少年ジャンプ+で連載中の『チェンソーマン』。その勢いはとどまることを知らず、いまや世界中の漫画ファンが最新話の更新を息を呑んで待っています。
「名前は聞いたことあるけど、何がそんなに凄いの?」「グロいだけじゃないの?」と思っている方も多いはず。しかし、本作がこれほどまでに熱狂的な支持を得ているのは、単なるバイオレンス漫画の枠に収まらない、緻密な計算と圧倒的なセンスが凝縮されているからです。
今回は、第一部「公安編」から第二部「学校編」に至るまで、読者を虜にする魅力を深掘りしていきます。
なぜこれほど熱狂を生むのか?唯一無二の「狂気」と「切実さ」
『チェンソーマン』の最大の魅力は、これまでの少年漫画の王道を真っ向から否定するかのような「異質さ」にあります。
多くのジャンプ作品が「努力・友情・勝利」を掲げるなか、主人公のデンジが戦う理由は驚くほど低俗で、それでいて涙が出るほど切実です。
- 「普通の生活」への渇望親の借金を背負い、極貧生活を送っていたデンジ。彼の夢は「食パンにジャムを塗って食べること」や「女の子の胸を揉むこと」です。高潔な志がないからこそ、彼の行動は予測不能で、読者はその剥き出しの本能に共感とカタルシスを覚えます。
- 「悪魔」の強さを決めるユニークな設定この世界では、その名前が「人々に恐れられているほど」悪魔は強くなります。「銃の悪魔」が圧倒的に強いのは、現実世界でも多くの人が銃を恐れているからです。この「恐怖の概念化」が、物語に深い説得力を与えています。
映画ファンをも唸らせる!藤本タツキ先生の革新的な演出術
作者の藤本タツキ先生は、熱狂的な映画愛好家として知られています。そのセンスは、漫画のコマ割りや演出に色濃く反映されています。
- 「静」と「動」の圧倒的な緩急激しいバトルシーン(動)の合間に挿入される、何気ない日常の風景や沈黙のシーン(静)。台詞を一切排除し、キャラクターの視線や空気感だけで感情を伝える「サイレント」なコマが、読者の想像力を激しく揺さぶります。
- B級映画のようなハチャメチャ感大真面目な絶望シーンの直後に、シュールなギャグをぶち込んでくる。この落差が「チェンソーマンらしさ」です。読者は悲しむべきか笑うべきか戸惑い、その混乱がいつしか中毒性に変わっていきます。
衝撃の第一部「公安編」:マキマという絶対的アイコンの正体
多くの読者を絶望のどん底に突き落とした第一部。ここで語られるのは、デンジと相棒のポチタ、そして謎多き美女・マキマを中心とした愛と支配の物語です。
- 「支配」の恐怖と美しさ内閣官房長官直属のデビルハンターであるマキマ。彼女の圧倒的なカリスマ性と、時折見せる冷酷な一面。物語の終盤で明かされる彼女の正体と目的は、漫画史に残る衝撃でした。
- 早川アキとパワーとの「疑似家族」デンジ、アキ、パワーの3人が送る共同生活は、物語の中で唯一の救いでした。しかし、その幸せが崩壊していく過程が、藤本先生の冷徹かつ叙情的な筆致で描かれます。特に「雪合戦」のシーンは、多くの読者のトラウマとなりました。
第二部「学校編」の現在地:三鷹アサという新しい主人公の視点
舞台を学校に移した第二部では、内向的な女子高生・三鷹アサが主人公として登場します。第一部とは異なるアプローチが、作品に新しい風を吹き込んでいます。
- 「戦争の悪魔」ヨルとの奇妙な共生死の間際に「戦争の悪魔」と契約したアサ。一つの体を共有する二人のやり取りは、時にコミカルで、時に痛々しい。自分の持ち物を武器に変える「武器化」の能力は、彼女の罪悪感とリンクしており、非常に深みのある設定です。
- チェンソーマンの正体を知らない恋世間ではヒーロー視されているチェンソーマンですが、アサはその正体が隣にいるデンジだとは知りません。この「すれ違い」が、ラブコメディのような危うい緊張感を生んでいます。
考察が止まらない!「四騎士」と世界の終わりへの予感
物語は現在、より巨大なスケールの戦いへと進んでいます。ここで注目したいのが、聖書などをモチーフにした「四騎士」の存在です。
- 支配、戦争、飢餓、そして死マキマ(支配)、ヨル(戦争)、キガ(飢餓)に続く、最後の一人「死の悪魔」の登場が噂されています。これら姉妹が揃ったとき、世界に何が起きるのか。ファンの間では日々、熱い考察が交わされています。
- ナユタの成長とデンジの苦悩マキマの生まれ変わりである少女・ナユタ。彼女を「普通の女の子」として育てようと奮闘するデンジの姿は、第一部の彼からは想像もできないほど親心的で、切なさを誘います。
これから読む人へのおすすめ展開と注目ポイント
これから『チェンソーマン』を読み始める、あるいは読み返そうと思っている方に向けて、より楽しむための注目ポイントを整理しました。
- キャラクターの「退場」に注目この作品では、どんなに魅力的なキャラクターでもあっけなく死ぬことがあります。しかし、その死には必ず「意味」があり、生き残った者の背中に重くのしかかります。
- 背景に隠された伏線何気ない会話や背景の小物に、後の展開を暗示する伏線が隠されていることが多々あります。コミックスで読み返すと、新しい発見が必ずあります。
- 藤本タツキ短編作品との関連ルックバックやさよなら絵梨をあわせて読むと、作者が描こうとしている「現実と虚構の境目」や「創作の痛み」がより深く理解できます。
まとめ:チェンソーマンの漫画の魅力を徹底解説!人気の理由とおすすめ展開は?
いかがでしたでしょうか。
『チェンソーマン』がこれほどまでに愛されるのは、単に刺激的な描写があるからではありません。誰もが心の奥底に抱えている「寂しさ」や「卑小な欲求」を、否定せずに美しく、時に残酷に描き出しているからです。
最新の第二部では、デンジとアサの運命が複雑に絡み合い、いよいよ世界の根源に迫る展開を見せています。まだ読んでいない方は、この機会にぜひ、この荒れ狂う感情の濁流に身を任せてみてください。
次に「地獄」へ行くのは、読者であるあなたかもしれません。
チェンソーマン 全巻セット

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