1990年代、少女漫画界の金字塔『りぼん』。華やかな瞳にキラキラの背景、胸が苦しくなるような恋愛模様……。そんな「王道」が並ぶ誌面の中で、異彩を放ちすぎていた伝説のギャグ漫画を覚えていますか?
そうです、田辺真由美先生が描く『まゆみ!』です。
一度見たら忘れられない、あのシュールで独特な絵柄。小学生だった私たちの心に「ギャグの真髄」を叩き込んでくれた、ある種の問題作(褒め言葉です)を今こそ語り尽くしたいと思います。
今回は、漫画まゆみの魅力を徹底解剖!代表作の紹介から、大人になった今だからこそ試してほしいおすすめの読み方まで、たっぷりと解説していきます。
漫画まゆみ(田辺真由美)が生んだ伝説『まゆみ!』の正体
「漫画 まゆみ」と聞いて、多くの人が真っ先に思い浮かべるのは、無表情で立ち尽くす少女・まゆみと、あまりに真面目すぎるパパの姿ではないでしょうか。
1990年から2003年まで、10年以上にわたって『りぼん』や『りぼんオリジナル』で連載されたこの作品。当時の『りぼん』といえば、『天使なんかじゃない』や『ママレード・ボーイ』など、恋愛漫画の超黄金期でした。
そんな中、キラキラしたトーンの代わりに「おばあちゃんのシワ」のような細密な線が描き込まれた『まゆみ!』が登場した時の衝撃は計り知れません。
圧倒的な存在感を放つキャラクターたち
作品を支えるのは、強烈すぎる個性を持った家族です。
- まゆみ(主人公)常にテン丸のような目。喜怒哀楽が薄いようでいて、実は結構な行動派です。小学生らしい無邪気さと、大人を凍りつかせるような冷静さを併せ持っています。
- パパ(パパゆき)本作の真の主役と言っても過言ではありません。四角い輪郭、几帳面すぎる性格、そして常に全力を注ぐ方向がどこか間違っている……。この「真面目すぎるがゆえの狂気」こそが、この漫画の最大の笑いどころです。
- ママ家族の中では比較的まとも……に見えて、やはりこの一家の人間。パパの奇行をスルーしたり、一緒に乗っかったりと、良い味を出しています。
これらのキャラクターが繰り広げる、一切の甘さがない「毒のある日常」が、当時の少女たちの脳裏に深く刻み込まれました。
『まゆみ!』が少女漫画界に与えた「シュール」の衝撃
なぜ、これほどまでに長く愛され、今もなお語り草になっているのでしょうか。それは、『まゆみ!』が単なる子供向けのギャグ漫画に留まらず、高度な「シュールレアリズム」を体現していたからです。
「キモカワ」の先駆け的存在
今でこそ「キモカワ」という言葉は一般的ですが、90年代初頭にそのニュアンスを体現していたのは、間違いなく田辺真由美先生でした。
初期の絵柄は、特にお年寄りのシワや、筋肉の筋、独特の影の付け方が非常にリアルでした。可愛い女の子が主役のはずなのに、背景や脇役のディテールが妙に生々しい。そのアンバランスさが、読者に「なんだか怖い、でも目が離せない」という中毒性を生んだのです。
「真面目」を笑いに変える哲学
作者の田辺先生は、インタビューなどで「真面目な人が面白い」という趣旨の発言をされています。パパが眼鏡を光らせながら、どうでもいいことに命をかけて取り組む姿。それは嘲笑ではなく、ある種の「人間の愛おしさ」の裏返しでもあります。
大人になって読み返すと、パパの空回りっぷりに「自分もこういうところあるかも……」と、少しだけ共感と切なさを覚えてしまうから不思議です。
『まゆみ!』以外の作品もチェック!田辺真由美先生の軌跡
『まゆみ!』があまりに有名ですが、田辺先生は他にもユニークな作品を残されています。
『ファンキー★ファンシー』
モモンガの着ぐるみを着た家庭教師が登場するなど、設定の盛り込み方が凄まじい一作です。田辺先生ご自身が後に「設定を凝りすぎて描くのが大変だった」と回想されるほど、作者のエネルギーが空回り(失礼!)しつつも爆発している作品です。
短編や読み切り
