漫画 アタリの傑作「忘却のサチコ」が面白い!おすすめ作品も紹介

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「この漫画、なんだかすごく引き込まれるな……」

そう感じる作品には、ある共通点があります。それは、キャラクターが紙の上で「生きている」ように見えること。その生命感の正体こそ、漫画の基礎であり奥義でもある「アタリ」の技術です。

数ある作品の中でも、その技術がズバ抜けており、かつエンターテインメントとして最高峰に面白いのが忘却のサチコです。

今回は、なぜ『忘却のサチコ』が「アタリの傑作」と呼ばれるのか、その秘密を紐解きながら、同じように圧倒的な画力を堪能できるおすすめ作品をご紹介します。


そもそも漫画の「アタリ」って何がすごいの?

漫画用語でよく耳にする「アタリ」という言葉。簡単に言えば、本格的なペン入れをする前に描く「設計図」のようなものです。

丸や線で骨格を描き、関節の位置や筋肉のつき方、頭身のバランスを整える作業ですね。初心者からプロまで全員が行う工程ですが、実はここが一番「漫画家の腕の差」が出るポイントなんです。

空間を支配する「設計図」の力

アタリが正確に取れている漫画は、どれだけ激しいアクションをしても、キャラクターが不自然な形に崩れません。どの角度から見ても、そのキャラクターが「そこに立っている」という実在感が生まれます。

逆にアタリが曖昧だと、読者は無意識のうちに違和感を抱き、物語に集中できなくなってしまうことも。

「崩し」を支えるのも「アタリ」

ギャグ漫画で顔が面白おかしく変形するシーンがありますよね。あれも、実は土台となる顔の構造(アタリ)がしっかりしているからこそ、極端に崩したときに「面白さ」として成立するんです。基礎がグラグラなまま崩すと、それはただの「作画崩壊」になってしまいます。


忘却のサチコが「アタリの傑作」と言われる3つの理由

阿部潤先生が描く忘却のサチコは、まさにこのアタリの技術が極まった作品です。生真面目な文芸編集者・佐々木幸子が、逃げた婚約者を忘れるために「美食」に突き進む物語ですが、その描写には驚くべき技術が詰まっています。

1. 完璧なまでの「姿勢の良さ」の表現

主人公のサチコは、非常に几帳面で隙のない性格です。彼女が椅子に座る、お辞儀をする、あるいは全力で走る。そのすべての動作において、脊椎のラインや重心の置き方が解剖学的に正しく描かれています。

この「姿勢の良さ」が、アタリの正確さによって表現されているからこそ、読者は彼女のストイックな性格を絵だけで直感的に理解できるのです。

2. 美味しさを全身で伝える「動感」

グルメ漫画において「食べる動作」は命です。サチコが料理を口に運び、咀嚼し、喉を通す。この一連の流れにおいて、顎の動きや首の筋の入り方が非常にリアル。

アタリによって骨格が捉えられているからこそ、口を大きく開けたときの皮膚の伸びや、恍惚の表情を浮かべたときの筋肉の弛緩が、見ているこちらの食欲を刺激するほどの説得力を持ちます。

3. ギャップを最大化する「変顔」のクオリティ

サチコが美味しいものを食べた瞬間に見せる、通称「サチコ化」。あのアクロバティックな表情やポーズは、一見デタラメに見えて、実は体幹や顔のパーツ配置が完璧に計算されています。

「正確なデッサン」と「極端なデフォルメ」が、アタリという技術を介して同居しているからこそ、あの一回一回の食事シーンが爆発的な笑いを生む傑作となっているのです。


アタリが完璧な漫画は「読み疲れ」しない

不思議なことに、アタリがしっかりしている漫画は、何冊読んでもあまり疲れません。それは、読者の脳が「この絵のどこが不自然か」を脳内で修正する必要がないからです。

忘却のサチコを読んでいると、物語のスピーディーな展開にスッと没入できるのは、阿部潤先生が作る「安定した空間」のおかげと言えるでしょう。


圧倒的画力に酔いしれる!アタリが凄いおすすめ漫画3選

『忘却のサチコ』のように、基礎技術が極まっていて、なおかつ物語が最高に面白い作品を厳選しました。

ダンジョン飯(九井諒子)

ファンタジー作品でありながら、ダンジョン飯の説得力は異常です。架空のモンスターを解体して調理するシーンでも、その骨格や筋肉の付き方(=アタリ)が徹底的に考え抜かれています。

「もし本当にこのモンスターがいたら、こう動くはずだ」という構造的な正解が絵に宿っているため、架空の料理なのにたまらなく美味しそうに見えるのです。

ゴールデンカムイ(野田サトル)

サバイバル、グルメ、歴史、ギャグ。あらゆる要素が詰まったゴールデンカムイも、アタリの技術なしには語れません。

特に、鍛え上げられた男性たちの肉体描写や、アイヌの伝統的な料理を食べる際の、生命力あふれる表情。リアルな解剖学的知識に基づいたデッサンが、時に美しく、時に恐ろしく、作品の熱量を底上げしています。

正反対な君と僕(阿賀沢紅茶)

一見するとシンプルで可愛らしい絵柄ですが、実はこの正反対な君と僕も、アタリの技術が非常に高い作品です。

特筆すべきは「重心」の描き方。キャラクターが歩く、立ち止まる、あるいは少し照れて体を捻る。そういった何気ない日常の動作における体重移動が、完璧なバランスで描かれています。このリアリティがあるからこそ、読者はキャラクターの繊細な感情の揺れを自分事のように感じてしまうのです。


漫画の技術を知ると読書はもっと楽しくなる

普段、私たちは何気なく漫画を読んでいますが、「なぜこのシーンはこんなに迫力があるのか?」「なぜこのギャグはこんなに笑えるのか?」という裏側にある「アタリ」の技術を知ると、作品への愛着がさらに深まります。

忘却のサチコは、まさにその技術の粋を集めた、大人が楽しめるエンターテインメントです。サチコのまっすぐすぎる生き様と、それを支える圧倒的な画力の融合を、ぜひその目で確かめてみてください。

「絵が上手い」ということが、これほどまでに物語を豊かにするのかと、きっと驚くはずです。


漫画 アタリの傑作「忘却のサチコ」が面白い!おすすめ作品も紹介:まとめ

今回は、漫画の基礎技術である「アタリ」に注目して、忘却のサチコの魅力とおすすめ作品をご紹介しました。

正確なアタリに支えられた作品は、読者に心地よいリアリティと、突き抜けたギャグの快感を与えてくれます。物語の面白さはもちろんですが、たまには「このポーズの骨格はどうなっているんだろう?」と絵そのものをじっくり眺めてみるのも、漫画の新しい楽しみ方かもしれません。

皆さんも、圧倒的な画力と構成力に裏打ちされた珠玉の漫画の世界に、どっぷりと浸ってみてはいかがでしょうか。次に読む一冊が、あなたの漫画観をガラリと変えてくれるかもしれません。

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