「あの続きはどうなったの?」「もう完結したことになってるの?」
漫画ファン、特に歴史ロマンや重厚な人間ドラマを愛する読者の間で、今もなお語り草となっているのがハロルド作石先生の『7人のシェイクスピア』です。
圧倒的な画力と、誰もが知る文豪シェイクスピアの正体に迫る刺激的なストーリー。あんなに熱量があった作品が、なぜ2020年からパタリと止まってしまったのでしょうか。検索窓に「打ち切り」という不穏なワードが並ぶのを見て、ショックを受けた方も多いはずです。
今回は、多くのファンが気になっている『7人のシェイクスピア』の現状について、打ち切り説の真相や休載の背景、そして気になる再開の可能性まで、今分かっている情報を整理してお伝えします。
未完のままストップ?現在の連載状況をおさらい
まず結論からお伝えすると、『7人のシェイクスピア』は公式に「打ち切り」と発表されたわけではありません。 しかし、事実上の「無期限休載」状態が続いています。
これまでの歩みを振り返ると、この作品は少し特殊な経緯を辿っています。
- 第1部: 『週刊ビッグコミックスピリッツ』(小学館)で連載。
- 第2部: 『週刊ヤングマガジン』(講談社)に移籍し、『7人のシェイクスピア NON DROP』として再始動。
現在、単行本として発売されているのは第2部の12巻まで。2020年3月に発売された『週刊ヤングマガジン』15号での掲載を最後に、物語は止まったままです。
12巻のラストを知っている読者なら分かる通り、ストーリーはまさに最高潮。シェイクスピアというチームの絆が試され、大きな陰謀が動き出すという、どう考えても「ここで終わり」ではないタイミングでの中断でした。
なぜ「打ち切り」と言われるのか?3つの大きな理由
公式が打ち切りと言っていないのに、なぜこれほどまでに「打ち切り説」が濃厚に語られているのでしょうか。そこには、漫画業界のシビアな事情と、いくつかの不自然な符号があります。
1. 5年以上にわたる沈黙
最大の理由は、休載期間の長さです。2020年の休載からすでに5年以上が経過しています。週刊連載を主戦場とする漫画家にとって、これほどの長期間、音沙汰がないのは極めて異例です。
通常、数ヶ月の休載であれば「取材のため」「体調不良のため」といったアナウンスが入りますが、本作に関しては「再開時期未定」のまま時が止まってしまいました。この「情報の真空状態」が、読者に打ち切りを確信させる要因となっています。
2. 単行本の続刊が途絶えた
漫画が「終わった」と判断される大きな基準は単行本です。12巻が発売されて以降、新刊の予定が一切白紙になりました。物語が中途半端なところで途切れたまま、書店から「新刊案内」が消えてしまったことで、未完のままプロジェクトが終了したという印象を強めています。
3. ハロルド作石先生が新作を開始した
ファンにとって最も衝撃的だったのは、2025年に入ってからの動きでしょう。ハロルド作石先生が『月刊少年マガジン』にて、待望の新連載『THE BAND(ザ・バンド)』をスタートさせたのです。
漫画家が休載中の作品を抱えたまま、別の雑誌で新しい連載を始める。これは業界の慣例として、「前作の連載再開は当面(あるいは永久に)ない」ことを意味するサインと受け取られることが多いです。
漫画家ハロルド作石の現在地と『THE BAND』への注力
『7人のシェイクスピア』の続きを待ち望む身としては少し複雑ですが、ハロルド作石先生ご自身は、今まさに新しい創作のエネルギーに満ち溢れています。
2025年から始まった新連載『THE BAND(ザ・バンド)』は、先生の代表作である『BECK』を彷彿とさせる音楽マンガです。緻密な描写と、キャラクターから溢れ出すような熱量は健在。2026年現在も精力的に執筆が続いており、単行本も順調に刊行されています。
この新作の存在は、一つの事実を証明しています。それは、**「先生の体調不良が原因でシェイクスピアが止まったわけではない」**ということです。
むしろ、表現したいテーマが『7人のシェイクスピア』という歴史劇から、現代の音楽やバンドを通じた人間ドラマへとシフトした、あるいは編集部サイドとの間で何らかの方向性の不一致があった、と考えるのが自然かもしれません。
もし、ハロルド先生の過去の名作を振り返りたい、あるいは今の筆致を確かめたいという方は、名作BECKを読み返してみるのも一つの手です。あの時感じた震えるような感動は、間違いなく今の新作にも引き継がれています。
打ち切りではなく「棚上げ」?再開を阻む壁とは
では、なぜ『7人のシェイクスピア』は完結させてもらえなかったのでしょうか。そこには歴史モノ特有の難しさがあったと推測されます。
