撃も通用せず、逆にバーダックの圧倒的な一撃によってチルドは宇宙の彼方へと吹き飛ばされます。
瀕死の重傷を負ったチルドは、自らの部下たちに遺言を残しました。
「一族に伝えろ……金色に光るサイヤ人には気をつけろ、と……」
この言葉こそが、何世代にもわたってフリーザ一族に受け継がれる「伝説の超サイヤ人」への恐怖の始まりだった、というのが本作の結末です。つまり、フリーザがサイヤ人を滅ぼそうとした根源的な理由は、先祖が過去でバーダックに敗北したからという「ループ構造」になっているわけですね。
本作は正史?映画や原作との設定矛盾を整理
さて、ここで多くのファンが突き当たる壁が「この話は公式(正史)なのか?」という問題です。結論から言うと、本作は「公式スピンオフ(外伝)」であり、鳥山明先生が描く正史ルートとは異なる「IFストーリー」として扱うのが一般的です。
設定の矛盾点を整理してみましょう。
- 『ドラゴンボール超 ブロリー』との違い:映画『ブロリー』や原作の番外編『ドラゴンボールマイナス』では、バーダックはフリーザの襲来を予感し、息子(カカロット)をポッドで逃がした後、惑星ベジータと運命を共にしています。そこではタイムスリップの設定はありません。
- キャラクター性の変化:本作のバーダックは、1990年のテレビスペシャル『たったひとりの最終決戦』の硬派で殺伐としたイメージを引き継いでいます。一方で、近年の正史におけるバーダックは、妻のギネを愛し、子供を心配する「父親としての情愛」を持つキャラクターとして描かれています。
- 超サイヤ人の起源:鳥山先生の設定では、最初の超サイヤ人は「ヤモシ」という名のサイヤ人であると言及されています。そのため、バーダックが最初の超サイヤ人であるという本作の設定は、あくまでアニメ・漫画独自のものとなります。
このように矛盾点は多々ありますが、だからといって本作の価値が下がるわけではありません。むしろ「もしもあの時、バーダックが生きていたら」というファンの夢を形にした、最高のご褒美のような作品と言えるでしょう。
バーダックの魅力をさらに楽しむための関連作品
バーダックの物語は、この『エピソード オブ バーダック』以外にも、様々な媒体で語られています。
まず、彼の原点を知るなら、アニメスペシャル『たったひとりの最終決戦』は欠かせません。この作品があったからこそ、バーダックはここまで愛される存在になりました。また、最新の正史設定を確認するなら、映画ドラゴンボール超 ブロリーをチェックすることをおすすめします。こちらでは、より人間味あふれるバーダックの姿を見ることができます。
さらに、ゲーム作品でも彼の活躍は止まりません。ドラゴンボールZ KAKAROTの追加ダウンロードコンテンツでは、バーダックの最期を追体験できるシナリオが用意されており、圧倒的な没入感で彼の戦いを楽しむことができます。
ドラゴンボール エピソード オブ バーダックは正史?あらすじや結末、矛盾を徹底解説!のまとめ
いかがでしたでしょうか。
『ドラゴンボール エピソード オブ バーダック』は、厳密な時系列や正史の設定に当てはめると、確かに矛盾が生じる作品かもしれません。しかし、一族の仇を討つために過去で覚醒し、伝説の起源となるその姿は、多くのファンの心を震わせました。
あらすじを振り返れば、バーダックという男がいかに孤独で、かつ気高い戦士だったかが分かります。正史とは違う道筋であっても、彼が超サイヤ人としてチルドを撃破する結末は、サイヤ人の誇りを感じさせてくれる素晴らしいエピソードです。
もし、まだ映像で見たことがないという方がいれば、ぜひ一度チェックしてみてください。悟空とはまた違う、もう一人の伝説の始まりに立ち会えるはずです。
「正史か、外伝か」という枠を超えて、バーダックという一人の戦士が残した爪痕を、ぜひあなた自身の目で確かめてみてくださいね。
次は、バーダックの妻であるギネとの出会いや、もう一人の息子・ラディッツとの関係についても詳しく掘り下げてみましょうか?

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