アイアムアヒーローは打ち切り?最終回の理由と未回収の伏線を徹底解説!

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「え、これで終わり…?」

2017年、週刊ビッグコミックスピリッツで連載されていた『アイアムアヒーロー』が完結した際、多くのファンが呆然としました。かつてないほどリアルな描写と、手に汗握るパニックホラーの傑作として君臨していた本作。しかし、その幕引きはあまりにも唐突で、あまりにも静かでした。

ネット上ではすぐさま「打ち切りになったのではないか?」「作者が投げ出したのか?」という憶測が飛び交いました。

今回は、そんな『アイアムアヒーロー』の打ち切り説の真相、そして誰もが納得しきれなかった最終回の本当の理由について、未回収の伏線とともに徹底的に掘り下げていきます。


なぜ「打ち切り」という噂が流れたのか?

まず結論からお伝えしましょう。公式な記録や当時の担当編集者の証言を辿ると、『アイアムアヒーロー』は打ち切りではありません。

では、なぜこれほどまでに打ち切りだと言われ続けているのでしょうか。それには主に3つの理由があります。

1つ目は、伏線がほとんど回収されなかったことです。ZQN(ゾキュン)の正体は何だったのか。比呂美はどうなったのか。世界中に散らばっていた「クルス」たちの目的は。物語の核となる謎が解き明かされないまま完結したため、読者は「説明する時間が足りなかった=打ち切り」と判断したのです。

2つ目は、最終盤の展開のスピード感です。池袋での激しい決戦から一転、最終話付近では主人公・英雄がたった一人でサバイバルをする様子が淡々と描かれました。この急激なトーンの変化が、無理やり終わらせたような印象を与えてしまったのは否定できません。

3つ目は、中田コロリ編の長さです。本編のクライマックスが近いと思われた時期に、別キャラクターである中田コロリの視点が長く続きました。この構成が「本筋を迷走させた」と捉えられ、その後の急ぎ足のような結末と相まって、打ち切りの噂を加速させました。


作者・花沢健吾が描きたかった「ヒーロー」の姿

では、打ち切りでないとしたら、なぜあのような結末になったのでしょうか。

作者の花沢健吾先生は、インタビューなどで「最初からあのラストは決まっていた」という趣旨の発言をされています。私たちが期待していた「ゾンビを全て倒して世界を救う」という英雄像は、そもそもこの作品が目指すところではなかったのです。

タイトルの『アイアムアヒーロー』。これは、冴えない中年漫画家助手だった鈴木英雄が、極限状態の中で「自分自身の人生の主人公(ヒーロー)」になれるかという問いかけでした。

最終回で英雄が選んだのは、集合意識の一部となって安寧を得る比呂美たちの世界ではなく、孤独であっても「個」として生きる過酷な現実でした。たとえ世界が崩壊し、自分一人しか残っていなくても、自分の足で立ち、獲物を狩り、生きていく。その姿こそが、花沢先生が描きたかった「ヒーロー」の最終形だったと言えるでしょう。

この物語を深く理解したい方は、ぜひアイアムアヒーローを全巻読み返してみてください。序盤からの英雄の卑屈な態度と、最終回の独り立ちした姿の対比に、作者の強いこだわりが感じられるはずです。


読者を悩ませる「未回収の伏線」を整理する

打ち切りではないと分かっても、やはり気になるのは残された謎ですよね。本作には、意図的に答えを提示しなかったと思われる大きな謎がいくつか存在します。

  • ZQNの正体と目的ZQNは個としての意識を失い、巨大な集合体へと融合していきました。劇中では「人類の次のステップ」や「宇宙規模の淘汰」を思わせる描写がありましたが、明確な正体は不明のままです。ただ、フランスやイタリアの描写を見る限り、これは日本だけでなく地球規模で発生した「システムの更新」のようなものだったと推測されます。
  • 比呂美の最後とメッセージヒロインである比呂美は、最終的に巨大な意識体の中へと消えていきました。彼女が最後に英雄に伝えた「愛してる」という言葉。英雄はそれを拒絶するかのように一人残りますが、これは愛よりも「個の生存」を選んだという、ある種の残酷なリアリズムの表現かもしれません。
  • クルスたちの正体驚異的な身体能力を持つ「クルス」と呼ばれる存在たち。彼らは新人類のプロトタイプのような存在でしたが、彼らが何を目指していたのか、なぜお互いに争っていたのかも、断片的な描写に留まりました。

これらの謎は、物語の「舞台装置」に過ぎなかったという見方もできます。重要なのは「なぜ世界が壊れたか」ではなく、「壊れた世界で英雄がどう変わったか」に焦点が絞られていたのです。


最終回のその後を描く「完全版」の存在

実は、単行本全22巻で完結した内容に、さらに「描き足し」が行われたバージョンが存在することをご存知でしょうか。

それがアイアムアヒーロー 完全版です。

この完全版の最終巻には、通常版にはなかったページが追加されています。そこでは、英雄が孤独な東京でどのように過ごしているのか、そして彼が何を思っているのかが、より深く描写されています。

もしあなたが通常版のラストで「モヤモヤ」を感じたのであれば、この完全版は必読です。追加されたエピソードがあることで、物語が単なる絶望で終わるのではなく、微かな希望と、英雄という男の「矜持」を感じさせる結末へと昇華されています。


アイアムアヒーローは打ち切り?最終回の理由と未回収の伏線まとめ

改めて振り返ってみると、『アイアムアヒーロー』は打ち切りではなく、**「予定通りに描き切られた、極めて作家性の強い作品」**であったと言えます。

多くのエンタメ作品が「謎の解明」をゴールにする中で、本作は「個人の自立」をゴールに設定しました。そのズレが打ち切りという誤解を生んだのでしょう。

  • 打ち切り説はデマであり、意図された結末である。
  • 伏線を回収しなかったのは、英雄の「個」としての生き様を強調するため。
  • 英雄は世界を救うヒーローではなく、自分自身を救うヒーローになった。
  • 完全版には、その後の英雄を描いた貴重な加筆がある。

一気読みすることで、連載当時とは違った感動を味わえるのが漫画の醍醐味です。未回収の伏線について自分なりの考察を深めながら、もう一度この地獄のような、それでいて美しい物語に浸ってみてはいかがでしょうか。

アイアムアヒーローを手に取れば、あなたもきっと、このラストシーンが持つ本当の意味に気づけるはずです。

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