- 膨大な資料調査のコスト:16世紀のロンドンを舞台にする本作は、衣装、建築、時代背景、さらにはシェイクスピアの戯曲そのものへの深い理解が必要です。一話を描き上げるための「準備コスト」が、他の作品とは比較にならないほど高かった可能性があります。
- 掲載誌のターゲット層との乖離:第2部は『週刊ヤングマガジン』という、どちらかといえば刺激的な描写やエンタメ性の強い作品が好まれる雑誌でした。一方、本作は非常に文学的で考察を要する作風。雑誌内でのアンケート結果などが、連載継続に影響を与えた可能性は否定できません。
- 物語の巨大化:「7人の共作者」という設定上、キャラクター一人ひとりを掘り下げる必要があり、物語のスケールが当初の予定よりも膨らみすぎてしまったのかもしれません。描き切るにはあと数年はかかる……という見通しに対し、制作側のリソースが追いつかなくなった。これが「打ち切り」に近い休載の正体ではないでしょうか。
読者の本音:SNSやコミュニティでの反応
この「宙ぶらりん」な状態に対し、ファンの間では今も切実な声が上がっています。
「あんなに面白い漫画、他にないのに」
「未完の傑作として歴史に残ってしまうのが一番悲しい」
「新連載もいいけど、1巻分だけでもいいから描き下ろして物語を閉じてほしい」
ネット上のレビューやQ&Aサイトを見ると、作品のクオリティを否定する声はほとんどありません。むしろ、**「クオリティが高いからこそ、続きが読めないことが苦痛である」**という、愛ゆえの悲鳴が目立ちます。
特に、作中で描かれた「言葉の力」や「真実を隠して生きる者たちの葛藤」は、現代の読者にも深く刺さるものでした。完結していれば、間違いなくハロルド作石先生の最高傑作の一つとして、末長く語り継がれるはずのポテンシャルを秘めていたのです。
物語の続きを知る方法は?考察と関連作品
残念ながら、現在『7人のシェイクスピア』の物語を補完する小説や資料集は存在しません。しかし、ハロルド作石先生が描こうとした世界観のヒントは、他の場所で見つけることができます。
例えば、先生の過去作であるゴリラーマンやストッパー毒島を読めば、先生がいかにキャラクターの「目」や「間」で感情を語らせる天才であるかが分かります。
また、シェイクスピアの正体に関する説(オックスフォード伯説、フランシス・ベーコン説など)を解説した歴史書を読むことで、「もし連載が続いていたら、このエピソードをこう料理したのかな?」と想像を膨らませることも、ファンに許された数少ない楽しみの一つです。
再開の可能性はゼロじゃない?希望を捨てるのはまだ早い
さて、最も重要な「今後、連載が再開されることはあるのか?」という点について。
現状、非常に厳しいと言わざるを得ませんが、希望が完全に断たれたわけではありません。漫画界には過去、数年の休載を経て劇的な復活を遂げた例がいくつもあるからです。
- Web連載への移行: 紙の雑誌では枠の都合で難しくても、現在はコミックアプリやWebサイトでの連載が主流になっています。
- 完結編の単行本描き下ろし: 新作『THE BAND』が一段落した際、作者の意志で「ケジメ」として完結編が描かれるケース。
- 他媒体での展開: 近年、未完の漫画がアニメ化や実写化を機に、原作者監修のもとで結末が描かれるパターンも増えています。
ハロルド作石先生は、一度始めた物語を蔑ろにするような作家ではありません。第1部から第2部へ雑誌を跨いでまで再開させた執念を考えれば、いつか何らかの形で「7人の旅」に終止符を打ってくれるのではないか、と期待してしまいます。
まとめ:7人のシェイクスピアは打ち切り?の真相
この記事のテーマである、**7人のシェイクスピアは打ち切り?**という問いに対して、現時点での答えを整理します。
- 公式な「打ち切り」発表はないが、5年以上の休載で事実上の停止状態。
- 作者のハロルド作石先生は、2025年から新連載『THE BAND』を開始しており、活動は順調。
- 再開の目処は立っていないが、作品の評価は極めて高く、復活を望む声は根強い。
今は新作を応援しつつ、いつかまたあのロンドンの空の下で、ランスたちが「言葉の魔法」を紡ぎ出す日が来るのを待つしかありません。
もしあなたがまだこの作品を読んだことがなく、ここまでの話で興味を持ったのなら、ぜひ既刊12巻を手に取ってみてください。たとえ続きが止まっていても、そこには読む価値のある圧倒的な熱狂が詰まっています。
7人のシェイクスピア NON DROP物語は止まっていても、そこで生まれた言葉たちは、今も読者の心の中で生き続けています。それこそが、シェイクスピアが時を超えて愛される理由であり、この漫画が持つ特別な力なのです。いつか必ず、その「続き」に出会える日が来ることを願って。

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