大人気海外ドラマ『BONES ―骨は語る―』。論理的な法人類学者ブレナンと、直感型のFBI捜査官ブースの凸凹コンビが、遺体(骨)から事件を解決していく姿に、日本でも多くの方が夢中になりました。
しかし、シーズン12で惜しまれつつも幕を閉じた本作。「なぜあんなに人気だったのに終わってしまったの?」「本当は打ち切りだったんじゃないの?」と疑問に感じているファンは今も後絶ちません。
今回は、長年愛された『BONES』の打ち切り理由の真相から、制作の舞台裏で起きていた驚きのトラブル、そしてファンが一番気になる続編の可能性まで、徹底的に深掘りしていきます。
衝撃の事実:制作陣の意思ではなかった「最後」の通告
まず、多くのファンが最も知りたい「なぜ終わったのか」という点についてです。実は、この番組の終了はクリエイターやキャストたちが望んで決めたことではありませんでした。
クリエイターのハート・ハンソンは、放送終了時のインタビューで「自分たちが局に電話をして『もう終わりにしたい』と言ったわけではない。局側から『これが最後の年だ』と告げられたんだ」とはっきり明かしています。
つまり、形式上は「完結」という形をとっていますが、実質的には放送局であるFOXによる「打ち切り」に近い判断だったと言えます。
アメリカのテレビ業界では、どんなに人気のあるシリーズでも、一定の期間が過ぎると「放送枠の刷新」という波に飲まれることがあります。12年という歳月は、ドラマ界では驚異的な長寿記録です。FOX側としては、一つの時代を築き上げた功労者である『BONES』に対し、最後のシーズン(シーズン12)を用意することで、物語を綺麗に完結させるという「敬意ある幕引き」を選んだのです。
もしこれが本当に不人気による即時打ち切りであれば、物語が途中で投げ出されることもあり得ましたが、幸いにもファンに別れを告げるための全12話が確保されたのは、不幸中の幸いだったと言えるでしょう。
背景に潜む「泥沼の訴訟問題」が関係を悪化させた?
ドラマが終了に向かった背景には、視聴率やマンネリ化といった表面的な理由だけでなく、ビジネス面での深刻な対立がありました。これが、局と制作陣の関係を冷え込ませた大きな要因の一つだと推測されています。
実は、シーズン11が放送されていた2015年頃、主演のエミリー・デシャネル(ブレナン役)とデヴィッド・ボレアナズ(ブース役)、そして原作者のキャシー・ライクス、プロデューサーのバリー・ジョセフソンらが連名で、放送局FOXを相手取って大規模な訴訟を起こしたのです。
訴訟の内容は「利益配分の未払い」でした。
彼らの主張によれば、ドラマが世界中で大ヒットし、莫大な利益を上げているにもかかわらず、FOX側が帳簿を操作して「利益が出ていない」ように見せかけ、キャストやプロデューサーに支払われるべき報酬を不当に低く抑えていたというものです。
この訴訟の結果、最終的には仲裁人によってFOXに多額の損害賠償支払いが命じられることになりましたが、主演俳優と放送局が法廷で争っている状態で、さらにシーズンを更新し続けるのは現実的に厳しかったのでしょう。現場の熱量とは裏腹に、ビジネスとしての信頼関係が崩れてしまったことが、シリーズ終了を加速させた可能性は極めて高いと考えられます。
「不死身のドラマ」と呼ばれた驚異の12年間
『BONES』はファンの間で、ある愛称で呼ばれていました。それが「不死身のドラマ(The Little Show That Could)」です。
なぜそう呼ばれていたかというと、このドラマは12年間の放送期間中に、なんと20回以上も放送曜日や時間帯を移動させられたからです。通常、放送枠がコロコロ変わるドラマは視聴者が離れてしまい、すぐに打ち切られるのが定石です。
しかし、『BONES』のファンは非常に熱心で、どんなに放送時間が変わっても、金曜の夜という「死の枠(視聴率が取れないと言われる時間帯)」に追いやられても、しっかりチャンネルを合わせて番組を支え続けました。
それでも、12年も続けばキャストのギャラは高騰します。特に主演の二人はシリーズを重ねるごとに重要度が増し、制作費に占める給与の割合が大きくなっていきました。放送局としては、高コストになった老舗番組を継続するよりも、新しく制作費の安い番組に賭ける方が経営的なリスクが低いと判断したのです。
