「あやかしトライアングル(あやトラ)」を愛読していたファンにとって、最も衝撃的だったのは週刊少年ジャンプ本誌での連載終了ではないでしょうか。ネット上でささやかれる「打ち切り」という不穏な言葉。しかし、その実態は決してネガティブなものではありませんでした。
今回は、なぜあやかしトライアングルに打ち切り説が浮上したのか、そしてジャンプ+への移籍を経てどのような結末を迎えたのか、その全貌を熱量たっぷりにお伝えします。
なぜ「あやかしトライアングルは打ち切り」という噂が流れたのか
まず、多くの読者が不安に感じた「打ち切り説」の出所を整理しましょう。週刊少年ジャンプという雑誌は、読者アンケートの結果が露骨に掲載順位や連載継続に反映される厳しい世界です。そんな中、物語が佳境に入る前に本誌を去ることになったため、「人気が振るわなかったのでは?」という憶測が飛び交いました。
しかし、実際のところ「あやトラ」の単行本売上は好調で、アニメ化も決定していた時期です。不人気による打ち切りの条件には全く当てはまっていませんでした。それにもかかわらず、なぜ「打ち切り」というキーワードがこれほどまでに検索されたのでしょうか。
それは、ジャンプ本誌の「掲載順」という独特のシステムにあります。お色気要素の強い作品は、誌面のバランス調整として後半に配置されることが多く、それが未読の層から見れば「順位が落ちている=打ち切り間近」という誤解を生んでしまったのです。また、移籍発表から本誌最終回までのスピード感が早かったことも、混乱に拍車をかけました。
少年ジャンプ+への移籍は「攻め」の選択だった
本誌での連載に区切りをつけ、アプリ配信の「少年ジャンプ+」へ移った理由。これは、打ち切りどころか、作品のポテンシャルを120%引き出すための「戦略的移動」でした。
最大の理由は、表現の自由度です。週刊少年ジャンプは紙媒体であり、コンビニや書店で子供から大人までが手にとる雑誌です。そのため、性的な描写や過激な演出には一定の制約がかかります。作者の矢吹健太朗先生が描きたい「あやかしトライアングル」の真髄、つまりヒロイン・すずの欲望や祭里の葛藤をより深く描くためには、WEB媒体という自由な戦場が必要だったのです。
移籍後の「あやトラ」は、まさに水を得た魚のようでした。WEB連載ならではの特性を活かし、読者が待ち望んでいたフルカラー連載を敢行。矢吹先生の圧倒的な画力が色彩を得たことで、作品の魅力はさらに加速しました。これは、本誌の枠組みに縛られていたら実現しなかった、ファンへの最高のギフトと言えるでしょう。
また、アプリでFire HD 10 タブレットなどのデバイスを使って読む読者層と、作品の親和性が非常に高かったことも移籍成功の大きな要因です。
アニメ版の放送延期が火に油を注いだ?
原作の移籍騒動と時期を同じくして、もう一つファンをヤキモキさせたのがアニメ版のトラブルです。2023年にスタートしたテレビアニメは、新型コロナウイルスの影響により制作スケジュールが大幅に遅延。第6話以降が放送休止となり、数ヶ月のブランクが空く事態となりました。
この「放送中断」というニュースが、原作の「移籍(本誌終了)」と混同され、「アニメも原作も打ち切りになってしまったのか」という勘違いを増幅させてしまいました。しかし、アニメ制作陣は決して諦めていませんでした。のちに全話の放送を再開し、クオリティを維持したまま完結まで描ききっています。
アニメをきっかけにあやかしトライアングル Blu-rayを手に取った方も多いはず。動く祭里やすずの可愛らしさは、原作の魅力を再確認させる素晴らしい出来栄えでした。
物語の結末:祭里とすずが出した「性別」を超えた答え
物語の核心は、性別が変わってしまった忍の祭里と、妖巫女であるすずの恋の行方です。最終回に向けて、読者が最も気になっていたのは「祭里は男に戻るのか、それとも女のままなのか」という点でしょう。
これについて、矢吹先生は非常に誠実な回答を用意してくれました。安易に「元通りになってハッピーエンド」とするのではなく、女としての祭里が過ごした時間、育んだ感情、そしてすずが愛した「祭里という存在そのもの」を肯定する結末が描かれました。
読者からは「これこそが求めていたあやトラの形」「性別なんて関係ない、二人の魂の結びつきに感動した」と絶賛の声が相次ぎました。お色気コメディとして始まった物語が、最後には深い人間愛と絆を描くドラマへと昇華されたのです。全144話、単行本全16巻というボリュームは、物語を完結させるのに十分かつ、一切の無駄がない完璧な構成でした。
矢吹健太朗先生のこだわりと今後の期待
矢吹先生といえば、「BLACK CAT」や「To LOVEる -とらぶる-」シリーズで知られる、ジャンプが誇るレジェンド作家の一人です。今回の「あやトラ」においても、キャラクター一人ひとりの内面を丁寧に描きつつ、読者の視覚を飽きさせない工夫を凝らしていました。
特に移籍後のフルカラー版は、iPad Airのような高精細なディスプレイで読むと、その筆致の細かさに驚かされます。背景の描き込みからキャラクターの肌の質感まで、一切の手抜きがありません。打ち切りどころか、最後まで作家としての情熱を注ぎ込んだ最高傑作だったことは、最終巻を読めば誰もが納得するはずです。
現在は連載を終え、次なるプロジェクトへの期待が高まっています。矢吹先生が次はどのような世界を見せてくれるのか、ファンは静かに、しかし熱くその時を待っています。
あやかしトライアングルは打ち切り?移籍の真相と完結までの軌跡を徹底解説!:まとめ
あらためて断言しますが、「あやかしトライアングル」は打ち切りではありません。
ジャンプ本誌から「ジャンプ+」への移籍は、表現の限界を突破し、より高品質な作品を届けるためのポジティブな決断でした。アニメの延期や掲載誌の変更といった外的な要因が重なり、誤解を生みやすい状況にありましたが、物語自体は非常に高い純度で完結まで導かれています。
祭里とすずの恋、そして妖たちとの賑やかな日々は、全16巻の中に完璧にパッケージされています。もし「打ち切りだと思って敬遠していた」という方がいれば、それはあまりにもったいない話です。今すぐあやかしトライアングル コミックセットをチェックして、その美しくも熱い完結までの道のりを見届けてみてください。
「あやトラ」という作品が示した、性別や種族を超えた愛の形は、完結した今もなお多くの読者の心に深く刻まれています。

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