「ドラゴンボールに馬なんて出てきたっけ?」そう首をかしげる方も多いかもしれません。確かに、悟空たちが移動に使うのは筋斗雲やホイポイカプセルの飛行機、あるいは舞空術がメインですよね。
でも、じっくり作品を読み返してみると、実は「馬」というモチーフは鳥山明先生の世界観において、とても重要なスパイスとして散りばめられているんです。
初期の冒険のワクワク感から、アニメオリジナルの感動エピソード、さらには現実の競馬界にまで轟くその名前まで。今回は、知っているようで知らない「ドラゴンボールと馬」の深い繋がりについて、マニアックに掘り下げていきましょう!
占いババの館に現れた「馬人」の戦士と初期の怪物たち
ドラゴンボールの物語の中で、最も「馬」そのものの姿に近いキャラクターが登場したのは、物語序盤の「占いババの宮殿」での戦いでした。
桃白白を倒し、レッドリボン軍を壊滅させた悟空たちが、最後のドラゴンボールのありかを知るために挑んだ5人の戦士。ドラキュラマンやスケさんといった個性派が並ぶ中、中堅として控えていたのが「ケンタウロス」のような姿をした馬人の戦士です。
このキャラクター、実は名前すら明確に語られないモブに近い存在ではありましたが、当時の読者に与えたインパクトは絶大でした。それまでの格闘路線に、少しだけ「ファンタジーや怪奇映画」の要素が混ざり合った、鳥山先生ならではの無国籍なデザインが光っていたからです。
馬の持つ力強さと、人間のような知性を併せ持つこの戦士。残念ながら悟空の圧倒的なパワーの前には敵いませんでしたが、西遊記をルーツに持つドラゴンボールにおいて、動物と人間が共生する世界観を象徴する一人だったと言えるでしょう。
鳥山明先生のイラストに見る「ウエスタン」と馬の美学
ドラゴンボールのコミックスを開くと、本編の内容とは関係のない「扉絵」に目を奪われることがありませんか?
鳥山明先生は大の乗り物好きとして知られていますが、実は「馬」を描くことにも並々ならぬこだわりを持っていました。特に、悟空やクリリンがカウボーイハットを被り、馬に跨って荒野を駆けるイラストは、ファンの間でも非常に人気が高い構成です。
- デフォルメされた筋肉美鳥山先生が描く馬は、実物の馬よりも少しだけ手足が太く、パワフルにデフォルメされています。これがドラゴンボール イラスト集などで見ると、今にも紙面から飛び出してきそうな躍動感を生んでいるんですね。
- ハイテクメカとの対比スカウターや宇宙船といった近未来的なアイテムがあふれる世界だからこそ、あえて原始的な乗り物である「馬」を描く。このギャップが、ドラゴンボールという作品に流れる「どこか懐かしく、でも新しい」という独特の空気感を作り出していました。
先生の描く馬の蹄(ひづめ)の音や、土埃の匂いまで伝わってくるような描写は、単なる背景の動物以上の存在感を放っていたのです。
アニメオリジナルで描かれた悟飯と野生の馬の絆
原作漫画にはない、アニメ『ドラゴンボールZ』ならではの描写として語り継がれているのが、幼い孫悟飯と野生動物たちのエピソードです。
サイヤ人編の冒頭、ピッコロによって荒野に放り出された悟飯。泣き虫だった彼が生き抜くためにサバイバルを繰り広げる中で、一頭の野生の馬と出会うシーンがあります。
厳しい自然界で生きる馬の姿を見て、悟飯は自分の弱さを痛感し、同時に生命の力強さを学びます。崖から落ちそうになった馬を助けようと必死になる悟飯の姿は、戦士としての才能以上に、彼が本来持っている「慈悲の心」を視聴者に強く印象付けました。
こうしたアニオリ演出によって、ドラゴンボールの世界における馬は、キャラクターの成長を促す大切なパートナーとしての役割も果たしていたのです。
競馬界を席巻する?ドラゴンボール由来の馬名たち
さて、ここからは少し視点を変えて、現実世界の「馬」のお話をしましょう。実は競馬界には、ドラゴンボール愛が溢れすぎた馬主さんたちによって、作中の名前を授けられた競走馬たちがたくさん実在します。
競馬のニュースを見ていて、「えっ、今タオパイパイって言った?」と耳を疑ったことはありませんか?それは決して空耳ではありません。
- タオパイパイ(Tao Pai Pai)あの世界一の殺し屋、桃白白から名付けられた馬です。実際に日本や海外の地方競馬などで走っていた記録があり、名前のインパクトで多くのファンを魅了しました。柱に乗って飛ぶスピード感にあやかったのでしょうか。
