「ドラゴンボールの世界で、フリーザよりも前に超サイヤ人と戦った一族がいる」と聞いたら、驚く方も多いのではないでしょうか?その人物こそが、フリーザの先祖にあたる宇宙海賊の首領、チルドです。
悟空たちが戦ってきた強敵たちのルーツに迫る物語『エピソード オブ バーダック』。そこで明かされた「超サイヤ人伝説」の真実と、チルドというキャラクターの恐るべき影響力について、ファンなら知っておきたい情報を凝縮してお届けします。
フリーザの先祖「チルド」の正体と初登場エピソード
まず、ドラゴンボールのチルドとは一体何者なのか、そのプロフィールから整理していきましょう。
チルドは、Vジャンプで連載された漫画およびアニメ作品『エピソード オブ バーダック』に登場するメインキャラクターです。外見はフリーザの第一形態によく似ていますが、頭部の角が短く、耳の形が異なり、豪華なマントを羽織っているのが特徴。体格もフリーザより少し小ぶりで、どこか幼さや狡猾さを感じさせるビジュアルをしています。
物語の舞台は、惑星ベジータが破壊される直前、フリーザの攻撃によって過去の「惑星プラント」へとタイムスリップしてしまったバーダックの時代です。そこで、当時宇宙を荒らし回っていた宇宙海賊のリーダーとして君臨していたのがチルドでした。
性格はまさに「フリーザ一族」そのもの。非常に冷酷で、惑星プラントの住人を平気で傷つけ、部下に対しても容赦がありません。特筆すべきは、相手を油断させてから痛めつけるという卑劣な戦術を好む点です。このあたり、後のフリーザが持つ「慇懃無礼な残酷さ」の源流を感じさせますね。
チルドの推定戦闘力と戦い方
気になるのがチルドの強さです。作中では具体的な戦闘数値(スカウターの数値)は出てきませんが、描写からその実力を推測することができます。
当時のバーダックは、フリーザ軍の精鋭部隊である「ドドリア」の部下たちを圧倒し、死線を潜り抜けてきたことでサイヤ人の中でもトップクラスの戦闘力(推定1万以上)を持っていました。しかし、通常のバーダックではチルドの指先から放たれる攻撃に手も足も出ませんでした。
このことから、チルドは少なくとも数十万単位の戦闘力を持っていたと考えられます。フリーザの第一形態が53万であることを考えると、その先祖であるチルドも同等、あるいはそれに近い実力者であったことは間違いありません。
戦い方は、フリーザ一族らしくエネルギー弾(デスビームに近い技)や、尻尾を使った攻撃を得意としています。しかし、彼は自分より強い存在に出会ったことがなかったためか、精神的な脆さも持ち合わせていました。
超サイヤ人バーダックとの死闘と「伝説」の始まり
チルドを語る上で欠かせないのが、超サイヤ人となったバーダックとの決戦です。
惑星プラントの優しい住人たちがチルドの手によって傷つけられる姿を見たバーダックは、己の無力さへの怒りと仲間を救えなかった悔しさから、ついに伝説の戦士「超サイヤ人」へと覚醒します。
金色に輝くオーラを纏ったバーダックに対し、チルドは「色がなんだ!」と激昂して攻撃を仕掛けますが、まったく通用しません。超サイヤ人の圧倒的なパワーの前に、チルドは宇宙空間まで吹き飛ばされ、致命傷を負うことになります。
この敗北こそが、ドラゴンボール本編でフリーザが恐れ続けていた「超サイヤ人伝説」の真の正体だったのです。
瀕死の状態のまま宇宙船に回収されたチルドは、息を引き取る直前、部下たちにこう言い残しました。
「一族に伝えろ……。金色に光るサイヤ人には気をつけろ、と……」
この遺言が数千年の時を経て一族の禁忌となり、フリーザが惑星ベジータを破壊し、サイヤ人を絶滅させようとする動機へと繋がっていく。つまり、チルドの敗北がなければ、悟空やベジータの運命も大きく変わっていたかもしれないのです。
ゲーム作品で見せるチルドの意外な活躍
アニメや漫画だけでなく、ゲーム作品でもチルドは独自のポジションを確立しています。
例えば、スマホアプリiphoneで遊べる『ドラゴンボール レジェンズ』や、カードゲームの『スーパードラゴンボールヒーローズ』では、「フリーザ軍」や「悪の系譜」といったカテゴリーを強化する重要なキャラクターとして登場します。
特にフリーザ一族をサポートするアビリティを持っていることが多く、フリーザ、クウラ、コルド大王と一緒に編成することで、チーム全体の火力を底上げする役割を担います。原作ではバーダックに負けてしまいましたが、ゲーム内では一族の「始祖」としての威厳を保っているのが面白いところです。
また、チルドの声優は中尾隆聖さんが担当しています。フリーザやクウラと同じ声でありながら、少し高めで「小物感」と「不気味さ」を絶妙に混ぜた演技は必見です。
フリーザ一族の系譜におけるチルドの立ち位置
ここで一度、フリーザ一族の家系図的な繋がりを整理しておきましょう。
- チルド(先祖・宇宙海賊首領)
- コルド大王(フリーザ・クウラの父)
- クウラ(フリーザの兄・劇場版キャラ)
- フリーザ(宇宙の帝王)
- クリーザ(フリーザの息子・『ネコマジン』登場)
チルドはこの一族の歴史の中で、最も古い時代に存在した「記録に残る最初の強敵」です。一族がなぜこれほどまでに強大な力を持っているのか、その詳細は依然として謎に包まれていますが、チルドの代から既に宇宙規模で侵略行為を行っていたことがわかります。
また、第6宇宙に登場する「フロスト」もフリーザに似ていますが、彼は別宇宙の存在。あくまで第7宇宙におけるフリーザ一族のルーツはチルドにあると言えるでしょう。
ドラゴンボールのチルドとは物語のミッシングリンクを埋める重要人物
ここまで解説してきた通り、チルドというキャラクターを知ることは、ドラゴンボールという壮大な物語の「裏側」を知ることに他なりません。
単なるスピンオフの敵役ではなく、悟空とフリーザの因縁を数千年前から運命づけていた「きっかけ」を作った人物。それがチルドです。バーダックに敗れた彼の悔しさが「伝説」となり、巡り巡ってナメック星での悟空とフリーザの決戦へと繋がっていく……。このタイムパラドックス的な構成こそが、『エピソード オブ バーダック』の醍醐味と言えます。
もし、あなたがまだ彼の活躍を映像や漫画で見たことがないのであれば、ぜひ一度チェックしてみてください。フリーザ一族特有のあの「嫌味な強さ」を、より深く理解できるはずです。
最後にまとめると、ドラゴンボールのチルドとは、フリーザの先祖であり、超サイヤ人の脅威を一族に語り継がせた「伝説の目撃者」でした。彼の存在があったからこそ、私たちはあの歴史的な「超サイヤ人覚醒」の瞬間を目にすることができたのかもしれませんね。

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