視聴率自体も、ピーク時のシーズン6では1,000万人を超えていましたが、最終シーズン付近では500万人前後まで落ち込んでいました。500万人でも十分立派な数字ですが、制作費とのバランスを考えたとき、局にとっての「引き際」が訪れたというのが現実的な理由でしょう。
ザックの降板やキャスト間の絆:現場で起きていたこと
ドラマがこれほど長く続いた理由は、キャスト同士の仲が非常に良かったことも挙げられます。多くのドラマでは長期間一緒にいると不仲説が流れるものですが、エミリーとデヴィッドは私生活でも非常に親しく、お互いを尊敬し合っていました。
そんな温かい現場でしたが、初期の主要メンバーだったザック・アディ役のエリック・ミレガンの降板は、ファンに大きな衝撃を与えました。
シーズン3で衝撃的な去り方をしたザックですが、その裏側には、演じるエリック自身が双極性障害(躁うつ病)という精神的な病と闘っていたという事情がありました。制作陣は彼を排除するのではなく、彼の体調を第一に考え、無理のない範囲でゲスト出演させるなどの配慮を続けました。
最終シーズンでザックが再登場し、物語に重要な役割を果たしたことは、制作陣とキャストの「家族のような絆」があったからこそ実現したファンへの最高のプレゼントでした。こうした人間味あふれるエピソードを知ると、改めてこのドラマが愛された理由がわかりますね。
お家でゆっくり過去のシーズンを見返すなら、Fire TV Stickなどを使って大画面で楽しむのがおすすめです。また、原作小説に興味がある方はKindleでチェックしてみるのも良いかもしれません。
続編やリバイバルの可能性:またブレナンとブースに会える?
さて、ファンが今最も期待しているのが「リバイバル(復活)」ですよね。最近は『クリミナル・マインド』や『デクスター』など、一度完結した人気ドラマが数年後に復活するケースが非常に増えています。
『BONES』にその可能性はあるのでしょうか?
現時点での状況を整理すると、希望の光は見えています。
まず、クリエイターのハート・ハンソンは「FOX(現在はディズニー傘下)が望むなら、いつでも脚本を書く準備はできている」と前向きな姿勢を崩していません。
主演の二人についても、かつてデヴィッド・ボレアナズは「過去を振り返るタイプではない」と語っていましたが、近年では「絶対にないとは言い切れない。素晴らしい脚本とタイミングがあれば検討する」と、以前より柔軟なコメントを残すようになっています。エミリー・デシャネルも「キャラクターたちは今も私の心の中にいる」と語っており、再演への拒絶感はありません。
もし復活するならば、映画版として一本にまとめるか、全6話〜10話程度の限定シリーズ(リミテッド・シリーズ)として、現在の彼らを描く形が最も現実的だと言われています。二人の子供たちが成長し、どのような家族になっているのか、ラボのメンバーがどんなキャリアを築いているのか。ファンが見たい要素は尽きません。
BONESの打ち切り理由はなぜ?12年続いたドラマが終了した真相と続編の可能性を徹底解説
ここまで、BONESの打ち切り理由はなぜだったのか、その真相を詳しく見てきました。
改めてまとめると、大きな要因は以下の3点です。
- 放送局FOXによる経営的な判断: 12年という節目で番組の刷新を図ったこと。
- 泥沼の金銭訴訟: 利益配分を巡り、主演キャスト・制作陣と局が法廷で争ったこと。
- 制作コストの上昇: 長寿番組ゆえにキャストのギャラが高騰し、視聴率とのバランスが難しくなったこと。
不仲やスキャンダルによる突然の解散ではなく、ビジネス上の冷徹な判断と、法的なトラブルが重なったことが「終わり」を決めた決定打だったと言えます。
しかし、『BONES』が残した功績は色あせません。科学捜査の面白さと、キャラクターたちの成長、そして家族の愛を描き切った12年間は、海外ドラマ史に残る金字塔です。
現在はストリーミングサービスで全エピソードを視聴できる環境が整っています。iPadなどのタブレットで、寝る前に一話ずつ懐かしむのも素敵な時間ですね。
いつかまた、あの実験室でブレナンが「私には分からないわ(I don’t know what that means)」と言い、ブースが苦笑いしながら彼女をフォローする姿が見られる日が来ることを信じて待ちましょう。それまでは、全246話という壮大な物語を、何度でもじっくりと味わい尽くすことにしましょう。

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