- カメハメハ(King Kamehameha)日本の競馬史に名を刻む名馬「キングカメハメハ」は、本来ハワイの王様が由来ですが、実況でその名が叫ばれるたびに、日本中の子供たちが「かめはめ波」を連想したのは言うまでもありません。
- ウルトラインスティンクト(Ultra Instinct)こちらは海外の馬。直訳すれば「本能の極み」、つまり「身勝手の極意」です。海外のドラゴンボールファンが名付けたとされており、その圧倒的なスピードでターフを駆け抜けました。
他にも、フリーザやベジータといった名前を持つ馬が登録されることもあり、競馬場はさながら天下一武道会のような盛り上がりを見せることもあるんです。
西遊記のルーツから紐解く「悟空と馬」の奇妙な縁
ドラゴンボールの原案が中国の古典『西遊記』であることは、もはや常識ですよね。実はその本家『西遊記』において、孫悟空は天界で最初にある役職に任命されます。
それが**「弼馬温(ひつばおん)」**。なんと、馬の管理責任者だったのです。
本家の悟空は「こんな低い身分か!」と怒って暴れますが、ドラゴンボールの悟空もまた、初期の設定段階ではもっと馬と関わりが深いキャラクターとして構想されていたフシがあります。
例えば、ドラゴンボール 冒険 SPECIALなどの初期設定資料を見ると、如意棒を持ちながら馬に跨る悟空のラフスケッチが残されています。最終的には筋斗雲という魔法の雲に取って代わられた馬ですが、もし筋斗雲がなかったら、悟空は白い馬に乗って冒険を続けていたのかもしれませんね。
コレクター必見!馬に跨る悟空のフィギュアと市場価値
最近では、先ほどお話しした「扉絵イラスト」を忠実に再現したハイエンドなフィギュアが続々とリリースされています。
特にS.H.Figuarts ドラゴンボールシリーズや、大型スタチューの世界では、メカや恐竜だけでなく、馬に乗った悟空の造形が非常に高く評価されています。
- 造形のこだわり馬の毛並みや、鞍(くら)の革の質感、そして風にたなびく悟空の道着。これらが一体となったフィギュアは、もはや芸術品の域に達しています。
- 資産としての価値こうした「特殊な乗り物」とセットになったフィギュアは、流通数が少ないこともあり、数年経つとプレミア価格がつくケースが珍しくありません。中古市場やオークションサイトでも、馬をモチーフにしたグッズは常に一定の需要があります。
もしリサイクルショップやホビーショップで、馬に乗った悟空のフィギュアを見かけたら、それは非常にレアな出会いかもしれませんよ。
ドラゴンボールと馬の物語はファンの中で生き続ける
物語の表舞台でスポットライトを浴びることは少ない「馬」ですが、こうして振り返ってみると、鳥山先生の描く世界には欠かせないピースだったことがわかります。
荒野を駆ける一頭の馬、占いババの館で見せた異形の力、そして現実の競馬場を沸かせるその名前。それらすべてが、ドラゴンボールという作品が持つ多面的な魅力を形作っているのです。
ふとした瞬間に、アニメの背景やイラストの隅っこを探してみてください。そこにはきっと、悟空たちの冒険を静かに見守り、時には共に走る馬たちの姿があるはずです。
作品を読み返すたびに新しい発見がある。それこそが、私たちがドラゴンボールを愛してやまない理由なのでしょう。
ドラゴンボールと馬の関係を改めて振り返って
最後に、私たちがこのキーワードに惹かれる理由を考えてみましょう。それはきっと、最強の戦士たちが織りなす非日常の戦いの中に、馬という「日常に近い動物」が存在することで、作品に奥行きと親近感が生まれるからではないでしょうか。
スーパーサイヤ人が宇宙を股にかけて戦う一方で、どこか遠い星や地球の辺境では、今も馬たちが力強く生きている。そんな世界の広がりを感じさせてくれるのが、ドラゴンボールにおける馬の役割なのかもしれません。
競馬ファンの方も、フィギュアコレクターの方も、そして純粋に物語を愛するファンの方も。この記事を通じて、ドラゴンボールという偉大な作品の、まだ見ぬ一面に触れることができたなら幸いです。
これからもドラゴンボール超などの新シリーズが続いていく中で、また新しい「馬」にまつわるエピソードやキャラクターが登場することを楽しみに待ちましょう!
ドラゴンボールと馬、その意外な接点を知ることで、あなたのドラゴンボールライフがさらにワクワクするものになることを願っています。

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