「薬屋のひとりごと」を漫画で読み始めようと思った時、誰もが一度は「えっ、同じタイトルの本が2種類あるの?」と驚くはずです。本屋さんや電子書籍サイトで検索すると、絵柄の違う2つの『薬屋のひとりごと』が出てくるんですよね。
実はこれ、原作のライトノベルをベースに、2つの異なる出版社が同時に漫画化しているという、業界でもかなり珍しいケースなんです。
「どっちを買えば失敗しない?」「内容は同じなの?」「アニメの続きはどっちで読める?」そんな疑問を抱えている方のために、2026年現在の最新状況を踏まえて、両方の違いを徹底的に分かりやすく解説していきます。読み終わる頃には、あなたにピッタリな一冊がどちらかハッキリ分かっているはずですよ。
なぜ2種類の漫画が存在するのか?
まず、この不思議な状況の背景をサクッと整理しておきましょう。
原作は日向夏先生による大人気ライトノベルです。そのあまりの人気ぶりに、スクウェア・エニックスと小学館という2つの大手出版社がそれぞれコミカライズ(漫画化)の権利を得ました。
同じストーリーを追いかけてはいますが、作画担当の作家さんも違えば、演出の仕方も違います。いわば「同じ脚本を、別々の監督が映画化した」ようなイメージですね。だからこそ、どちらが良い・悪いではなく、「自分の好みに合うのはどっちか」で選ぶのが正解なんです。
スクウェア・エニックス版(ビッグガンガン)の特徴
通称「スクエニ版」や「ねこクラゲ版」と呼ばれているのがこちらです。タイトルはシンプルに『薬屋のひとりごと』となっています。
圧倒的なビジュアルと「可愛さ」
スクエニ版の最大の見どころは、何と言ってもねこクラゲ先生による華やかで緻密な作画です。キャラクターの表情がとにかく豊かで、主人公の猫猫(マオマオ)が薬草を前にして「ウヘヘ」とよだれを垂らすコミカルな顔から、事件を解決する時のキリッとした表情まで、ギャップが非常に魅力的に描かれています。
また、美形宦官である壬氏(ジンシ)の「この世のものとは思えない美しさ」の表現に非常に力が入っています。キラキラとしたエフェクトや背景の装飾が豪華なので、視覚的な満足度がとにかく高いのが特徴ですね。
ラブコメ要素とキャラクターのやり取り
物語の構成(七緒一綺先生)も非常に丁寧で、キャラクター同士の掛け合いや、ちょっとした仕草に重きを置いています。猫猫と壬氏の「もどかしい距離感」をニヤニヤしながら楽しみたい、という方にはこちらのスクエニ版が断然おすすめです。
アニメ版のデザインもこのスクエニ版に近い雰囲気で作られているため、アニメから入ったファンの方が「違和感なく入りやすい」というメリットもあります。
小学館版(サンデーGX)の特徴
一方、通称「小学館版」や「倉田三ノ路版」と呼ばれているのが、『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』です。
テンポの良さとミステリー重視の演出
倉田三ノ路先生が手がけるこちらのバージョンは、一言で言うと「硬派でスッキリ」しています。絵柄はスクエニ版に比べると等身が高めで、落ち着いた大人っぽい雰囲気。背景よりも物語の展開や、トリックの解説にスペースを割いている印象です。
特筆すべきは、物語が進むスピードの速さです。スクエニ版が1つのエピソードをじっくり丁寧に描写するのに対し、小学館版はテンポ良くサクサクと話が進みます。原作小説の先の展開を早く知りたい、という読者にはこちらのバージョンが非常に好まれています。
「探偵・猫猫」のクールな魅力
小学館版の猫猫は、より理知的で冷徹な一面が強調されています。後宮というドロドロした環境の中で、淡々と証拠を集め、論理的に犯人を追い詰めていく姿は、まさに本格ミステリーの主人公。
「可愛い女の子の日常」よりも「毒や薬を使った謎解きサスペンス」としての側面を強く楽しみたいなら、こちらの手帳版がしっくりくるでしょう。
アニメの続きから読むならどっち?
多くの人が気にするのが「アニメの続きはどこから?」という点ですよね。2025年に放送された第2期を含め、アニメ版は非常に高いクオリティで制作されました。
- スクウェア・エニックス版で読む場合アニメ第2期の終了地点は、だいたい単行本の12巻から13巻あたりに該当します。このあたりから読み始めれば、スムーズに物語の続きに合流できます。
- 小学館版で読む場合話の進みが早いため、アニメ第2期のラストは17巻あたりになります。巻数だけで比較すると「え、そんなに先なの?」と思うかもしれませんが、収録されているエピソードの密度が違うため、物語の到達点はほぼ同じです。
もし「とにかく一番先の話が読みたい!」というのであれば、さらに巻数が進んでいる小学館版の方が、より原作の深いところまで描き進められています。
失敗しないための「選び方」チェックリスト
結局のところ、どちらを読み始めるべきか。あなたの好みを以下のポイントでチェックしてみてください。
- こんな人は【スクウェア・エニックス版】
- キャラクターの可愛い表情や、ギャグ顔をたくさん見たい
- 壬氏様の美しさにどっぷり浸りたい
- ページをめくるたびに「綺麗だな」と思える描き込みを重視する
- アニメのイメージを壊したくない
- 猫猫と壬氏のラブコメ要素をじっくり堪能したい
- こんな人は【小学館版】
- 事件の謎解きや、政治的な駆け引きをサクサク読み進めたい
- 少女漫画的なキラキラ感よりも、落ち着いた青年漫画風の絵が好き
- 原作小説に近い、クールで現実主義な猫猫が見たい
- 1巻あたりの情報量が多く、コスパ良く物語を進めたい
- 複雑な人間関係を論理的に理解したい
2026年現在の両作品の立ち位置
2026年現在、どちらの作品も不動の人気を誇っており、「どちらかが打ち切られる」といった心配は全くありません。むしろ、両方を読み比べることで「スクエニ版ではこう表現されていたけど、小学館版ではこんな背景があったのか!」と、作品への理解を深める楽しみ方をしているファンが増えています。
例えば、ある特定の事件が起きた際、スクエニ版では「犯人の切ない表情」を大きく描いて感情に訴えかけ、小学館版では「犯行に使われたトリックの物理的な証明」を詳しく解説するといった違いがあります。
贅沢な悩みではありますが、まずは直感で「絵が好きだな」と思った方の第1巻を手にとってみるのが一番の近道です。
薬屋のひとりごと漫画はどっちがおすすめ?まとめ
結論として、どちらの漫画も原作への愛にあふれた素晴らしい作品であることに変わりはありません。
- ビジュアルの華やかさとキャラ愛で選ぶなら、スクウェア・エニックス版の『薬屋のひとりごと』。
- 物語のテンポとミステリーとしての深掘りで選ぶなら、小学館版の『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』。
もし余裕があるなら、どちらか一方で物語の全体像を把握した後に、もう一方を読んでみるのが最も「薬屋」の世界を楽しめる方法かもしれません。同じエピソードでも、描き手によって受け取る印象がガラリと変わる面白さは、この作品ならではの醍醐味です。
猫猫が繰り出す毒と薬の知恵、そして後宮に渦巻く陰謀。あなたが一番心地よくその世界に没入できる一冊を見つけて、ぜひ至高のミステリー体験を楽しんでくださいね。

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