『華麗なる麗華』や『素顔でナイスファイト』など、増刊号を中心に掲載された作品もあります。どの作品にも共通しているのは、徹底した「予定調和の拒否」。読者が「こう来るだろう」と思った展開の、斜め上2メートルくらいを常に通過していく感覚は、どの作品でも健在です。
これらの作品を紙のコミックスで探すのは今では少し大変ですが、もし古本屋で見かけたら即ゲットをおすすめします。
令和の今だからこそ試したい!おすすめの読み方と楽しみ方
昔の漫画と侮るなかれ。漫画まゆみの世界は、現代のデジタル環境や、大人になった私たちのライフスタイルにこそフィットします。
電子書籍で「心のサプリメント」として持ち歩く
ありがたいことに、『まゆみ!』は電子書籍化されています。全10巻がデジタルで手に入るので、スマホに忍ばせておくのがおすすめです。
- スキマ時間に1話だけ読む基本的にショート形式や4コマなので、電車を待っている間や休憩中の5分で完結します。ストーリーの繋がりを気にする必要がないので、どこから読んでも笑えます。
- ストレスが溜まった時の「解毒」に仕事で理不尽なことがあった時、パパのあまりに無意味で全力な行動を見ると、「自分の悩みなんて小さいな」と本気で思えます。
SNS時代の「あるある」として楽しむ
今の時代、シュールな1コマをSNSでシェアしたり(規約の範囲内で!)、友人同士で「これ、あの時の部長に似てない?」とパパの画像を送り合ったりするのも、現代ならではの楽しみ方。キャラクターの表情が記号化されているので、スタンプ感覚でそのシュールさを共有できるんです。
当時の付録(紙の着せ替え人形やノートなど)を大切に持っている方は、それらを引っ張り出してきて一緒に眺めるのも、最高のノスタルジー体験になりますよ。
知っておきたい!同姓同名のクリエイターとの違い
ここで少しだけ、マニアックな情報を。
インターネットで「まゆみ 漫画」と検索すると、別の絵柄の作品が出てくることがあります。実は、秋田書店やハーレクイン・コミックスなどで活躍されている「田辺真由美(たなべ まゆみ)」先生という、同姓同名の別の漫画家さんがいらっしゃいます。
今回ご紹介しているのは、**「集英社の『りぼん』で描いていた、シュールギャグの田辺真由美先生」**です。
絵柄もジャンルも全く異なるので、作品を探す際は「りぼん」「まゆみ!」といったキーワードをセットにするのがコツです。間違えて大人向けの恋愛漫画をポチってしまうと、パパの顔を期待していた脳がパニックを起こすのでご注意を!
収集したくなる!『まゆみ!』関連アイテム
記事を読んで「懐かしい!」と思ったなら、まずは電子書籍で読み返すのが一番の近道です。
まゆみ! 1 (りぼんマスコットコミックス)全10巻、一気に揃えても場所を取らないのが電子版の良いところ。紙の質感を愛する方は、フリマアプリなどで当時の「りぼんマスコットコミックス」を探してみるのも一興です。あの独特のピンク色の背表紙が本棚に並ぶ光景は、90年代読者にとって至福の極みでしょう。
漫画まゆみの代表作を紹介!おすすめの読み方や楽しみ方まとめ
ここまで、伝説のシュールギャグ漫画『まゆみ!』を中心に、その深い魅力を振り返ってきました。
漫画まゆみこと、田辺真由美先生が描いた世界は、単なる懐かしの漫画ではありません。時代が変わっても色褪せない「人間の可笑しみ」と「シュールな美学」が詰まった、唯一無二のアートといっても過言ではないでしょう。
- パパの狂気的な真面目さに爆笑する
- まゆみの無表情な可愛さに癒やされる(?)
- 電子書籍でいつでもどこでも「毒」を摂取する
そんな楽しみ方ができるのは、大人になった今だからこそ。かつて少女だった皆さんも、今回初めて知ったという皆さんも、ぜひ一度その扉を開いてみてください。
きっと、あなたの日常に「シュールな笑い」という名の心地よいスパイスを加えてくれるはずです。まずは第1巻の試し読みから、あの頃の記憶を呼び覚ましてみませんか?

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